テクニカルマイスター

商品、為替、株式相場を,ファンダメンタルズとテクニカルから思いつくままに分析。

9月21日(金)
【9月20日の海外相場および市況】

*20日のNY外国為替市場では、NY株高を背景にリスクオンモードが強まり、ドル円は112円台半ばに上昇した。トランプ政権は17日、中国に対する第3弾の制裁関税措置の発動を発表し、中国も対抗して追加関税を課す方針を表明した。ただ、双方の制裁措置は事前予想よりも「抑制的」と好感された。中国が早ければ10月、大半の貿易相手国を対象に平均輸入関税率を引き下げる計画と報じられ、また、中国の李克強首相が19日、輸出促進のための通貨切り下げは行わないと明言したことも好感された。通商摩擦激化の懸念から円買い・ドル売りポジションが巻き戻された。ただ、来週には茂木敏充経済再生担当相とライトハイザー米通商代表部(USTR)代表による貿易協議(FFR)の第2回会合と日米首脳会談が開かれる予定で、これ以上の円売り・ドル買いは慎重になりそうとの見方も出た。

*20日のNY金は、続伸した。外国為替市場では対ユーロでドル安が進行し、ドル建て金に割安感が生じたことから、金が買われた。ただ、米中間の「貿易戦争」激化への警戒感が後退する中、投資家のリスク選好意欲が高まり、米株が続伸。安全資産としての金を買う動きは限られ、相場の上値は重かった。市場は来週開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)にも注目。今会合では追加利上げがほぼ確実視されているが、今後の利上げペースに関する手掛かりを得たいとの思惑が広がっている。NY白金はドル安を受けて4日続伸。。

*20日のNY原油は、トランプ大統領がツイッターで石油輸出国機構(OPEC)が石油価格を引き上げていると批判したことなどを受けて、3日ぶりに反落した。この日、ドル安・ユーロ高が進行し、ドル建て原油に割安感が生じたため、朝方は堅調に推移していた。また、OPEC加盟・非加盟国の会合を今週末に控えて、OPECが増産に踏み切ることはないとの観測が強まっていることも支援材料だった。しかし、トランプ大統領が20日早朝、OPECが石油価格をつり上げているとツイッターで批判し、「すぐに価格を引き下げる必要がある」と要求。これを受けて、次第に売りが優勢となり、相場はマイナス圏に沈んだ。イラン産原油に対する米国の制裁措置が11月4日に発動されると、供給は世界的に減少すると見込まれている。こうした見方を背景に、北海ブレントはほぼ4年ぶり高値付近の80ドル前後の水準で推移している。米国の対イラン制裁が支援要因の一方、中国の需要減退懸念に圧迫されている。OPEC加盟国と非加盟国は23日、アルジェリアで共同閣僚監視委員会を開く。増産方針で正式に合意する見込みはないものの、原油価格の上昇回避を求める圧力は高まっている。トランプ大統領はツイッターに「市場を独占しているOPECは直ちに原油価格を下げるべきだ!」と投稿した。

*20日のシカゴトウモロコシは続伸。米国産トウモロコシの週間輸出量が予想よりも多かったことに加え、米国で収穫が遅れるとの見通しが強材料視された。シカゴ大豆は、良好な輸出を受けて続伸。中国政府が10月に入って、大半の貿易相手国からの輸入品の平均関税率を引き下げることを計画しているとの報も支援要因。

*20日のNYダウは、米中貿易摩擦への懸念が後退する中、3日続伸した。中国が早ければ10月、大半の貿易相手国を対象に、平均輸入関税率を引き下げる計画だと報道。中国の李克強首相が19日、輸出促進のための通貨切り下げは行わないと明言したことも好感された。最近の米国と中国の動向を踏まえ、両国が本気で『貿易戦争』をしたがっていないとの安心感が広がったようだ。


【21日の経済指標】
08:30   (日) 8月 全国消費者物価指数(CPI) [前年同月比]  0.9%   
08:30   (日) 8月 全国消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く) [前年同月比]  0.8%   
13:30   (日) 7月 全産業活動指数 [前月比]  -0.8%   
16:30   (独) 9月 製造業購買担当者景気指数(PMI、速報値)  55.9   
16:30   (独) 9月 サービス部門購買担当者景気指数(PMI、速報値)  55.0   
17:00   (欧) 9月 製造業購買担当者景気指数(PMI、速報値)  54.6   
17:00   (欧) 9月 サービス部門購買担当者景気指数(PMI、速報値)  54.4   
22:45   (米) 9月 製造業購買担当者景気指数(PMI、速報値)  54.7   
22:45   (米) 9月 サービス部門購買担当者景気指数(PMI、速報値)  54.8   
22:45   (米) 9月 総合購買担当者景気指数(PMI、速報値)  54.7  

第183回 『おしえて陳さん』 
http://www.sunward-t.co.jp/movies/oshiete/

【東京白金は下値切り上げの可能性】
*先週の東京白金は、堅調なNY白金と為替の円安を受けて、3.1%上昇した。NY白金は760~800ドルのレンジで保ち合いが続いているが、同じ貴金属である金やパラジウムに対する割安感からレンジの下限ではショートカバーが入り、下値がサポートされているようだ。現況の価格水準は、リーマンショックで暴落した後の2008年10~11月当時の価格帯であるため、値頃感が働きやすい。

CFTC建玉明細によると、ファンドは白金を13週連続で売り越している。9月11日時点のネットショートは7568枚と前週の1万1916枚から4348枚減少している一方で、実需のロングは3万2000枚近くある。18日のNYパラジウムは3ヶ月ぶりに1000ドルの大台に乗せ、NY白金も800ドル台に上昇した。パラジウム最大の生産国はロシアであるが、14日に通貨安防衛のため3年9ヶ月ぶりの利上げ(7.25%⇒7.50%)を行った。

さらに、原油価格の上昇により通貨ルーブルが対ドルで上昇したことがパラジウム急反発の要因となったようだ。同じ白金族である白金も押し上げられた。東京白金はこれに円安の追い風もあって3000円の大台に接近する上昇となり、テクニカル的にも地合いは好転している。3000円の大台回復は時間の問題だろう。

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*東京白金予想レンジ:2850~3050円

*CFTC建玉9月11日時点:ファンドの白金売り越しは7568枚(前週比-4348枚)と減少。総取組高は9万3273枚と前週比3727枚の増加。

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*白金と金の逆ザヤは、7月3日に1526円と過去最大幅を記録した。その後は売られ過ぎから急速に縮小し1350円まで戻したが、再び1450円台へ拡大。そして1400円台に縮小。白金の下値が近いと見れば、過去最大の逆ザヤ1526円は下回らない可能性は高いだろう。


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【東京金は4300円台を固める可能性】 
*先週のNY金はほぼ変わらず。トランプ大統領が、中国からの輸入品2670億ドル相当に追加制裁関税を課す用意があると表明し、中国側も米国が新たな制裁措置を講じればそれに対抗する姿勢を明らかにした。「貿易戦争」の激化は今後の話し合いで回避されるとの見方も強く、米中による通商交渉の行方に注目が集まる中、様子見が強まった。両国間の摩擦が激化すれば、中国が不利となり人民元の下落を招き、中国の金需要が減退するとの見方が強まった。

トランプ政権は17日、中国による知的財産権侵害を理由とした制裁関税の第3弾を24日に発動すると発表。中国からの輸入品2000億ドル相当に10%の追加関税を課し、来年には25%に引き上げるとした。これに対し中国商務省は、報復を改めて示した。ただ、米政府が当初の税率を抑えたほか、携帯電話やパソコン本体を対象から外したことなどから、懸念されていたほど両国経済には打撃が及ばないとの見方が広がり、株を買って債券を売る動きが台頭し、米長期金利が上昇したため、金の上値は抑えられた。

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CFTC建玉によるとファンドのネットショートは前週の1万3497枚から7590枚に減少し、26日の米連邦公開市場委員会(FOMC)に向けて、ファンドはポジション整理に動き出したようだ。堅調なNYダウを背景に金ETFは減少傾向が止まらず、2016年2月以来の低水準に落ち込んでいる。1200ドルを挟んだレンジ相場が続きそうだ。

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*NY金予想レンジ=1170~1230ドル

*CFTC建玉9月11日時点:ファンドの原油買い越しは54万3845枚(前週比-2万1885枚)と減少。総取組高228万1869枚と前週比2万1178枚の減少。
   
*先週の東京金は上昇し、4300円台に浮上した。NY金が狭いレンジで保ち合いだったが、為替が円安で推移したため、下値を切り上げる展開となった。18日、トランプ政権が中国製品約2000億ドル相当に24日から10%の追加関税を課すと発表したことを受け、中国は米製品600億ドル相当を対象とする報復関税を発表した。

しかし、米中の新たな関税が予想より穏やかな措置と受け取られ、NYダウは上昇し、米10年債利回りは3.06%と約4カ月ぶりの水準へ上昇した。日経平均株価も大幅続伸し、ドル円は112円台前半に浮上した。リスクオンともいえる状況にもかかわらず、NY金は1200ドル台を維持し、底堅く推移している。来週26日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では今年3回目の利上げが確実視されており、市場は4回目の利上げに関して、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長がどのような発言をするかに注目している。

8月米消費者物価指数(CPI)は2.7%で前月の2.9%からやや鈍化しているが、中国からの輸入品に関税をかけたことで、今後のインフレ率上昇が予想される。FRBもタカ派的な姿勢を強めるだろう。4回目の利上げを織り込む形でドル高が進みそうだ。一方、NY金は下落が予想されるものの、1200ドル割れではショートカバーが先行すると思われる。ドル円は円安に振れることが予想され、東京金は堅調に推移しそうだ。4300円台で値固めして4400円台を目指す展開を予想する。

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*東京金予想レンジ:4280~4380円。


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