テクニカルマイスター

商品、為替、株式相場を,ファンダメンタルズとテクニカルから思いつくままに分析。

【 東京金は、昨年7月の高値を上抜いた。値固め後に4600円をトライへ 】

*先週のNY金は1205ドル台で堅調に推移した。フィラデルフィア連銀のハーカー総裁とクリーブランド連銀のメスター総裁が3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げの可能性を示唆する発言を行なった。22日に公表された2月1日の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録要旨は、参加者の多くが経済が予想通りかそれ以上に進展すれば「かなり早期」の利上げが適切と主張していたことが判明したが、同時にインフレ懸念がそれほど高まっていない上に、バランスシートの縮小に関する議論がまだ行われていないことが確認されたため、市場が警戒していたほどタカ派的な内容でなかった。そのため、次回3月の会合での利上げ観測が後退し、米長期金利が低下し、安全資産である金は押し上げられた。しかし、28日にフィラデルフィア連銀のハーカー総裁とサンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁が相次いで早期利上げに前向きな姿勢を示しており、3月の利上げ見通しが高まってきた。ただ、トランプ大統領の議会演説を28日(現地)の夜に控えて、様子見が強まった。

*1265ドル近辺にある200日移動平均線に上値は抑えられているが、下値は25日移動平均線と100日移動平均線にサポートされよう。特に、25日線と100日線はゴールデンクロスしており、地合いは堅いだろう。1250ドルを軸にして、レンジ相場が続きそうだ。

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*金ETF「SPDRゴールド・トラスト」の金保有高は、2月28日時点で841.17トン。2月に入ってから増加に転じ、1月末(799.07トン)から比較すると、5.2%の増加。ただ、先週はトランプ大統領の就任演説を控えて様子見姿勢が強まり、増勢も一服している。今年の最大量は843.54トン(2月15日)、昨年の最大量は982.72トン(7月5日)。

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*東京金は4500円台を回復した後は、昨年7月20日の高値4523円がターゲットになっていたが、2月28日に4537円をつけ、高値を更新した。チャートから、次の上値目標値は4622円(3月7日)になろう。さて、NY金は3月の利上げ見通しの後退とトランプ政権の経済政策の不透明さ、欧州での選挙に絡む政治リスク等を受けて1250ドル台に乗せた。しかし、28日(現地)夜に行われたトランプ大統領の初の議会演説を受けて、ドルが急反発し、NY金時間外は10ドル以上下落し、1250ドルを下回っている。大統領演説のポイントは、①1兆ドルのインフラ投資(壊れつつある米国のインフラ一新)、②移民規制によって米国民の雇用が拡大すれば米国民の給料が上がる、③古過ぎる規制は撤廃されるべき、④防衛予算の歴史的増加を求める、⑤国民に結束を求める、⑥米国は再び指導力発揮。インフラ投資の規模は想定内で、減税や財源についても具体的な案はなかったが、大過なく演説を終えたことが好感され、市場はリスクオンモードを強めたようだ。NY金時間外は急落したものの、東京金にとっては、ドル円が113円50銭台に上昇したことが支援要因となり、4500円台で推移している。さて、3月に入ったが、欧州では今月下旬に行われるオランダでの選挙、来月はフランスでの大統領選挙(第1回)が行われる。いずれも反移民・反欧州連合(EU)を掲げる右派政党が優勢と伝えられており、市場のリスク懸念が高まりやすい。米国での利上げ見通しは金相場の重石となろうが、欧州の政治リスクが下値を支えるだろう。上昇基調に変化はないだろう。

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*今週の予想レンジ:4450~4550円


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【3月1日(水)国内市況と終値】
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*1日の金と白金は円安を受けて反発。トランプ大統領の初の議会演説は、特に目新しい内容はなかったが、為替が円安に振れたため、買いが優勢となった。

*1日の中東産原油は円安を受けて上伸。石油製品も堅調。2月の石油輸出国機構(OPEC)諸国の減産順守率に関し、推定で約94%になったとのロイター通信の調査結果が下支え要因。調査結果によると、減産対象となっているOPEC11カ国の2月の産油量は日量2987万バレルで、前月の2996万バレルから減少したとみられる。減産幅は109万8000バレルとなり、減産目標(116万4000バレル)に対する順守率は94.3%。OPEC盟主のサウジアラビアの減産幅は74万4000バレルと、目標(48万6000バレル)を大きく上回っている。OPEC月報によれば、協調減産が始まった1月の順守率は約9割に達した。2月の減産履行状況がロイターの調査結果通りになれば、2カ月連続で高水準の順守率が続いたことになる。

*1日のゴムは、上海ゴム高と円安を受けて1週間ぶりの高値となった。

*1日のトウモロコシと一般大豆はシカゴ高と円安を受けて続伸。

*1日の東京外国為替市場のドル円相場は、株高や米金利上昇などに支援され、113円台半ばの高値圏で推移している。トランプ大統領の演説は、新味に乏しいと受け止められたが、大過なく終了したことで市場に安心感が出て、日経平均は上げ幅を拡大し、米長期金利は上昇した。これを受けてドル円は水準を切り上げた。

*1日の日経平均株価は大幅続伸。トランプ大統領の議会演説後に為替が円安・ドル高に傾いたことが安心感を生み、幅広い銘柄が買われた。トランプ大統領の演説は新味に乏しかったが日本に対する円安誘導批判など過激な内容が含まれていなかったことが好感されたようだ。


第105回 『おしえて陳さん』 
http://www.sunward-t.co.jp/movies/oshiete/

【トルコリラ、先週の動き・今週の予想】
*先週のトルコリラ円は、値動きは小さく小安く引けた。1月の財政収支は19億リラ(8億7100万ドル)の黒字となり、利払い分を除いた基礎的財政収支(プライマリーバランス)は69億リラの黒字となった。これが好感されて、リラ買いが加速した。21日には財務庁が18億リラの国債を発行したこともリラを押し上げたようだ。

*今週のトルコリラ円は、保ち合いとなりそうだ。エルドアン大統領は、リラ安を回避するために、国民に「外貨を売って、リラと金を購入しよう」と呼びかけた。トルコ中央銀行(TCMB)は、さらにリラ安対策として、輸出及び外貨を獲得できるサービスに関する手形割引に関して新しい発表を行なった。先週も18億リラの国債を発行するなど、リラ安阻止に向けて次々に手段を講じており、効果が表れている。欧州連合(EU)は、トルコの憲法改正に関する4月16日の国民投票の後、今年後半には政治的不透明性が減少し、内需も緩やかに回復し始めると予測した。トルコ経済は2017年には2.8%、来年には3.2%の経済成長となり、失業率は、2017年には11.2%、来年には11.5%となり、消費者物価指数(CPI)は2017年には8%、来年には7.6%に低下すると見込んでいる。住宅販売は好調だ。1月にトルコ全土で販売された住宅数は、前年同月と比べて12.8%増加して、8万4556戸から9万5389戸となった。また、1月の新築住宅販売数は、前年同月と比べて10.4%増加して4万4235戸となった。

トルコには依然としてシリア情勢やテロ事件、憲法改正国民投票など、「不測の事態」が起こる可能性が多分にあり、完全に落ち着くまでには時間がかかりそうだ。しかし、米国との関係改善は地政学的リスクを徐々に低下させていく可能性があるだろう。米国とトルコの関係は、昨年7月にトルコで起きたクーデター未遂事件後に悪化した。トルコはギュレン師を同事件の首謀者とみなしており、米国にギュレン師の引き渡しを求めている。しかし、今月に入って、アメリカのジョセフ・ダンフォード参謀長とトルコのフルシ・アカル参謀総長が、インジルリク空軍基地で会談し、イスラム国(IS)からラッカを奪う作戦について話し合った。また、トルコの国家情報局(MIT)が、米CIAのマイク・ポムペオ新長官と、フェトフラー・テロリスト組織(FETO)について会談した。先週は、ペンス米副大統領とトルコのユルドゥルム首相が両国関係の改善について協議した。テロリズムとの戦いでの連携強化、シリアを巡る問題の解決に向けた協力について話し合い、ユルドゥルム首相は、米国在住のイスラム教指導者ギュレン師に関するトルコの要請に米国が応じることが、両国関係の新たなスタートにつながると述べたという。

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予想レンジ:30.00円~33.00円



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【南アランド、先週の動き・今週の予想】
*先週の南アランド円は堅調だった。南アランドは貴金属相場の上昇を背景に対ドルで上昇し、2015年8月以来の高値を更新した。1月の消費者物価指数(CPI)は前年比上昇率6.6%と、昨年12月の6.8%から鈍化し、予想の6.7%も下回った。1月卸売物価指数(PPI)も前年比5.9%と前回の7.1%、予想の6.6%から低下。インフレ率改善とみなされ、南アランドには好材料になったようだ。

*今週の南アランド円は、堅調に推移しそうだ。南アフリカ準備銀行(SARB、南ア中銀)は、同国の経済成長率を2017年が+1.1%、2018年が+1.6%になると予測している。国際商品価格の上昇とインフレ率の低下、金利の安定、農業部門の回復により、2017年の成長率は2016年(予想+0.4%)上回ると見込んでいる。南アフリカは白金最大の生産国であるが、同国のプラチナ生産大手のアングロ・アメリカン・プラチナ(アムプラッツ)2016年決算で、利益が19億ランドとなり、1億2600万ランドの赤字だった前年から黒字転換した。2015年に128億ランドだった純債務は16年に73億ランドに減少し、同社は2017年は50億ランドを下回る水準を目指すと表明した。 南アフリカ経済に影響を与える中国の国内総生産(GDP)や貿易収支が改善したことも支援要因。南アフリカの格付けは、格付け会社のS&Pが「BBB-」、ムーディーズが「Baa2」。いずれも今のところ投資適格級と判断されている。S&Pは南アフリカのリセッションは回避されるとした。ただ、逆に言えば、ジャンク級へ下落する可能性は低くない。財政赤字が大きいため、財政出動は困難で増税に踏み切る可能性がある。財政赤字削減に失敗すれば、それこそジャンク級への格下げとなろう。

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 ブルームバーグの報道では、クレディ・スイスの調査によると、1900年~2016年の過去117年において株式市場が最高だったのは資源国の南アフリカ共和国だったとのこと。ズマ大統領への不信感から与党のアフリカ民族会議(ANC)に対する支持が薄れているが、逆に今後の政治的・経済的な変革が期待されているようだ。年末に行われるANCの党首選までは、この期待感が南アランドをサポートしよう。ズマ大統領が交代するかどうかが最大の焦点になるだろう。

予想レンジ:8.50円~8.80円


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【ドル円、今週の見通し】
今週のドル円相場は、円高基調ながら一時的に上に振れる可能性もありそうだ。今週28日にトランプ大統領が就任後に初めて行う上院・下院における議会演説が注目される。トランプ大統領が9日に表明した「驚異的な税制改革案」の発表は見送られるとの見通しで先週のドル円は112円を割り込む下落となった。しかし、ムニューシン財務長官が税制改革案の発表が遅れる可能性を示唆したものの、週末には、トランプ大統領が両院議会演説で税制改革に言及する可能性を示唆したことで、ドル円は下げ渋り、週明け27日の東京市場では112円絡みで下げ渋っている。ムニューシン財務長官は23日、税制改革は「非常に重要」とし、議会が8月の休会前に税制改革法案を承認することが望ましいとの考えを示したが、詳細には踏み込まなかった。市場はこの発言に関して、財源が不足しているので、財政の具体策は年内は困難と受け止めているようだ。米国の法制化手続きを考えれば、3月に提出された税制改革案が8月までに成立する可能性は低いという。米10年債利回りも15日につけた2.525%で頭打ちとなり、直近では2.3%台まで低下している。金利低下を受けてドルも下落している。3日にはイエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長が講演する予定だが、3月利上げの期待は後退している。24日時点におけるCMEのFED WATCHによると、3月の利上げ確率見通しは26%台に留まっている。

ただ、トランプ大統領の演説が想定外の内容になることも予想され、大型減税に関する具体策が出れば、ドル円は一時的に上昇することも想定される。しかし、大型減税について発表したものの、減税額が予想を下回ったり公表時期が大幅に遅れるような場合、ドル買いは一時的に留まるだろう。NYダウは連日史上最高値を更新しているものの、上げ幅は徐々に縮小しており、実効性が伴わないとの見方が強まれば、トランプノミクスに対する市場の期待も急速に萎んでくる可能性もある。期待も持たせる演説で一時的にドルが買われても、現状のドル安基調を覆すには至らないだろう。3月に入れば15日のオランダ総選挙、4月にはフランス大統領選と欧州リスクが意識されてくる。アジアでも北朝鮮のミサイル発射、金正男暗殺など地政学的リスクが高まる可能性がある。リスク回避からの円買いは潜在的に強く、ドル円の下落基調は継続しそうだ。

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今週発表される主な経済指標は、27日の米1月の耐久財受注、3月1日の米第4四半期国内総生産(GDP)改定値、12月のケースシラー住宅価格指数、1日のベージュブックなどが注目されよう。

*CFTC建玉2月21日時点:ファンドのドル買い・円売りは5万0162枚(前週比-1122枚)と減少。総取組高は20万5223枚と前週比946枚の増加。トランプ政権が発足してから、ドル買い・円売りポジションが縮小している。

予想レンジ:111.50円~114.00円


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