テクニカルマイスター

商品、為替、株式相場を,ファンダメンタルズとテクニカルから思いつくままに分析。

6月20日(水)
【6月19日の海外相場および市況】
tk0619

*19日のNY外国為替市場では、米中間の貿易摩擦激化への懸念が強まり、110円近辺で軟調に推移した。トランプ大統領は18日、中国から輸入する2000億ドル相当の製品に10%の関税を課す追加制裁を検討すると発表。米国が15日に表明した知的財産権侵害を理由とした500億ドルの対中制裁に対し、中国が報復措置を取る姿勢を見せたため、制裁を強化する方針を示した。二大経済大国による「貿易戦争」激化を受けて、リスク回避姿勢が強まり、安全通貨である円が買われやすい地合いが続いた。ただ、市場では好調な米国経済を背景に連邦準備制度理事会(FRB)が利上げペースを加速させるのではないかとの観測もあって、ドルの下値は堅く円の上値も重かった。5月住宅着工件数は前月比0.5%増の135万戸と予想を上回ったが、先行指標である住宅着工許可件数が4.6%減の130万1000戸と予想を下回り、強弱まちまちの内容となったため、ほとんど材料視されなかった。本日は海外で、欧州中央銀行(ECB)年次フォーラムが開催され、ドラギECB総裁、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長、黒田東彦日銀総裁がパネル討議を行う予定。 
*19日のNY金は小幅反落。ドル高・ユーロ安が進行し、ドル建て金は割高感から金相場は下押しした。米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げペースの加速観測も引き続き相場の重石となった。 ただ、トランプ政権は18日、中国から輸入する2000億ドル相当の製品に10%の関税を課す追加制裁を検討すると表明。米国は先週末に表明した500億ドルの対中制裁に対し、中国が報復措置を取る姿勢を見せたため、制裁を強化する方針を示している。こうした両国間の緊張の高まりを受けて、金に「質への逃避」買いが入ったことから、下げ幅は限定的だった。米中の貿易をめぐる対立により、世界の経済成長への懸念が強まり、株が売られる一方で、円やドルなどの安全資産とされる通貨が買われた。通常、リスク回避の傾向として米国債や金が買われるものだが、ドル高により金は圧迫されている。NY白金は3日続落。

*19日のNY原油は反落。トランプ米政権は18日、中国から輸入する2000億ドル相当の製品に10%の関税を課す追加制裁を検討すると表明。米国が15日に表明した500億ドルの対中制裁に対し、中国が報復措置を取る姿勢を見せたため、対中制裁をさらに強化する姿勢を見せた。米中が「貿易戦争」に突入することから、世界経済や原油需要にも悪影響が及ぶとの警戒感が広がった。この日は欧米株が全面安となり、リスク回避姿勢が強まったことも重石となった。22、23日には石油輸出国機構(OPEC)総会とOPEC加盟・非加盟国会合がウィーンで開催される予定で、現行の協調減産措置を緩和する決定が下されるのではないかとの観測が広がっていることも相場を下押しする要因となった。OPEC盟主のサウジアラビアとOPEC非加盟の主要産油国ロシアは、ベネズエラでの産油量減少や対イラン制裁に伴う同国産原油の供給停滞の可能性などを理由に増産を支持している。ロシアのノバク・エネルギー相はし、2017年からOPECと実施してきた協調減産について、日量150万バレル増やす案を示す計画だと述べた。

*引け後に公表された米石油協会(API)による週間在庫統計では、15日までの米原油在庫が前週比300万バレル減と、市場予想(190万バレル減)を上回る取り崩しだった。ガソリンとディスティレート(留出油)の在庫は積み上がった。製品在庫の積み増しが嫌気されて、時間外は-0.60ドルの65.08ドル前後で推移。

*19日のシカゴトウモロコシは続落。米中貿易摩擦や米中西部産地の好天が嫌気された。シカゴ大豆は反落し、約9年半ぶりの安値をつけた。

*19日のNYダウは、米中の通商摩擦が「貿易戦争」に発展するとの懸念から6日続落。トランプ大統領は18日、中国による知的財産権侵害を理由に、新たに2000億ドル(約22兆円)相当の中国製品に対する10%の追加関税を検討すると表明。中国も追加の対抗措置で応じる姿勢を示し、報復の応酬に発展するとの懸念が高まり、世界的な株安を招いた。NYダウは一時420ドル近く下落した。 世界第一位と二位の経済大国である米中両国が実際に報復合戦に突入すれば、多国籍企業のサプライチェーンは破壊され、堅調だった世界経済の減速を招く恐れがある。


【20日の経済指標】
07:45 (NZ) 1-3月期経常収支 (対GDP比) -2.7% 
08:50 (日) 日銀・金融政策決定会合議事要旨(4月26-27日開催分)
15:00 (独) 5月生産者物価指数 (前年比) +2.0%
17:00 (南ア) 5月消費者物価指数 (前年比) +4.5%
21:30 (米) 1-3月期経常収支 -1282億USD
23:00 (米) 5月中古住宅販売件数 546万件 558万件
      (米) 5月中古住宅販売件数 (前月比) -2.5% +2.1%


第169回 『おしえて陳さん』 
http://www.sunward-t.co.jp/movies/oshiete/


【 白金は安値低迷が続きそう】
*先週の東京白金は上昇した。白金最大の生産国である南アフリカで国営電力会社エスコムがストライキに入り、停電が懸念された。停電により鉱山生産が滞るため、白金の生産量が減少し、緩い需給が引き締まるとの思惑が高まったらしい。しかし、米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げと利上げペースの加速を受けて、NY白金が急落したため、週明けの東京白金も大幅安となった。米中貿易戦争の激化も産業用貴金属である白金にはマイナス材料となっている。為替も円高が進行しているため、白金相場は安値圏での低迷が続きそうだ。

なお、南アフリカは15日、鉱業権保有会社における黒人株主比率を、現行の26%から5年以内に30%に引き上げる計画を発表した。更に、取締役の50%以上を黒人、そのうち20%以上を黒人女性とすることも追加された。鉱業憲章は、アパルトヘイトにより不利益を被ってきた南ア国民に対して鉱山権益の移転を促す目的で2002年に制定されたものだが、黒人株主比率の上昇と共に人件費上昇から生産コスト上昇、白人資本の撤退など生産量減少を招いた。長期的には金や白金の生産減少の材料になる可能性はあるが、まだ先の話だろう。

tkpt0619

*CFTC建玉6月12日時点:ファンドの金買い越しは12万0240枚(前週比+8824枚)と増加。総取組高は44万8695枚と前週比1946枚の減少。

saya0619

*白金と金の逆ザヤは、4月26日に1429円と過去最大幅を記録した。その後は売られ過ぎからやや縮小したが、1350円レベルで縮小が一服している。


情報提供:(株)みんかぶ
※チャートの著作権は、(株)みんかぶに帰属しており、無断で使用(転用・複製等)することを禁じます。提供している情報の内容に関しては万全を期しておりますが、その内容を保障するものではありません。また、これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、(株)みんかぶは一切の責任を負いません。

【 東京金は下落基調に転換した可能性】    
*先週のNY金は、週末に急落し1300ドルを割り込んで引けた。13日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、米連邦準備制度理事会(FRB)は予想通りに政策金利を引き上げ(1.75%⇒2.00%)、年内の利上げペースを年3回から年4回に加速すると示唆した。14日の欧州中央銀行(ECB)理事会では、債券購入は年内に終了するとしたものの、政策金利は来年の夏まで現状維持とした。タカ派的なFRBに対し、予想以上にハト派的だったECBの姿勢を受けてドル高・ユーロ安が進んだものの、14日のNY金終値は1300ドルを維持した。

etf0619

しかし、週末15日は、大幅反落し半年ぶりの安値をつけた。米長期金利の上昇を受けてドル指数が急上昇し、ドル建て金に割高感が生じた。節目の1300ドルを割り込むと、買い玉の整理が加速した。米国は中国製品に25%の関税(総額500億ドル)を課し、7月6日から段階的に発動する方針を明らかにした。これに対し中国は同規模の関税で報復すると表明。米中貿易戦争が懸念され、世界でも有数の金消費国である中国の需要見通しが不安視されたことも嫌気されたようだ。NY金は下限の目安と見られていた1280ドルを割り込み、日足チャートでは昨年12月の安値1247.2ドルが視野に入ってきた。金ETFは安値にもかかわらず増加せず、リスク回避の金買いが喚起されていない。NY金は戻り売りが優勢となり、安値を探る展開になりそうだ。

nyg0619

*NY金予想レンジ=1270~1300ドル

*CFTC建玉6月5日時点:ファンドの金買い越しは11万1416枚(前週比-3714枚)と減少。総取組高は45万0641枚と前週比1万8741枚の減少。

*先週の東京金は為替の円安を受けて上昇し、4600円台引けた。しかし、週明けは週末のNY金の大幅下落を反映して大幅急落となった。テクニカル的にも25日移動平均線を割り込んだため、上昇基調は崩れたといえよう。注目された米欧の金融政策は、FRBによる利上げ見通しが加速すると示唆したのに対し、ECBが来年夏までは利上げを行わないと明言したため、今後はドル高・ユーロ安の進行が予想される。ドル高はドル建て金を割高にするためNY金を押し下げる。一方、ドル高は円安となるため、東京金のサポート要因になるが、米中貿易戦争の影響を受けてドルの上値も重くなっている。

19日にトランプ大統領が中国に対しさらに2000億ドルの関税を課すとツイートすると、米中貿易戦争の激化が懸念されてドル円は109円台に下落した。ドル建て金は反発したものの、FRBの利上げ見通しを受けて上値は重い。東京金は売りが優勢な展開が続くだろう。今後の目安としては、5月30日の安値4526円を下回ったため、3月19日の安値4438円が視野に入ってくる。長期的に見れば米国が他国に課す様々な関税は米国の経済成長を阻害させる要因となるため、早晩、株式市場に大きくマイナスに作用することが予想される。その場合、リスク回避の金買いが強まる可能性が考えられるが、まだ先の話になりそうだ。

tkg0619

*東京金予想レンジ:4450~4650円。


情報提供:(株)みんかぶ
※チャートの著作権は、(株)みんかぶに帰属しており、無断で使用(転用・複製等)することを禁じます。提供している情報の内容に関しては万全を期しておりますが、その内容を保障するものではありません。また、これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、(株)みんかぶは一切の責任を負いません。

↑このページのトップヘ