テクニカルマイスター

商品、為替、株式相場を,ファンダメンタルズとテクニカルから思いつくままに分析。

【 NY原油は、終値で50ドル超え】
*先週のNY原油は、大型ハリケーン「イルマ」は広範囲に渡る浸水や停電被害をもたらし、エネルギー需要の減退が懸念されたが、NY原油は47ドルちょうどまで下げた後、反発に転じた。

8月下旬にハリケーン「ハービー」の襲来を受けて操業を停止していた米メキシコ湾岸周辺の製油所の多くが稼働を再開したことが背景。

サウジアラビアのファリハ・エネルギー産業鉱物資源相は、石油輸出国機構(OPEC)が主導する2018年3月までの協調減産措置について、少なくとも3カ月延長する方向でカザフスタン、ベネズエラ両国の石油相と協議したと明らかにした。アラブ首長国連邦(UAE)のマズルーイ・エネルギー相も11日、減産延長を検討することで合意した。

OPEC月報によると、8月の加盟国産油量は前月比0.2%減の日量計3275万5000バレルと、4月以来4カ月ぶりのマイナスとなり、2018年の世界の石油需要見通しも上方修正され、需給不均衡の是正が進むとの期待が広がった。

国際エネルギー機関(IEA)も9月の石油市場月報で、欧米の需要が当初よりも堅調なことから、2017年の世界の石油需要増加幅が日量160万バレルになるとの見通しを示し、前回予想の日量150万バレルから上方修正した。


こうした強材料にもかかわらず、米エネルギー情報局(EIA)が公表した月間掘削生産リポートで、10月の米シェールオイル生産量が足元の価格回復を背景に日量7万9000バレル程度増加し、10カ月連続で拡大するとの見通しを示したことが圧迫材料となって50ドルの上値抵抗線で抑えられていた。

しかし、20日のNY原油は、需給不均衡是正への期待感から買いが優勢となり、約2カ月ぶりに終値が50ドル台を回復した。

イラクのルアイビ石油相は前日、石油輸出国機構(OPEC)加盟・非加盟の産油国が現行の協調減産措置について来年4月以降の期限延長や減産規模の拡大など幾つかの選択肢を協議中と表明した。22日にはウィーンで、現行の協調減産措置(日量180万バレル)に関するOPECと非加盟産油国の協議が行われる。これを受け、市場では需給均衡への期待感が広がった。



米エネルギー情報局(EIA)が発表した15日までの1週間の米原油在庫は前週比460万バレル増と、3週連続の積み増し。増加幅は市場予想(350万バレル増)を上回った。一方、ガソリン在庫は210万バレル減と予想と一致。ディスティレート(留出油)在庫は570万バレル減となり、予想(160万バレル減)の3倍以上の取り崩しとなったことが強材料視された。なお、予想以上の原油在庫増加は、ハリケーン『ハービー』の影響によるものと見られている。

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今後は、10月以降の暖房油需要を見込んで、製品需要が徐々に高まっていくだろう。原油相場は50ドルの上値抵抗線を突破したことから、5月の高値52ドルを目指しす展開になろう。産油国の減産協議がより具体化してくれば、年後半の需給が引き締まるとの見方から、年初来高値の55ドルレベルも視野に入ってくるのではないか。

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【FOMCを受けて、ドル円は急伸して112円台60銭、NY金は急落】
米連邦準備制度理事会(FRB)は、19~20日に開催した米連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利を1.25%に据え置いた。

一方、2008年のリーマン・ショック後の金融危機対応として大量の資金を市場に供給するために買い入れた国債やMBS(住宅担保証券)などの保有資産およそ4兆5000億ドルの縮小を10月に開始することを決定した。

「利上げ」と「資産縮小」はいずれも引き締め効果があるが、同時実施は避けた。

どちらの決定も市場の予想通りではあるが、今後の利上げについては、これまでの「年内あと1回」、「2018年は年3回」としてきた想定を維持した。

ただ、物価動向の弱さを踏まえて2019年は利上げペースの減速を見込んだ。
また、ハリケーンの経済への悪影響は一時的なものになるとの見方を示した。

イエレン議長は記者会見で、米国経済は好調で資産購入による景気刺激策はこれ以上必要ないとし、金融危機対応が節目を迎えたことを明言した。

イエレンFRB議長は以前から、金融政策の正常化を目指していると明言しており、12月の利上げも市場では確実視されていくだろう。CMEのフェドウオッチによる12月の利上げ確率は70%台まで上昇してきた。

FRBはリーマン・ショックによる景気後退を受けて、政策金利を実質0%に引き下げ、さらに、2009年から14年まで、米国債やMBS(住宅担保証券)を購入する量的緩和(QE1~QE3)を計3回実施した。

FRBの保有資産は開始当初の9148億ドルから、約5倍の4兆5000億ドル(約500兆円)に膨らんだ。QE3は2014年秋に終了したが、その後も満期償還分を再投資することで資産残高を維持してきた。

しかし、FOMCは6月に公表した「政策正常化の原則と計画」の追加文書に記されたように保有資産を10月から、月額100億ドル(約1兆1000億円)で残高を減らしていく。資産縮小額は段階的に引き上げ、最終的には500億ドルまで増額していく。

再投資見送り額の詳細は、当初、米国債が1カ月当たり60億ドル、住宅ローン担保証券(MBS)は同40億ドルの計100億ドルが上限となる。

その後は3カ月ごとに上限を引き上げ、最終的に米国債は月300億ドル、MBSは月200億ドルの計500億ドルに達するまで継続される。


市場に出回る資金量を徐々に減らして景気過熱を防ぐことを目的としているが、将来の景気後退時には、再び緩和策を取れる状態にしておきたいということだろう。

ただし、利上げ見通しは、今後の経済指標、とりわけインフレ指標であるPCEコア・デフレーターや消費者物価指数(CPI)が確実に上昇するということが前提であり、その意味では、まだ確定ではない。

ともあれ、タカ派的となった今回のFOMCを受けて、ドル円は急上昇し、東京市場に入ってからは7月中旬以来約2カ月ぶりに112円60銭台まで上昇した。

本日21日は日銀金融政策決定会合が終了するが、金融政策に変化はないだろう。
日米の金融政策の違いから金利差は拡大し、ドル円は113~114円のゾーンンに浮上していく可能性が高いだろう。

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一方、ドル高を受けてNY金電子取引は急落し、一時節目の1300ドルを割り込み、1299.77ドルまで下落した。しかし、その後は反発し、再び1300ドル台を回復している。北朝鮮の地政学的リスクが今後も懸念されることがサポート要因になるだろう。


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9月21日(木)
【9月20日の海外相場および市況】
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*19、20日に米連邦準備制度理事会(FRB)は米連邦公開市場委員会(FOMC)を開催し、フェデラルファンド(FF)金利誘導目標を1.00-1.25%のレンジで据え置いた。一方、4兆5000億ドル規模の保有証券の縮小を10月に開始することを決定した。ハリケーンの経済への悪影響は一時的なものになるとの見方を示し、年内あと1回、来年3回の利上げ予測を維持した。これを受けて、CMEのフェドウオッチによる12月の利上げ確率は72%まで上昇している。

*20日のNY金は反発。米連邦公開市場委員会(FOMC)の決定を控えて、ドルが対ユーロで弱含んだため、ドル建て金は割安感から買われた。トランプ米大統領が前日の国連総会の一般討論演説で、核・弾道ミサイル開発を続ける北朝鮮に対し、脅威を与えるなら「完全に破壊する」と警告を発したことも、安全資産である金には下支え材料となった。
20日のNY白金は、南アランドが対ドルで下落し、9日続落。

*引け後にFOMCの結果が公表されたが、利上げ見通しに変更がないことから、NY金電子取引は15ドル程度急落し、一時1299.77ドルまで下げた。9時過ぎには1302ドル台まで戻し、保ち合っている。

*20日のNY原油は、需給不均衡是正への期待感から買いが優勢となり、約2カ月ぶりに終値が50ドル台を回復した。イラクのルアイビ石油相は前日、石油輸出国機構(OPEC)加盟・非加盟の産油国が現行の協調減産措置について来年4月以降の期限延長や減産規模の拡大など幾つかの選択肢を協議中と表明した。22日にはウィーンで、現行の協調減産措置(日量180万バレル)に関するOPECと非加盟産油国の協議が行われる。これを受け、市場では需給均衡への期待感が広がった。米エネルギー情報局(EIA)が発表した15日までの1週間の米原油在庫は前週比460万バレル増と、3週連続の積み増し。増加幅は市場予想(350万バレル増)を上回った。一方、ガソリン在庫は210万バレル減と予想と一致。ディスティレート(留出油)在庫は570万バレル減となり、予想(160万バレル減)の3倍以上の取り崩しとなった。予想以上の原油在庫増加は、ハリケーン『ハービー』の影響によるものと見られている。

*20日のシカゴトウモロコシは、買戻しに反発。シカゴ大豆は、輸出需要の回復を受けて反発。

*20日のNY外国為替市場では、米連邦準備制度理事会(FRB)が発表した経済・金利見通しが市場の想定よりも利上げに前向きと受け止められたことからドルが買われ、ドル円は7月下旬以来約2カ月ぶりに112円50銭台まで上昇した。FRBが公表した米連邦公開市場委員会(FOMC)声明では、政策金利の据え置きに加え、10月からの保有資産の縮小開始が決まった。結果はほぼ織り込み済みだったものの、今年および来年の金利見通し(中央値)に変更がなく、引き続き利上げに前向きな姿勢が示されたことでドル買いが活発化した。

*20日のNYダウは9日続伸し、7日連続で最高値を更新した。米連邦公開市場委員会(FOMC)で、年内の追加利上げ観測が高まるとの予測から金融株などが買われた。FOMCでは、政策金利の据え置きと保有資産の10月からの縮小開始が決定された。また、市場が注目していた参加者による金利見通しでは、「年内あと1回」の利上げの想定が維持された。これを受けて年内の利上げ観測が一段と高まり、長期金利が上昇した。


【本日の主な経済指標およびイベント】
未定  (日) 日銀金融政策決定会合、終了後政策金利発表  -0.10%  -0.10% 
未定  (南ア) 南アフリカ準備銀行(中央銀行)政策金利  6.75%  6.50% 
07:45 (NZ) 4-6月期 四半期国内総生産(GDP) [前期比]  0.5% (0.6%)  0.8% 0.8%
13:30 (日) 7月 全産業活動指数 [前月比]  0.4%  -0.1% 
15:30 (日) 黒田東彦日銀総裁、定例記者会見 
17:00 (EU) 欧州中央銀行(ECB)月報 
21:30 (米) 前週分 新規失業保険申請件数  28.4万件  30.2万件 
21:30 (米) 9月 フィラデルフィア連銀製造業景気指数  18.9  17.1 
22:00 (米) 7月 住宅価格指数 [前月比]  0.1%  0.4% 
22:30 (EU) ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁、発言 
23:00 (EU) 9月 消費者信頼感(速報値)  -1.5  -1.5 
23:00 (米) 8月 景気先行指標総合指数 [前月比]  0.3%  0.3%

第133回 『おしえて陳さん』 
http://www.sunward-t.co.jp/movies/oshiete/


【 東京白金は下落基調が強まる可能性も 】
*東京白金は9月4日の3576円が短期的なピークになり、反落に転じ、20日には一時3398円まで下落した。金やパラジウムに対する割安感から連動して上昇してきたため、買いが途絶えると下落も早い。20日の米連邦公開市場委員会(FOMC)でドル高が進めば、NY白金は950ドルのサポートラインを割り込む可能性もある。

21日には、南アフリカ準備銀行理事会が開催される。政策金利に関しては、6.75%の据え置きから6.25%への0.5%引き下げまで見方が分かれており、利下げとなった場合、南アランド安となって白金相場を押し下げる可能性がある。

南アフリカは失業率が28%と高く、11日にはギガバ財務相が今年の経済成長は政府目標の1.3%に届かないとの見方を示し、経済的に困窮度が高まっている。

南アフリカ白金大手インパラ・プラチナムは18日、ヨハネスブルク西部のルステンブルク鉱山で、最大2500人の労働者解雇をめぐり、政府および労組との交渉を開始したと発表した。同社は白金生産で世界第2位。同社は先週、2017年には損失が見込まれるとし、人員削減の可能性を示していた。ルステンブルク鉱山の操業は近年、労使対立により打撃を受けている。

一方、ルステンブルク鉱山の白金生産水準も年産約100万オンスから減少しており、2018は年70万オンス程度にとどまる見通し。長期的には減産減少が強材料視されそうだが、まだその時ではないだろう。

*CFTC建玉9月12日時点:ファンドの白金買い越しは3万7997枚(前週比+24枚)と増加。総取組高は8万0477枚と前週比1169枚の増加。

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*今週の予想レンジ:3350~3550円

*白金と金の逆ザヤ幅は6月28日につけた-1175円を底抜けし、9月19日には-1240円まで拡大し、過去最大となった。「金買い・白金売り」が有利な展開が続きそうだ。


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【 東京金は上抜けるか?調整安局面を向かえるか?】
*先週のNY金は下落した。週明け11日、北朝鮮が9日の建国記念日に合わせて弾道ミサイルを発射するのではないかとの警戒感が強まっていたが、新たな軍事的挑発行動は見られなかった。

また、10日にフロリダ州に上陸したハリケーン「イルマ」は勢力が弱まり、熱帯低気圧に変わったため、被害が当初の想定より小さくなった。リスク回避モードが後退し、金は売りが優勢となった。

国連安全保障理事会は同日、北朝鮮による6回目の核実験を受け、北朝鮮への原油・石油精製品輸出に上限を設ける米国作成の対北朝鮮制裁決議を全会一致で採択した。

これに反発した北朝鮮は、15日日本時間午前7時前に、北朝鮮西岸から弾道ミサイルを発射した。これを受けて、リスクオフモードが強まり、ドルが売られ、NY金電子取引は一時1337ドル台に反発した。

しかし、8月の生産者物価指数(PPI)と消費者物価指数(CPI)がいずれも前月を上回ったため、インフレ指標の改善が見込まれ、19、20日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)では、「年内あと1回の利上げ」について、米連邦準備制度理事会(FRB)が前向きな姿勢を見せるとの思惑が強まり、金は軟調な展開となった。

週明け18日は、NYダウが連日にわたり史上最高値を更新しているため、リスクオフの巻き戻しが進み、NY金は一時1308.70ドルまで下落した。日足チャートでは、下値支持線の1300ドルに接近しているが、今週のFOMCの結果を受けて1300ドルで下げ止まるのか、割り込んで行くのか注目される。

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*CFTC建玉9月12日時点:ファンドの金買い越しは25万4760枚(前週比+9462枚)と増加。総取組高は58万0606枚と前週比1万3789枚の増加。

*金ETF「SPDRゴールド・トラスト」の金保有高は、8月7日に年初来最小量786.87トンとなったが、14日から増加に転じ、9月19日時点では846.03トンとなった。年初来最大量は867.00トン(6月8日)。北朝鮮の核実験を受けて地政学的リスクが高まり、安全資産である金に見直し買いが入ったようだ。また、大型ハリケーンの襲来も金需要を高めたようだ。

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*先週は週明けからドルが反発し、円安が進行した。ドルの上昇はドル建て金が割高になるため、NY金は売られる傾向が強いが、円安は東京金のサポート要因となる。そのため、先週の東京金は4700円を挟む高値圏での保ち合いとなった。

19日から2日間の日程で始まった米連邦公開市場委員会(FOMC)では、保有資産の圧縮や政策金利の据え置きが決定されることは織り込み済みだが、先週発表された米消費者物価指数(CPI)が堅調だったことを受けて、市場ではイエレンFRB議長による記者会見やFOMC参加者による政策金利見通しがタカ派的になるのではないかとの見方を徐々に強めているようだ。

実際、「年内あと1回の利上げ」に関して前向きな発言であれば、ドル円は112円を上抜き、NY金は1300ドルを下回るだろう。東京金は為替とNY金の綱引きで、やはり保ち合いが続きそうだ。

ただ、NY金の下値には限界があろう。トランプ大統領は19日に国連で初めて演説し、「北朝鮮を完全に破壊」とこれまでにない強い表現で北朝鮮を攻撃的に非難した。これに対し、北朝鮮は再び軍事的示威行動に出る可能性がある。

特に、10月10日の「朝鮮労働党創立記念日」あたりが注意日になりそうだ。火種の残る地政学的リスクを受けて、NY金の下値は限定的になろう。東京金も調整安となっても4600円あたりで下げ止まるのではないか。仮に、イエレンFRB議長の声明がハト派的であれば、現在の保ち合いを上放れて4800円を目指す展開になりそうだ。

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*今週の予想レンジ:4600~4800円


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