テクニカルマイスター

商品、為替、株式相場を,ファンダメンタルズとテクニカルから思いつくままに分析。

8月16日(木)
【8月15日の海外相場および市況】
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*15日のNY外国為替市場では、新興国の経済・通貨不安がくすぶる中、安全通貨である円が買われ、ドル円は110円台後半に下落した。トルコは15日、米国による鉄鋼輸入制限措置に対する報復措置として、乗用車やアルコール飲料など一部の米国製品に追加関税を課したと発表。また前日にはエルドアン同国大統領が米国電化製品の不買運動を呼び掛けていた。一方、米政府はトルコで拘束された米国人牧師を早期に釈放しなければ一段の経済措置も辞さないと警告。両国の関係がさらに冷え込めば、トルコの通貨安が再燃し、他の新興国にも混乱が波及するのではないかとの懸念が強まっている。また、先日発表の中国指標が弱く米国との激しい貿易摩擦で中国経済の先行きに不安が広がっていることも投資家のリスク回避姿勢を強めたことから、安全資産としての円買いが進み、ドル円は一時110円44銭まで下落した。

*15日のNY金は大幅下落。米政府高官は14日、トルコ政府が拘束している米国人牧師を釈放しなければ、さらなる経済制裁も辞さないと警告。一方、トルコは15日、鉄鋼・アルミニウムの輸入制限への対米報復措置として、アルコールや乗用車などの総額5億3300万ドル規模の米国製品に追加関税を課したと発表。両国の関係が一段と悪化すれば、トルコの通貨安が再び進行し、他の新興国にも混乱が広がるのではないかとの不安が強まっていることから、ドルが「資金の逃避先」として買われ、ユーロなどに対して上伸。これを受け、ドル建て金が売られた。通常、リスク回避の動きは金相場を下支えするが、現在はドルが他の主要通貨や新興国通貨に対して大幅に上昇している。NY白金はドル高を受けて大幅反落。

*15日のNY原油は、米国内の原油在庫の大幅な積み増しなどを嫌気し、大幅続落した。米エネルギー情報局(EIA)が公表した最新週の原油在庫が前週比680万バレル増と、予想を大幅に上回る積み増しとなったことから、一時は64.51ドルまで下落した。受け渡し地点であるオクラホマ州クッシングの原油在庫も160万バレル増となった。また、トルコ通貨不安など「新興国リスク」に対する警戒感がくすぶっていることから、ドルが主要通貨に対して堅調に推移し、ドル建て原油に割高感が生じていることも、相場を押し下げた。米国と主要貿易相手国の貿易摩擦の激化を背景に、世界経済の先行きに対する不安が高まっていることも嫌気されている。米国と中国はここ数カ月にわたって制裁と報復を繰り返す「貿易戦争」状態にあり、両国の経済活動を圧迫している。中国の輸入業者は政府が報復関税の適用品目に加える可能性を懸念し、米国産原油の買い付けを手控えているもよう。米国が一部再発動した対イラン制裁の影響も注視されている。来年までにイラン産原油の市場供給量が日量100万バレル減少する可能性があるという。リビア・シャララ油田の管制局が再稼働し、産油量は日量26万バレルに回復した。同油田は作業員2人が誘拐され、管制局を閉鎖していたが、セキュリティーが強化される中、12日から稼働を再開したが、その時点での産油量は日量約5万バレルと通常の半分程度だった。

*15日のシカゴトウモロコシは小反落。ドル高や中西部の降雨が圧迫要因。シカゴ大豆は反落。ブラジル産大豆への中国の需要増の報やアルゼンチンが大豆製品の輸出税を6カ月間凍結するとの報が嫌気された。

*15日のNYダウは、新興国経済の先行き不安の高まりから反落した。中国株式市場の大幅下落を受け、世界的にリスク回避姿勢が強まった。中国インターネットサービス大手の騰訊(テンセント)の2018年第2四半期(4〜6月)決算。13年ぶりの減益決算が嫌気され、中国市場でのハイテク株売りが米市場にも波及した。また、米国との「貿易戦争」激化で中国経済の先行き不安の高まりで人民元安が進んでいることも、投資家心理の悪化につながった。一方、先週末からのトルコの通貨リラの急落は一服したが、売り圧力は南アフリカ・ランドやインド・ルピーなど他の新興国通貨に広く波及した。新興国経済の混乱による世界経済減速を懸念し、原油価格のほか銅など資源価格が軒並み下落したことも、米株価を押し下げた。


【16日の経済指標】
08:50   (日) 7月 貿易統計(通関ベース)  7214億円 (7208億円)  -412億ドル 
08:50   (日) 前週分 対外対内証券売買契約等の状況(対外中長期債)  1兆1710億円   
08:50   (日) 前週分 対外対内証券売買契約等の状況(対内株式)  -2252億円   
10:30   (豪) 7月 新規雇用者数  5.09万人  1.50万人 
10:30   (豪) 7月 失業率  5.4%  5.4% 
15:00   (独) 7月 卸売物価指数(WPI) [前月比]  0.5%  
16:00   (トルコ) 6月 鉱工業生産 [前月比]  -1.6%   
17:30   (英) 7月 小売売上高指数 [前月比]  -0.5%  0.2% 
18:00   (欧) 6月 貿易収支  165億ユーロ   
21:30   (米) 7月 住宅着工件数 [年率換算件数]  117.3万件  126.0万件 
21:30   (米) 7月 住宅着工件数 [前月比]  -12.3%  7.4% 
21:30   (米) 7月 建設許可件数 [年率換算件数]  127.3万件 (129.2万件)  131.0万件 
21:30   (米) 7月 建設許可件数 [前月比]  -2.2% (-0.7%)  1.4% 
21:30   (米) 8月 フィラデルフィア連銀製造業景気指数  25.7  22.0 
21:30   (米) 前週分 新規失業保険申請件数  

第177回 『おしえて陳さん』 
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【NY金、次の下値の目安は?】
13日のNY金が節目の1200ドルを割り込んだ。

トルコショックにより金融市場が混乱し、南アフリカランドやインドルピー、ロシアルーブルといった他の新興国通貨も連れ安となった。

一方、ドルは円やスイスフランとともに「資金の逃避先」として買われ、ユーロに対して大幅上伸となった。これを受けてドルインデックスも一時、13カ月ぶりの高値まで上伸した。ドル高によりドル建て金の割高感が強まり、NY金には売りが圧力が強まった。

従来であれば政治経済の混乱やインフレ進行の際は、リスク回避資産として金が選好されるが、現状では金がリスク回避の対象となっていない。逃避資金は、「安全資産」とされる米国債に向かっており、それがドル買いにつながっている。

8月1日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の声明文では、好調な米国経済を受けて米連邦準備制度理事会(FRB)が今年あと2回の利上げを行うことが示唆された。14日時点のCMEのFED WATCHでは、9月の利上げは96%を越えている。

米長期金利は3%近くまで上昇し、投資資金はドルや米国債に向かい、金利のつかない金からは資金が流出している。直近の金ETF「SPDR(スパイダー)ゴールド・シェア」の保有高は776.65トンと2016年2月以来の低水準となった。

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ファンドも金に対しては弱気に傾いている。CFTC建て玉を見ると、8月7日時点でのファンドのショートポジションはこの1週間で2万1686枚増えて19万5604枚と、2006年の集計開始以来の最大を記録した。


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こうした状況からすれば、1200ドル割れは単なる通過点である可能性が高い。週足チャートから次の下値の目安は、1120~1150ドルのゾーンになろう。


情報提供:(株)みんかぶ
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8月15日(水)
【8月14日の海外相場および市況】
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*14日のNY外国為替市場では、トルコリラの下げ止まりや対ユーロでのドル高進行を背景に円売りが優勢となり、111円台前半に上昇した。トルコ中央銀行は13日、リラの急落を受けて預金準備率の引き下げによる流動性供給策に乗り出し、アルバイラク財務相も市場の懸念緩和に向けた行動計画を策定したと発表。これを受け、リラは前日に付けた過去最安値圏から反発、他の新興国通貨への売りも一服し、円は売り戻され、111円台に上昇した。
多額のトルコ向け債権を抱える欧州金融機関への悪影響が懸念されているほか、通貨安が進んでトルコなどの新興国がデフォルト(債務不履行)に陥れば世界的な信用収縮につながりかねないとの思惑からが安全資産としての円買いが入る場面もあったが、総じてドル買いが優勢となった。

*14日のNY金は、4営業日ぶりに反発した。前日は、心理的な節目である1200ドルを割り込み、2017年1月30日以来約1年半ぶりの安値を付けていたため、この日は買い戻しが入りやすかった。また、トルコの経済不安をめぐるリスク回避の動きが一巡し、ドルの対ユーロ相場上昇が一服し、ドル建て金の割高感も薄れ一時1205.80ドルまで上伸した。堅調地合いは維持され、1200ドル台で終えた。市場では、金相場は底打ちし始めるとの見方が浮上する半面、安値余地が拡大したとの見方に分かれている。世界的な貿易摩擦激化への懸念やトルコ通貨リラの急落に伴う新興国通貨危機への不安などを背景に安全資産としての金需要が高まるのではないかとの期待が高まったが、買いは盛り上がらず、失望感が広がっているようだ。

*14日のNY原油は、ドル高・ユーロ安の進行に伴う割高感などを背景に売りが優勢となり、小幅続落した。ドルがユーロに対して反発し、ドル建て原油に割高感が生じた。OPECが2019年のOPEC非加盟国の供給量が日量213万バレル増加するとの見通しを示したことも圧迫材料。ただ、トルコやアルゼンチンなど新興国の経済・通貨危機に対する過度の警戒感が和らぎ、この日のNYダウは反発。リスク選好意欲が回復する中、株と並んで同じくリスク資産である原油にも買いが入りやすかったため、下値は限定的だった。

引け後に発表された米石油協会(API)による前週の国内原油在庫は370万バレル増と、市場予想の250万バレル減に反して積み上がった。これが嫌気されて電子取引は下落。66.78ドル(-0.26)で推移している。

*14日のシカゴトウモロコシは反発。10日に発表された米農務省の農産物需給報告で、米国産トウモロコシの単収が過去最高になるとの見通しを背景にした最近の下落が行き過ぎていたとの見方が強まった。シカゴ大豆は続伸。大豆ミール相場の上昇が強材料になった。

*14日のNYダウは、トルコ通貨リラの急落が一服したことを受け、5営業日ぶりに反発した。米国人牧師の拘束問題をめぐり関係が悪化する米国の対トルコ制裁関税強化をきっかけに、リラの下落が前週末から続いていたが、この日は一服し、投資家のリスク回避姿勢が和らいだ。ただ、リラ相場への警戒は続いている。トルコのエルドアン大統領は14日の演説で国民に米国製品の不買運動を呼び掛けて対決姿勢を一段と強めた。対米関係の悪化など先行き不透明感は強まっている。


【15日の経済指標】
16:00   (トルコ) 5月 失業率  9.6%   
17:30   (英) 7月 消費者物価指数(CPI) [前月比]  0.0%  0.0% 
17:30   (英) 7月 消費者物価指数(CPI) [前年同月比]  2.4%  2.5% 
17:30   (英) 7月 小売物価指数(RPI) [前月比]  0.3%  0.2% 
17:30   (英) 7月 小売物価指数(RPI) [前年同月比]  3.4%  3.4% 
17:30   (英) 7月 卸売物価指数(食品、エネルギー除くコアPPI) [前年同月比]  2.1%  2.1% 
20:00   (米) MBA住宅ローン申請指数 [前週比]  -3.0%   
20:00   (南ア) 6月 小売売上高 [前年同月比]  1.9%   
21:30   (米) 7月 小売売上高 [前月比]  0.5%  0.1% 
21:30   (米) 7月 小売売上高(除自動車) [前月比]  0.4%  0.3% 
21:30   (米) 8月 NY連銀製造業景気指数  22.6  20.0 
21:30   (米) 4-6月期 四半期非農業部門労働生産性・速報値 [前期比]  0.4%  2.4% 
21:30   (米) 4-6月期 四半期単位労働コスト・速報値 [前期比年率]  2.9%  0.2% 
22:15   (米) 7月 鉱工業生産 [前月比]  0.6%  0.3% 
22:15   (米) 7月 設備稼働率  78.0%  78.2% 
23:00   (米) 8月 NAHB住宅市場指数  68  67 
29:00   (米) 6月 対米証券投資(短期債除く)  456億ドル

   

第177回 『おしえて陳さん』 
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