【11月5日海外市況】
*週末5日のNY市場では、米雇用統計を受けていったん買われたドルが売り戻され、113円台前半に下落した。113円36~46銭。10月米雇用統計によると、景気動向を反映する非農業部門就業者数は53万1000人増加した。伸びは3カ月ぶりに前月を上回り、市場予想(45万人増)より高い水準。失業率も改善を示した。発表を受け、相場はいったんドル買いで反応し、114円付近に上昇したが、統計の消化が進むと次第にドル売りが優勢となり、113円台前半に向けて下落した。10月の米労働参加率が前月から横ばいにとどまり、米連邦準備制度理事会(FRB)が目標とする雇用最大化の時期が見通せないとの見方が浮上した。また、米長期金利が大きく低下したこともドル売り材料になった。
*週末5日のNYダウは、就業者数の伸びが予想を大きく上回った米雇用統計を好感し、反発した。3万6327.95ドル(+203.72)。2日ぶりに史上最高値を更新して終了。10月米雇用統計によると、非農業部門就業者数は前月比53万1000人増と、市場予想(45万人増)を大きく上回る伸びとなった。雇用情勢の改善が確認され、景気回復への期待が高まる中、再び買いが先行した。
*週末5日のNY金は、米長期金利の低下を背景に続伸した。1816.80ドル(+23.30)。週間では32.90ドル(1.84%)上昇。この日は米長期金利が低下し、金利を生まない資産である金の買いが活発化した。対ユーロでドル安の動きに転じたことも、ドル建て金に割安感が生じ、支援材料となった。10月米雇用統計は、景気動向を反映する非農業部門就業者数が前月53万1000人増と、市場予想の45万人増を大幅に上回った。ただ、米長期金利が低下したため金相場への直接的な影響は限定的だった。英米の中央銀行が今週、利上げに慎重なハト派的姿勢を示したことで、安全資産である金の需要が高まった。
金ETFは、975.41トン(変わらず)。
NY白金は続伸。1035.80ドル(+6.05)。週間では15.10ドル(1.48%)上昇。
パラジウムも続伸。2027.60ドル(+31.20)。週間では47.30ドル(2.39%)上昇。
*週末5日のNY原油は、石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなど非加盟産油国で構成する「OPECプラス」の大幅増産見送りや米景気先行き期待などを背景に買われ、4日ぶりに反発した。81.27ドル(+2.46)。OPECプラスは4日に行われた閣僚級会合で、12月以降の生産方針に関し、産油量を日量40万バレルずつ引き上げる従来の計画を維持することを決定。日米などから一段の増産要求が高まっていたが、事実上のゼロ回答となったことで買い安心感が広がった。対ユーロでのドル安もドル建て原油の割安感につながった。10月米雇用統計では、景気動向を反映する非農業部門就業者数が前月比53万1000人増と、市場予想の45万人増を大幅に上回った。米雇用の堅調な回復が示されたことで景気の先行きに期待が広がり、需給引き締まり観測からの買いを支えた。バイデン政権は、エネルギー価格を手の届く水準に維持するため、戦略石油備蓄(SPR)の放出を含めてあらゆる手段を検討すると表明した。
*週末5日のシカゴトウモロコシは続落。553.00セント(-6.25)。米国での収穫進展と、米農務省の需給報告を来週に控えたポジション調整に圧迫された。天然ガス高騰による窒素肥料不足が来年のトウモロコシ生産を脅かしている。相場高と限定的な供給は収穫高減少につながりうることから、農家は他の作物を選ぶ可能性がある。アルゼンチンのブエノスアイレス穀物取引所によると、同国で最近見られた降雨により2021~22年度トウモロコシの作付けが進んだ。熱波による乾燥に足を引っ張られるとの懸念が生じていた。
シカゴ大豆は続落。1205.50セント(-17.25)。10月15日以来、約3週間ぶりの安値を付けた。南米での作付け進展に圧迫された。南米は米国と輸出で競合している。ブラジルの2021~22年度大豆の収穫は、10月と11月頭に見られた安定的な雨に促された。ロイター通信の調査では過去最高の1億4394万トンに達する見込み。米国での収穫進展も相場への圧力になった。
【8日】
08:50 (日) 10月 外貨準備高 1兆4093億ドル
21:00 (メキシコ) 10月 自動車輸出・生産台数
24:30 (米) パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長発言