テクニカルマイスター

商品、為替、株式相場を,ファンダメンタルズとテクニカルから思いつくままに分析。

【NY原油は85~90ドルに切り上げるか】
*NY原油は20日、一時、1バレル=84ドル台に乗せ、2014年10月以来7年ぶりの高値を更新した。終値は83.87ドル(+0.91)

原油相場を取り巻く状況に変化はなく、需給逼迫懸念が相場を押し上げている。新型コロナウイルス禍からの世界経済の回復に伴い原油需要が急増。中国や欧州などでの石炭・天然ガスの価格高騰を受けて原油への燃料の切り替えが促される一方で、石油輸出国機構(OPEC)が主導する有力産油国は大幅増産に対して慎重姿勢を堅持している。

石油輸出国機構(OPEC)とロシアなどの非加盟産油国で構成する「OPECプラス」は10月4日の会合で、原油価格の高騰にもかかわらず、日量40万バレルのペースで増産する現行の合意を11月も維持すると決定した。

新型コロナウイルス危機から世界各地で経済の正常化が進む中、北半球では今後冬にかけて気温が下がり、暖房需要も高まるため、エネルギー供給不足が一段と悪化するとの見方が強い。

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*20日に発表された米エネルギー情報局(EIA)による週間在庫統計によると、15日までの週の原油在庫は190万バレル増の市場予想に対して40万バレル減、石油製品もガソリンが540万バレル減、ディスティレート(留出油)が390万バレル減と、それぞれ大幅な取り崩しとなった。

また、WTI原油の受け渡し拠点、米オクラホマ州クッシングの在庫が約3年ぶりの低水準となったことも明らかになり、供給逼迫懸念が強まった。

*CFTC建玉のファンドポジションは、買い越しがようやく40万枚を超えた。冬季のエネルギー需要を見込んで、ファンドは先高観を強めることが予想される。NY原油は、85~90ドルの水準に上昇しよう。

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情報提供:株式会社ミンカブ・ジ・インフォノイド
※上記ロゴのチャートの著作権は、ミンカブ・ジ・インフォノイドに帰属しており、無断で使用(転用・複製等)することを禁じます。 提供している情報の内容に関しては万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。 また、これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、ミンカブ・ジ・インフォノイドは一切の責任を負いません。

【10月20日海外市況】
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*20日のNY外国為替市場では、新規材料に乏しく、114円台前半で小動き。114円30~40銭。この日は主要な米経済指標の発表がなく、114円台前半でもみ合う展開となった。米連邦準備制度理事会(FRB)のクオールズ理事は講演で、テーパリング(量的緩和策縮小)の開始にあたって雇用とインフレの基準は満たしたと述べ、11月の次回連邦公開市場委員会(FOMC)での緩和縮小着手決定を支持すると明言した。ただ、市場にはほぼ織り込み済みで、円相場への影響は限定的だった。

*20日のNYダウは、好決算を発表した銘柄を中心に買いが入り、続伸した。3万5609.34ドル(+152.03)。で終了。一方、ハイテク株中心のナスダック総合指数は7.41ポイント安の1万5121.68で引けた。市場予想を上回る米企業の7~9月期決算発表が続いていることから、インフレ長期化やサプライチェーン(部品供給網)の混乱などをめぐって懸念が高まっていた投資家心理が改善。NYダウは8月中旬以来約2カ月ぶりに、取引時間中の史上最高値を更新した。

*20日のNY金は、インフレ懸念やドル安などを背景に続伸した。1784.90ドル(+14.40)。世界的なエネルギー価格の高騰を受けてインフレ懸念が広がる中、安全資産としての金の需要が高まり、買いが活発化した。また、外国為替市場でドルが対ユーロで下げに転じたことも、ドル建て金の割安感を強め、買いが強まった。この日は米国債10年物の利回りが一時5カ月ぶりの高水準を付けた後に低下したことも、金相場の支援材料になった。

金ETFは、980.10トン(変わらず)。

NY白金は続伸。1052.30ドル(+5.20)
パラジウムは反落。2082.40ドル(-18.50)。


*20日のNY原油は、原油・石油製品の在庫減少を示す統計の発表をきっかけに買いが優勢となり、5営業日続伸した。一時、84ドル台に乗せ、2014年10月以来7年ぶりの高値を更新した。83.87ドル(+0.91)。中国国家発展改革委員会(NDRC)は19日、主要な業者や団体らと協議し、政府の介入で「妥当な範囲」まで石炭価格を引き下げる方策を検討していると発表した。これを受け、同国の商品取引所では一般炭先物が大幅下落し、石油などその他のエネルギー商品も売られ、一時81.30ドルの安値を付けた。しかし、米エネルギー情報局(EIA)が週間在庫統計を受けて反発に転じた。15日までの週の原油在庫は190万バレル増の市場予想に対して40万バレル減となったほか、石油製品もガソリンが540万バレル減、ディスティレート(留出油)が390万バレル減と、それぞれ大幅な取り崩しとなった。また、WTI原油の受け渡し拠点、米オクラホマ州クッシングの在庫が約3年ぶりの低水準となったことも明らかになった。これをきっかけに供給逼迫懸念が再燃した。

*20日のシカゴトウモロコシは反発。539.25セント(+9.00)。一時540.00セントと、6日以来の高値を付けた。週間在庫統計でエタノールの生産増加のほか、世界的な飼料用穀物の旺盛な需要や、現物市場の力強さにも支援された。米エネルギー情報局(EIA)が発表した、前週のエタノール生産量は日量109万6000バレルと、2019年6月以来の高水準となった。在庫は2008万バレルに増加した。

シカゴ大豆は5日続伸。1245.50セント(+17.50)。世界的に旺盛な植物油需要や、大豆圧砕業者の利ざや拡大が相場の押し上げ要因となった。


【21日】
16:00  (トルコ) 10月 消費者信頼感指数 79.7
20:00   (トルコ) トルコ中銀政策金利  18.00%   17.00%
20:00 (メキシコ) 8月 小売売上高
21:30   (米) 10月 フィラデルフィア連銀製造業景気指数  30.7  24.0  
21:30   (米) 前週分 新規失業保険申請件数  29.3万件   
23:00   (米) 9月 景気先行指標総合指数 [前月比]  0.9%  0.5%  
23:00   (米) 9月 中古住宅販売件数 [年率換算件数]  588万件  600万件 
23:00   (欧) 10月 消費者信頼感(速報値)  -4.0  


【NYプラチナは1100ドル越えなるか】
*ワールド・プラチナ・インベストメント・カウンシル(WPIC)によると、ガラス産業の2021 年のプラチナ需要が最新予測では69 %増え、昨年の12.2トンから20.5トンになるという。工業分野全体のプラチナ需要では、ガラスは2020年には6 %を占めていたが、今年は 9 %になると予測された。

「中国水素連盟」によると、中国国内の低炭素、グリーン水素エネルギー産業の生産高は2025年までに1兆元(1526 億ドル) に達し、2030年までには中国の水素需要は年間3500万トン、国内のエネルギー需要の最低でも5.0%を占めるとしている。そして、水素産業チェーンの年間生産額が12兆元(1兆8310億ドル)に上り、経済発展をリードする新たな成長分野になると期待されている。

そのため、プラチナには将来的に、「環境」と「水素エネルギー」という2つの大きなテーマを背景に需要が喚起されやすい。

NYプラチナのCFTC建玉を見ると、9月14日時点のファンドポジションは-1067枚と2019年2月12日以来の売り越しとなった。2019年当時は翌週から買い越しに転じ、2020年初旬には6万7000枚まで買い越しが拡大し、価格もおよそ25%上昇した。今年も翌週の21日には買い越しに転じており、同じパターンをたどる可能性が高いだろう。NYプラチナは、1000~1100ドルで値を固め1200ドル越を目指す展開になると予想する。

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【NY金は1800ドルブレイクなるか】
*先週のNY金は一時1800ドルを越えたものの、米連邦準備制度理事会(FRB)によるテーパリング(購入資産の段階的縮小)を決定を背景にした高止まりしている長期金利やドル高を受けて反落に転じた。ただ、原油高によるインフレ懸念、不透明な利上げ見通し、中国経済の減速が下値をサポートした。

*13日に公表された9月21、22両日に開催された連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨では、次回11月のFOMCで、テーパリング(購入資産の段階的縮小)が決定され、11月半ばか12月半ばに開始するとの方針が協議されたことが分かった。現在月1200億ドル(約13兆円)規模の資産購入を毎月150億ドルずつ減らし、来年半ばごろに完了するとの緩和縮小ペースも検討された。ただ、利上げに関しては、米連邦準備制度理事会(FRB)が現在のインフレを「一時的」としていることから22年になるのか、23年に延期されるか意見が分かれていた。

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*9月米消費者物価指数(CPI)は前年同月比5.4%上昇と前月の5.3%から伸びはやや加速し、5%台で高止まりした。2008年以来、約13年ぶりの高いインフレ率が続いている。9月米小売売上高は、前月比0.7%増となり、市場予想の0.2%減に反して増加した。米経済の7割を占める個人消費の先行きに強気の見方が広がり、景気回復ペース加速への期待が高まった。

*NY原油価格は、景気回復に伴う需要増で需給逼迫への警戒感が高まり、82ドル台と7年ぶりの高水準で推移している。
*18日に発表された中国の21年7─9月期国内総生産(GDP)は前年比4.9%増となり、伸び率は4─6月期の7.9%から減速した。

*金ETFの保有高は、18日時点で980トンと年初から17.5%減少。投資資金が金市場から流出している。一方、世界全体の中銀の金保有量は新興国を中心に増加している。ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)によると、2021年8月時点の保有量は3万5570.49トンと過去最大となった。不安定な世界経済や米中対立や米国の覇権低下がもたらす地政学リスク、ドルの信認低下を背景に究極の安全資産である「金」が買われているようだ。

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*10月はアノマリー的にNYダウが荒れる月でもあり、株価が急落するような場面があれば、安全資産である“金(GOLD)”が見直される可能性がある。

*NY金は1800ドルの上値抵抗線にチャレンジし、1850ドルを目指す展開になろう。

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【10月19日海外市況】
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*19日のNY外国為替市場は、特段の材料に乏しく、114円台前半で小動き。114円34~44銭。9月米住宅着工件数(季節調整済み、年換算)は前月比1.6%減の155万5000戸と、市場予想の162万戸を下回った。住宅着工許可件数も7.7%減の158万9000戸となり、ややドルが売られたが、円相場への影響は限定的。米長期金利の指標である10年債利回りの持ち直しを眺め、114円台前半で推移した。


*19日のNYダウは、米主要企業の決算が軒並み市場予想を上回ったことが好感され、反発した。3万5457.31ドル(+198.70)。医薬品・健康関連用品大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)や保険大手トラベラーズなどの21年7~9月期決算は、調整後1株当たり利益が市場予想を上回り、21年通期の調整後1株当たり利益予想を上方修正した。金融大手ゴールドマン・サックスは小売り大手ウォルマートを「買い推奨リスト」に加えた。米長期金利は堅調に推移しているが、ハイテク株も買いが優勢の展開となった。ただ、コモディティー(商品)価格や輸送費の上昇、サプライチェーン(供給網)の混乱やエネルギー価格高騰への警戒感も根強い。


*19日のNY金は、対ユーロでのドルの軟化を支えに、3営業日ぶりに反発した。1770.50ドル(+4.80)。早期の米利上げ観測などを背景とした対ユーロでのドル買いが一服し、ドル建て金は割安感からじりじりと上昇。一時1786.00ドルの高値を付けた。エネルギーなど商品の値上がりで、インフレヘッジとしての買いも継続した。しかし、その後は対ユーロでドルが買い戻される中、上げ幅を一部縮小した。米国債利回りの上昇に加え、米主要企業の決算が好調だったこと株価が上昇したことも金の重石となった。

金ETFは980.10トン(変わらず)。

NY白金は反発。1047.10ドル(+9.20)。
パラジウムも3営業日ぶりに反発。2100.90ドル(+87.80)。


*19日のNY原油は、エネルギー逼迫懸念を背景に買われ4営業日続伸した。82.96ドル(+0.52)。2014年10月以来7年ぶりの水準で高止まりとなった。新型コロナウイルス危機から世界各地で経済の正常化が進む中、北半球では今後冬にかけて気温が下がり、暖房需要も高まるため、エネルギー供給不足が一段と悪化するとの見方から、原油買いが継続している。バイデン政権は18日、大幅な増産に対して慎重な姿勢を崩していない石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなど非加盟産油国で構成する「OPECプラス」に対し、対応を要請すると表明した。外国為替市場では対ユーロでドル安となり、ドル建て原油は割安感から買われた。

*19日のシカゴトウモロコシは4日ぶりに反落。530.25セント(-2.50)。米農務省の18日の発表によると、米国産トウモロコシの収穫率は52%と、過去5年平均(41%)を上回った。ただ、アナリスト予想(54%)には届かなかった。

シカゴ大豆は4日続伸。1228.00セント(+6.50)。一時、11日以来の高値となる1239.25セントを付けた。世界的な植物油需要を背景に大豆ミールと大豆油の先物相場が堅調に推移し、これにつれ高となった。米農務省の発表によると、17日までの米国産大豆の収穫率は60%と、過去5年平均(55%)を上回った。一方、生産量が最大のイリノイ州やインディアナ、オハイオ各州は例年を下回った。

【20日】
08:50   (日) 9月 貿易統計(通関ベース、季調済)  -2718億円  -6702億円  
15:00   (英) 9月 消費者物価指数(CPI) [前年同月比]  3.2%   
15:00   (英) 9月 消費者物価指数(CPIコア指数) [前年同月比]  3.1%  
15:00   (英) 9月 小売物価指数(RPI) [前年同月比]  4.8%   
15:00   (独) 9月 生産者物価指数(PPI) [前月比]  1.5%  
17:00   (欧) 8月 経常収支(季調済)  216億ユーロ   
17:00   (南ア) 9月 消費者物価指数(CPI) [前年同月比]  4.9%  5.0%
18:00   (欧) 9月 消費者物価指数(HICP、改定値) [前年同月比]  3.4%   
18:00   (欧) 9月 消費者物価指数(HICPコア指数、改定値) [前年同月比]  1.9%  
21:30   (加) 9月 消費者物価指数(CPI) [前年同月比]  4.1%   
27:00   (米) 米地区連銀経済報告(ベージュブック)  

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