テクニカルマイスター

商品、為替、株式相場を,ファンダメンタルズとテクニカルから思いつくままに分析。

【9月28日海外市況】
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*28日のNY外国為替市場では、米長期金利の上昇を背景としたドル買いが加速し、111円台半ば近辺に上昇した。111円46~56銭。前週公表の米連邦公開市場委員会(FOMC)声明で、連邦準備制度理事会(FRB)は11月会合でのテーパリング(量的緩和縮小)開始決定を示唆し、さらに利上げ開始の想定時期も前倒しされた。これをきっかけに米長期金利の上昇が続いており、海外市場を通じてドル高基調が継続し、ドル円は一時111円64銭と約3カ月ぶりの高値を付けた。その後、米連邦債務の上限引き上げをめぐる与野党の対立などを材料に、ドルが売られる場面もあったが、再び111円台半ば付近に押し戻された。この日の議会証言で、パウエルFRB議長は、利上げ開始の基準はテーパリングより高いとしながらも、インフレ動向に関して「一部では一段と悪化した」と述べたことなどから、金利高を意識した取引が続いた。

*28日のNYダウは、米長期金利の上昇を受けてハイテク株を中心に売りが広がり大幅反落した。3万4299.99ドル(-569.38)。前週の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、利上げ開始の想定時期が前倒しされたことなどを背景に、長期金利の指標である10年物米国債利回りは上昇基調を継続。割高感が意識されたハイテク株を中心に売りが広がった。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長による上院銀行委員会での証言が注目される中、株価は下げ幅を拡大。パウエル氏は、利上げ開始の基準について、テーパリング(量的緩和縮小)着手よりも「大幅に高い」との見解を示す一方、インフレ動向に関しては「一部で一段と悪化した」と述べた。9月米消費者景気信頼感指数は109.3となり、前月の115.2(改定値)から低下。今年2月以来の低水準で、市場予想の114.5を下回り、米経済成長鈍化への懸念が強まった。さらに、米連邦債務の上限引き上げをめぐる議会与野党の対立が激化し、財政資金の枯渇や政府機関の一部閉鎖、デフォルト(債務不履行)に陥るリスクも警戒されている。


*28日のNY金は米長期金利の上昇とドル高の進行が重しとなり、3営業日ぶりに反落した。1737.50ドル(-14.50)。8月10日以来7週間ぶりの安値水準となった。前週の米連邦公開市場委員会(FOMC)後に公表された政策金利見通しで利上げ開始時期が前倒しされることが示されたことを受け、米10年債利回りは1.5%台に上昇し、6月以来の高水準で推移。これを背景に対ユーロでのドル高が進み、ドル建て金は割高感から売りが活発化した。一時1727.80ドルまで下落したが、終盤にかけて下げ幅を縮小した。

金ETFは、990.03トン(-0.29)。


白金は反落。960.00ドル(-21.60)。
パラジウムは大幅続落。1854.20ドル(-93.50)。

*28日のNY原油は、対ユーロでのドル高が進行する中、利益確定の売りに押され、6営業日ぶりに反落した。75.29ドル(-0.16)。前日にWTIは世界的な供給逼迫懸念が高まる中で3年ぶりの高値を付け、この日は反動から利益確定の売りが先行した。外国為替市場ではドルが対ユーロで上昇し、ドル建て原油は割高感が強まったことも売り要因。米株式相場が急落する中でリスク回避姿勢が台頭したことも株式と並ぶリスク資産である原油相場の重しとなった。世界最大のエネルギー消費国である中国で電力が不足していることも、市場では逆風となっている。

*28日のシカゴトウモロコシは反落。532.50セント(-7.00)。8月31日以来の高値となる541.75セントまで上昇した後で下落に転じた。米中西部でトウモロコシの収穫が進んでいる。米農務省が27日発表した週間クロップ・プログレスリポート(26日現在)によれば、米国におけるトウモロコシ収穫率は18%だった。5年平均の15%を上回った。

シカゴ大豆は反落。1277.00セント(-10.50)。ドルの上昇に加え、米中西部の穀倉地帯で大豆収穫が進んだことが背景。米農務省が27日発表した週間クロップ・プログレスリポート(26日現在)によれば、米国における大豆収穫率は16%だった。5年平均の13%を上回った。

【29日】
16:00   (トルコ) 9月 経済信頼感指数 100.80
17:30   (英) 8月 消費者信用残高  -0.4億ポンド  3億ポンド  
18:00   (欧) 9月 消費者信頼感(確定値)  -4.0  
18:00   (欧) 9月 経済信頼感  117.5   
20:00   (米) MBA住宅ローン申請指数 [前週比]  4.9%  
23:00   (米) 8月 住宅販売保留指数 [前年同月比]  -9.5%  
24:45   (英) ベイリー英中銀(BOE)総裁発言  
24:45   (日) 黒田東彦日銀総裁発言   
24:45   (欧) ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁発言  
24:45   (米) パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長発言  

【メキシコペソ円今週の予想(9月27日)】
*予想レンジ:5.40円~5.60円。
*今週のメキシコペソ円は、堅調に推移しそうだ。30日に発表されるメキシコ中銀会合では、政策金利が現状の4.50%から0.25%引き上げられて4.75%に決定されると見込まれている。22日に米連邦準備制度理事会(FRB)が、年内にも量的緩和の縮小に着手し、2022年中の利上げ開始を示唆したため、メキシコも利上げすることが予想されている。

また、原油価格が堅調なことも産油国であるメキシコペソをサポートしよう。英石油大手BPは、ハリケーン「アイダ」の影響で稼働停止していたメキシコ湾にある4カ所の沖合生産施設について、全てが稼働を再開したと明らかにした。

バイデン政権は9月にメキシコ政府とのハイレベル経済対話をワシントンで開催した。トランプ前政権で中断していたが、2016年以来の再開となった。ハリス副大統領が今年6月にメキシコを訪問し、オブラドール大統領と面談した際に、対話の再開を合意していた。米国側からは、ハリス副大統領のほか、ブリンケン国務長官やレモンド商務長官、タイ米国通商代表部(USTR)代表らが参加した。またメキシコ側からは、エブラル外相やクルティエール経済相らが参加した。ハリス副大統領は会議冒頭で、「米国18州にとってメキシコが第1位、または第2位の輸出先で、毎日10億ドルの商品が国境を超えている」など、両国の経済関係の重要性を強調し、「メキシコの経済的な安定は、米国の利益にもつながる」と発言した。メキシコ経済が一段と米国経済に組み込まれていくことが予想されるが、景気回復が堅調な米国経済に並走する形で、メキシコ経済も成長していこう。


【メキシコ経済指標】
9月27日月曜日
20:00メキシコ8月貿易収支

9月28日火曜日
20:00メキシコ8月失業率 

9月30日木曜日
27:00メキシコ中銀政策金利 前回4.50%、予想4.75%

*メキシコペソ円日足は、レンジ相場で推移している。直近高値の5.55円をブレイクできれば5.6円のレベルに上昇しよう。サポートは5.4円。


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【トルコリラ円今週の予想(9月27日)】
*予想レンジ:12.20円~13.2.80円
*今週のトルコリラ円は、市場予想に反した利下げを背景に戻り売りが優勢となろう。
トルコ中央銀行は23日に行った金融政策会合で、主要政策金利を19.00%から1.00%引き下げ、18.00%にすると決定した。引き下げは20年5月以来初めて。市場予想は据え置きだった。8月のトルコ消費者物価指数(CPI)は前年同月比19.25%上昇し、引き下げ前の政策金利19%を上回った。

実質金利=名目金利-インフレ率=18.00-19.25=-1.25%にまで落ち込んだ。

トルコ中銀のカブジュオール総裁はこれまで「政策金利はインフレ率を上回る水準で維持する」と主張してきたため、本来なら利上げが妥当なのだが、従来から高金利を牽制して利下げを主張するエルドアン大統領の意向に忖度した利下げを行った。市場の失望感は大きく、トルコリラは上最安値を更新した。利下げは2020年5月以来1年4カ月ぶり。

*米金融大手ゴールドマン・サックスは23日、トルコ中央銀行が政策金利を2022年半ばまでに段階的に15%まで引き下げると予想した。ゴールドマンはこれまで、同中銀による緩和サイクルは12月に始まると見込んでいた。ゴールドマンのアナリストは「10、11月に各0.5%の利下げが行われ、その後は政策金利が15%になるまで毎月0.25%のペースで引き下げが続くと見込んでいる」と述べた。ゴールドマンの従来予想では、トルコの政策金利は22年末までに15%に引き下げられる見通し。

22日には米連邦準備制度理事会(FRB)が、年内にも量的緩和の縮小に着手し、2022年中の利上げ開始を示唆した。トルコが抱えるドル建て債務の規模は国内総生産(GDP)比でコロナ禍前を上回ることになり、ドル買い・トルコリラ売りが継続しよう。

【トルコ経済指標】
9月29日水曜日
16:00トルコ9月経済信頼感指数 前回100.80

9月30日木曜日
16:00トルコ8月貿易収支 前回-42.8億USD

10月1日金曜日
16:00トルコ9月製造業PMI 前回54.1

*トルコリラ円日足は一目均衡表で「三役逆転」状態が続いており、戻り売りが継続しよう。

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【南アフリカランド円今週の予想(9月27日)】
*予想レンジ:7.30円~7.60円
*今週の南アフリカランド円は、レンジ相場となりそうだ。
8月南フリカ消費者物価指数(CPI)は前年同月比4.9%上昇した。伸び率は前月の4.6%から加速し、南アフリカ中央銀行の政策目標(3~6%上昇)の中心値(4.5%)を4カ月連続で上回った。

南アフリカ中央銀行は23日の政策委員会で、主要政策金利を3.5%に据え置くことを決めた。5人の政策委員の全会一致。ハニャホ総裁は声明で、11月の次回会合で利上げを開始する可能性を示唆した。同行は、2021年の同国経済は想定以上に好調だとして、経済成長率の予測を従来の4.2%から5.3%に上方修正。22年は1.7%(従来予測2.3%)、23年1.8%(同2.4%)に引き下げた。今年の消費者物価上昇率の予測は4.4%と0.1ポイント引き上げ、22年は4.2%、23年は4.5%で据え置いた。総裁は「四半期予測モデル(QPM)では今年年第4四半期に0.25%、22~23年には各四半期ごとの利上げが示されている」と述べ、年内に利上げに着手する可能性を表明。同行は年内は11月18日に政策発表を予定している。

利上げ見通しは南アランドをサポートするものの、南ア政府による国民への現金給付計画は重石になろう。南アフリカでは、7月に貧困と過去最高の失業率などを背景に、330人以上もの死者を出すアパルトヘイト(人種隔離政策)撤廃後で最悪の暴動が発生した。暴動の直接の原因はズマ前大統領が法廷侮辱罪で収監されたことだったが、貧困と新型コロナウイルスのパンデミックによって拍車がかかった。こうした背景から南ア財務省は今月、議会に対し、貧困を緩和するために現金給付を検討するよう要請した。ただ、南アではすでに、約1800万人が高齢者、育児支援、障害者向けの月次現金給付によって恩恵を受けている。失業率も高く国家財政はがさらに圧迫されるため、南ア財政に与える影響は小さくない。


【南アフリカ経済指標】
9月30日木曜日
18:30南ア8月生産者物価指数前年比 前回+7.1%、予想+7.1%
21:00南ア8月貿易収支 前回+370億ZAR、予想+370億ZAR

10月1日金曜日
18:00南アフリカ9月製造業PMI

*南アランド円日足は一目均衡表の雲が上値抵抗ゾーンになっており、上値は重いだろう。

zar0928


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【ドル円今週の予想(9月27日)】
*予想レンジ:109.50~112.00円
*今週のドル円は、押し目買いが続き堅調に推移しそうだ。
米連邦準備制度理事会(FRB)が21、22日に開催した連邦公開市場委員会(FOMC)では、市場の予想通り、政策金利を年0~0.25%に据え置き、量的緩和策で米国債などを買い入れるペースを月額1200億ドルで維持することも決定した。終了後に公表されたFOMC参加者の政策金利見通しでは、事実上のゼロ金利を解除し、利上げを開始する時期が2023年から22年に前倒しされた。

声明では「資産購入ペースの減速が近く正当化される」と明言。国債購入などを通じた量的緩和策の縮小開始を早ければ11月にも決定することを示唆した。経済再開による需要急増や、半導体などの供給不足といった問題を背景に米国のインフレはFRBの目標の2%を大幅に上回る状態が続いている。FRBはインフレ加速は一時的との見解を変えていないが、物価上昇への懸念を強めた。そのため、23年の利上げ回数予想も2回から3回に増えた。

FRBのパウエル議長は記者会見で、「持続的なインフレ上昇が深刻な懸念となれば、われわれは対応する」と強調。また「22年中ごろに量的緩和縮小を完了するのが適切」と述べた。政策金利見通し(ドット・プロット)では、FOMC参加者の政策金利見通し分布(ドット・プロット)は「中央値」ながら、22年に1回、23年に3回、24には3回と、粛々と利上げが進んでいく道筋を示した。事実上のゼロ金利解除は6月予想の23年から1年前倒しされた。

ただ、パウエル議長は来年中ごろにテーパリングを完了するとの見通しを示す一方で、これが利上げの接近を意味しないことを改めて強調した。

経済見通しと併せてタカ派に傾いた今回のFOMCやFRB高官のタカ派発言を受けてドル円は110円80銭台まで買われた。この週に開催された日銀金融政策会合では、大規模金融緩和を継続することが確認された。日米の今後の金融政策を反映してドル買いが継続しよう。中国恒大集団をめぐる懸念は世界経済への影響は小さいとの見方から、市場を圧迫する要因にはなっていない。仮に、懸念が顕在化しても、リスク回避のドル買いが強まるだろう。

ドルの懸念要因としては、米連邦政府の「債務上限」問題が、議会の与野党対立で暗礁に乗り上げていることだろう。イエレン財務長官は、上限引き上げなどの措置を講じなければ、政府の財政資金は10月中に枯渇する見込みと警告している。

国内要因では、29日の自民党総裁選投開票が注目されよう。

*CFTC建玉:9月21日時点のファンドのドル買い・円売りポジションは、5万6071枚(前週比-4224枚)。

*ドル円日足の一目均衡表は「三役好転」で上昇相場継続を示唆している。

yen0928


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