【NY金は値固め局面か】
*今週は総額1200億ドルの米国債の入札が行われ、いずれも順調に消化され、米長期金利を押し下げた。
12日には米10年債と3年債の入札が行われた。13日には30年債の入札が行われた。このため米長期金利が低下し、ドルが下落した。ドル安を受けてドル建て金には割安感が強まり、14日のNY金は1750ドルの節目まで上昇した。
*この日は、米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)製の新型コロナウイルスワクチンについて、接種後に深刻な血栓症を発症した事例が報告されたことも金を押し上げた。
米食品医薬品局(FDA)と米疾病対策センターが、J&J製ワクチンの使用を一時中止する勧告を出したため、経済活動の正常化への期待が後退し、安全資産とされる債券や金が買われた。
*このような状況でも金現物投資は低迷している。金ETF(スパイダー・ゴールド)は年初から減少している。13日の保有高は、1026.07トンと年初から13.6%減少。
ただ、先週末からの保有高は1026.07トンを維持。保有売却に歯止めがかかった可能性もある。
*NYダウが史上最高値を更新する中、投資資金はリスク資産に流れ、安全資産である金投資への意欲は低下している。
*しかし、バンク・オブ・アメリカ(BofA)が13日発表した4月のファンドマネジャー調査では、投資ポートフォリオに占めるキャッシュの比率が4.1%に上昇したことが判明した。
バイデン政権の大規模な経済対策によりインフレ懸念が強まる中、法人税の国際最低税率の設定や米国での法人税率引き上げに関する過去数週間の議論を受けて、株式の見通しが悪化しているという。
*NYダウが史上最高値を更新する中で、NY金におけるファンドの買い越しが増加しているのは興味深い。高値圏で推移する株価に対するヘッジの可能性がある。
*NY金は1700ドル割れに警戒が働き、反発に転じている。当面は値固め局面となりそうだ。
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