テクニカルマイスター

商品、為替、株式相場を,ファンダメンタルズとテクニカルから思いつくままに分析。

【8月米雇用統計はネガティブサプライズ、金は底堅く推移】
8月の米雇用統計は、非農業部門雇用者数(事業所調査、季節調整済み)は、前月比予想23万人増に対し14万2000人増加となった。これは、市場予想の下限をも下回った。7月は21万2000人増(速報20万9000人増)に修正された。 失業率 は6.1%と、前月の6.2%から低下した。 労働参加率 は62.8%と、前月の62.9%から低下し、1978年以来の低水準に並んだ。非農業部門雇用者数は20万人台を割り込まないという大方の予想を大きく下回るネガティブサプライズとなったが、市場は、テーパリングは予定通り終了するだろうが、利上げ開始時期は(相当)先延ばしされるとの見方を強めたようだ。
 

ウクライナ政府と親ロシア派が5日、4月の戦闘開始以来初めて同国東部の停戦について文書で合意したため、地政学的リスクに対する懸念が後退したことも奏功し、NYダウは前日比67.78ドル高の1万7,137.36ドルで引けた。


NY外国為替市場ではドルが14カ月ぶりの高値から下げた。ドル円に関しては、当日の東京市場で105円70銭と2008年10月以来のドル高・円安水準に達したものの、雇用統計発表を受けて、一時104円66銭まで円は買い戻された。もっとも、米景気の回復基調に変化はないとの見方からドル売りは限定的で終値は105円台を維持した。

欧州中央銀行(ECB)は利下げを実施し、日本銀行は量的・質的金融緩和の維持を決定しているが、ここ1か月の騰落率をみると、ユーロは1.9%下落し、円も1%下落しているが、ドルは1.7%上昇している。ドル上昇基調は継続していると見てよさそうだ。

【NY金テクニカル分析】

NY金先物相場は低金利が維持されるとの見方から反発し、前日比0.80ドル高の1267.30ドルで引けた。安値は1258.0ドルで1250ドルが維持された。


NY金日足に一目均衡表を当てはめてみると、転換線が基準線を下回り、日足も雲を割り込んでいる上に、遅行線が実体とデッドクロスして、いわゆる「三役逆転」状態にあり、下落相場にあるといえる。

また、NY金のここ1年の値動きにフィボナッチリトレースメントを当てはめてみる。安値=1185.00ドル(2013年12月31日)、高値=1391.90ドル(2014年3月17日)。上昇幅は1391.9-1185.00=206.9ドル。高値から0.38倍押し=1313.28ドル、0.5倍(半値)押し=1288.45ドル、0.62倍押し=1263.62ドル、となる。終値ベースで0.62倍押しの水準が維持されたことに注目したい。

しかし、RSI(相対力指数)=36.9%と、30%の底値水準に近付いているため、ここからの下落幅も限定的だろう。6月3日の安値は1241.7ドルだった。

このレベルを割り込まなければ値固め期に入ったと見られ、今年後半の上昇相場の起点となる可能性が強まるだろう。日柄的には9月20日に雲のねじれの時間を迎えるため、このあたりで基調変化が起きる可能性がありそうだ。

*NY金

nyg0908
*情報提供:(株)インベステック
本画面に掲載されている情報の著作権は、インベステック及び各情報提供会社に帰属しており、無断で使用(転用・複製等)することを禁じます。提供している情報の内容に関しては万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、インベステック及び各情報提供会社は一切の責任を負いません。

9月8日(月)

【9月5日海外相場および市況】
*NY金=1267.30ドル(+0.80)、NY銀=1915.60セント(+1.80)
*NY白金=1411.00ドル(+2.70)、NYパラジウム=891.45ドル(+0.45)
*WTI原油=93.29ドル(-1.16)、ブレント原油=100.82ドル(-1.01)
*シカゴコーン=356.00セント(+9.50)、シカゴ大豆=1021.50セント(+18.25)
*NYダウ=17137.36ドル(+67.78)、CRB指数=288.0199(-0.6083)、VIX=12.09(-0.55)
*NYドル円=105.135(+0.065)、NYユーロドル=1.2953(+0.0001)
*日本10年債=0.537(+0.007)、米10年債=2.460(+0.009)

*週末5日のNY金は小反発。8月の米雇用統計で、景気動向を反映する非農業部門就業者数が市場予想を大幅に下回り、13年2月以来約8カ月ぶりの低水準となったことから、米国の早期利上げ観測が後退したほか、ドルが対ユーロで軟調となり、ドル建て金価格の割安感が強まったため、一時的に上昇する場面もあったが、買い一巡後はウクライナのポロシェンコ大統領と親ロシア派双方が、ウクライナ東部の停戦合意を発表し、地政学的リスクに対する懸念が後退したことから、上値を切り下げて引けた。

*NY白金は一時4月24日以来の安値を付けたが、その後は金の上昇に連れて小反発に転じた。

*週末5日のNY原油は続落。8月の米雇用統計で、非農業部門就業者数が市場予想を大幅に下回ったうえ、8カ月ぶりの低い伸びにとどまったことから、米景気の回復に伴う需要増加期待が萎んだ。ウクライナ政府と親ロシア派が5日、4月の戦闘開始以来初めて同国東部の停戦について文書で合意したため、地政学的リスクに対する懸念も後退した。

*週末5日のシカゴコーンは反発。利益確定の買戻しに加え、大豆高と米産地での降霜予報が強材料。シカゴ大豆は反発。米産地の一部での降霜予報や病害発生が強気要因。

*週末5日の外国為替市場の円相場は、105円を維持して引けた。8月米雇用統計は、非農業部門就業者数が市場予想を大きく下回り低調な内容だった。米連邦準備制度理事会(FRB)による早期利上げ観測が後退したため、ドルは円やユーロなどの対主要通貨で下落。一時104円台後半まで円高・ドル安が進行した。ただ、ウクライナ政府と親ロシア派が停戦で合意したと伝わると、ドルが買い戻され、105円台を回復した。

*米労働省が発表した8月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数(事業所調査、季節調整済み)は前月比14万2000人増加。増加幅は、予想値の下限も下回った。予想中央値は23万人増。前月は21万2000人増(速報20万9000人増)に修正された。 失業率 は6.1%と、前月の6.2%から低下した。


koyou0905_2

【本日の主な経済指標およびイベント】
08:50 (日) 7月経常収支(前回=-3991億円、予想=+4442億円、結果=+4167億円))
08:50 (日) 第2四半期GDP・二次速報 (前期比 前回=-1.7%、予想=-1.8%、結果=-7.1%)
未定 (中) 8月貿易収支(前回=+473.0億USD、予想=+400.0億USD)

【9月5日国内市況終値】
*東京金=4287円(±0)、東京銀=65.0円(+0.2)
*東京白金=4819円(+5)、東京パラジウム=3023円(+46)
*東京原油=66900円(+10)東京ガソリン=79840円(+80)、東京灯油=82110円(+110)
*東京コーン=24010円(-110)、東京大豆=49050円(-400)
*日経平均=15668.68円(-7.50)、東京ドル円=105.32円(+0.110)

*週末5日の東京金は、4日のNY金相場が欧州中央銀行(ECB)による追加緩和を受けたドル高・ユーロ安を要因に反落した流れを引き継いで売り先行。後場は、今夜の米雇用統計発表を控えてポジション整理が入り変わらずで引けた。白金は小反発。NYは下落したものの、105円台の円安受けて買いが優勢となった。

*8月の米雇用統計は、非農業部門の就業者数が前月比22万5000人増と好内容が予想されている。

*東京原油は反発。好調な米経済指標を受けて需要増加期待から海外原油相場が上伸したため、強気買い優勢となった。ガソリン、灯油も連れて反発。

*東京コーンは続落。シカゴ相場安を受けて、売り優勢だった。先限は2012年6月以来の安値を付けた。一般大豆は下落。4日のシカゴ相場安を受けて軟調に推移した。

*東京外国為替市場の円相場は、一時、5年11カ月ぶりの円安水準となる105円70銭を付けた。

【8月米雇用統計】
本日5日午後9時30分(日本時間)、注目の米8月雇用統計が発表される。
8月の非農業者部門就業者数の事前予想は22.5万人の増加となっており、前回に続いて20万人超の結果が予想されている。失業率の事前予想は前回と変わらず6.1%。

雇用改善が予想通りもしくはそれ以上の場合、東京市場では既に105円70銭をつけているため、一段のドル買い・円売りから106円台に達する可能性が高い。また、早期利上げ実施の可能性が思惑され、ドル建て金相場は下落する可能性がありそうだ。その場合、1250ドルレベルが維持されるかどうかが注目されるだろう。

逆に、サプライズ的に思わしくない内容となった場合(例えば、非農業部門の数字が20万人を下回ったら)、ドル売り・円買いが強まり、ドル円相場は104円を割り込む可能性も想定されよう。

一方、ドル建て金価格は急反発に転じ、2日の急落前の水準である1290ドルレベルに浮上する可能性も想定される。

いずれにしても、円建て金相場は、強弱材料が相殺される可能性が高いが、過去1か月のレンジ(4240~4340円)から逸脱することはなさそうだ。逆に言えば、上下どちらかに放れればトレンド発生となるだろう。

koyou0905


【ECBが予想外の利下げ】
4日、欧州中央銀行(ECB)は、経済成長を持続させ、デフレを回避するために、3つの政策金利を全て引き下げた。短期金利の調節手段である短期買いオペの最低応札金利を0.05%に、中銀預金金利をマイナス0.2%に、限界貸出金利は0.3%に、すべて0.1ポイントずつ引き下げた。
これに加え、ドラギ総裁は少なくとも7000億ユーロ(約95兆3000億円)相当をユーロ圏経済に供給する方針を示唆した。利下げと民間部門の資産購入で、ユーロ圏のインフレ回復を目指すものの、今回の利下げで政策金利は下限に達したとも言明した。伝統的な政策手段は使い果たされ、非伝統的手法である資産担保証券(ABS)の購入計画(量的緩和策の導入)を発表した。


さて、8月22日に行われたジャクソンホールでの講演で、ドラギ総裁は、6月に発表した措置がユーロ安に支えられ、需要を押し上げると述べるたが、ECBとして追加策を講じる用意があると言明した。特に注目されたのは、ECBとして初めてインフレ期待の低下に言及したことだろう。

ドラギ総裁は、「インフレ期待が全期間にわたって大幅に低下している」と述べ、従来から主張していた「ユーロ圏のインフレ期待は日本とは違い安定している」という主張を覆した。しかも、このインフレに関する発言は、事前原稿にはなくアドリブで付け加えたという事で、相当な危機感を抱いていた事が伺い知れる。一連の発言も今から振り返れば、利下げを示唆していたものと受け止められる(後講釈だが)。

【ユーロドルが1.30ドルを割り込んで、金も下落だが・・・】
予想外の発表に、外国為替市場ではユーロの下落が強まり、対ドルでは2013年7月以来、1.300ドルを割り込んだ。ドル上昇により、ドル建て国際商品価格はほぼ全面安となった。

金相場に関しては、終値は前日比3.8ドル安の1265.50ドルだが、安値は1261.30ドルと前日3日の安値1261.90ドルを下回らなかった。アジア現物市場で買いが入っていた事から安値売りが警戒された可能性はある。また、本日5日、8月の米雇用統計が発表されるため買戻しが優先したのかもしれない。

チャート的には6月3日の安値1241.7ドルが次の下値として意識されるところだが、ここが維持されるならば下値切り上げパターンになる可能性がある。逆に、割り込めば昨年末12月31日の安値1185.0ドルを目安に下落基調が強まる可能性も出てくるだろう。

ただ、産金コストを考えると、1250 ドルを割り込む状況が長く続くとも思えない。トムソン・ロイターGFMS社が発表した「ゴールド・サーベイ 2014」によると、2013年の世界平均産金コスト(All-in Costs)は1620ドルとなり、前年(1272ドル)から大幅に上昇しているという。

一方、円相場もドルに対して下落しており、本日5日には105円70銭をつけ、年初来安値(1月2日につけた105円44銭)を更新した。円安が進行しているため、円建て金相場は4280円台と小幅安にとどまっており、依然として4300円を軸としたレンジ内で推移している。NY金相場の下落トレンドとは一線を画している。

日足の一目均衡表を見ると、NY金は雲の下側で推移しているが、東京金は雲の上側で推移しており、基調の違いがわかる。また、ここ1年の高値と安値にフィボナッチリトレースメントを当てはめると、NY金は高値から0.62倍押しのレベルに位置しているが、東京金は0.5倍(半値)押しのレベルに位置している。なお、NY金は高値1391.9ドル(2014年3月17日)、安値1185.0ドル(2013年12月31日)。東京金は高値4545円(2014年3月13日)、安値3975円(2013年12月20日)。

RSI(相対力指数14日)を見ると、東京金は50%レベルにあり、NY金は33.6%に低下している。また、NY金に関しては、昨年10月以降のパターンを見ると、RSIが30%を割り込むと底値が形成されて反発に転じている。4日時点のNY金のRSI=36.38%で、下値余地は残っている可能性があるが、反転するレベルに近づいている。今夜発表される8月米雇用統計で下落に転じた場合、従来のパターンが踏襲されるならば、反転する日が近づいているともいえるだろう。

*NY金
ny0905

*東京金
tky0905

*情報提供:(株)インベステック
※本画面に掲載されている情報の著作権は、インベステック及び各情報提供会社に帰属しており、無断で使用(転用・複製等)することを禁じます。提供している情報の内容に関しては万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、インベステック及び各情報提供会社は一切の責任を負いません。


↑このページのトップヘ