テクニカルマイスター

商品、為替、株式相場を,ファンダメンタルズとテクニカルから思いつくままに分析。

【ドル円相場、今週の予想】
*今週のドル円は、下落基調が続きそうだ。週明け26日のドル円は一時104円40銭まで下落し円高が進んだ。中国商務省は23日、米国から輸入する約750億ドル相当の製品に5─10%の追加関税を課すと発表。トランプ大統領はこれを受け、「米企業に対し中国の代替先を直ちに模索するよう命じる。事業を米国に戻し、米国内で生産することも含まれる」とツイッターに投稿した。米中貿易戦争が激化するとの見方が強まった。前週末のNYダウが大幅下落し、26日の日経平均株価も一時500円を越す下げ幅となったことからリスク回避の円買いが強まった。

また、中国人民元が7.15元まで下落し、2008年2月以来の元安水準となったことも市場の警戒感を強めたようだ。米国との貿易摩擦の悪化や米国の対中制裁関税第4弾発動を控え、人民元はジリ安の展開が続いている。23日に行われたジャクソンホールの経済シンポジウムで、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は、米経済は「良好な立場」にあり、FRBは足元の景気拡大を維持すべく「適切に対応」すると表明したものの、9月の連邦公開市場委員会(FOMC)で追加利下げを行うかについては明言しなかった。 利下げを確約しなかったことで、FRBに対し利下げ圧力を掛けているトランプ大統領は「パウエルFRB議長と中国の習近平国家主席のどちらが米国に対するより大きな敵なのか」とツイッターに投稿し、議長を痛烈に批判した。

21日に公表された7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨でも、長期にわたる利下げサイクルに入ったとの認識は示されていなかったが、8月以降、米中貿易摩擦の激化が米国経済に与える影響が懸念されていることから、次回9月17、18日開催のFOMC会合では追加利下げが決定される可能性が高い。CMEのFED WATCHによると、23日時点で9月に利下げを行う確率は85%を越えている。しかも10月以降も利下げを行う確率が高まっていることから、ドル安基調が続くと見ていいだろう。29日に発表される米4-6月期実質国内総生産(GDP)改定値は、速報値の前期比年率+2.1%から+2.0%への下方修正が予想されている。最低予想の+1.7%程度まで落ち込んだ場合、景気後退の可能性が高まるだろう。また30日に発表される米7月個人消費支出(PCE)価格指数は、前年比+1.6%と予想されており、6月と変わらずの見込み。予想を下回った場合、FRBの年内利下げ幅が拡大する可能性がある。

<今週の主な経済指標>
国内経済関連は、27日に7月企業向けサービス価格指数、8月消費動向調査(内閣府)、30日に7月失業率・有効求人倍率、7月鉱工業生産の発表。海外経済関連は、29日に米4-6月GDP、30日に米7月個人所得・個人支出、31日に中国8月製造業PMIなど。

*CFTC建玉8月20日時点:ファンドのドル売り・円買いは3万1154枚(前週比+6412枚)と増加。総取組高は15万4662枚と前週比5609枚の減少。ファンドは3週連続でドル売り・円買いを拡大させている。


yen0826

*予想レンジ:103.00円~107.00円

情報提供:㈱ミンカブジインフォノイド
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8月27日(火)
【8月26日の海外相場および市況】
ny0826

*週明け26日のニューヨーク外国為替市場では、米中貿易協議の再開に対する期待が広がる中でドルが買い戻され、106円台前半に反発した。106円07〜17銭。
米政府は先週、5500億ドル相当の中国製品にかける追加関税を5%引き上げると発表。中国が750億ドル相当の米国製品に報復関税を課す方針を表明した数時間後のことだった。ただ、トランプ米大統領が先進7カ国首脳会議(G7サミット)のため訪れていたフランスで、中国政府関係者から米国側に貿易協議再開の申し入れがあったと明らかにしたことを受けて、摩擦激化への過度の懸念が後退し、安全資産として買われてきた円は売り戻された。7月米米耐久財受注額は前月比2.1%増と、市場予想の1.2%増を大きく上回った。

*週明け26日のNY金は、米中貿易摩擦の行方に注目が集まる中、ほぼ横ばいとなった。1537.20ドル(-0.40)。トランプ大統領は前週末、中国による報復措置に対抗し、中国からの輸入品2500億ドル分の制裁関税を引き上げると発表。これを受けて、安全資産とされる金が買われた。ただ、26日にはトランプ大統領が先進7カ国首脳会議(G7サミット)で記者団に「中国が協議の再開を求めてきた」と述べたことをきっかけに、貿易戦争に対する過度の懸念が後退。NYダウが堅調に推移する半面、金は徐々に上げ幅を削った。

NY白金は反発。857.80ドル(+2.50)。
パラジウムも高い。1472.30ドル(+18.00)。

*週明け26日のNY原油は、米イラン間の緊張緩和期待の広がりを受け、4営業日続落となった。53.64ドル(-0.53)。トランプ大統領はこの日、先進7カ国首脳会議(G7サミット)が行われているフランスで、中国側が貿易交渉の再開を求めてきたことを明らかにした上で、対中追加関税の発動を遅らせることは可能との見方を表明。「冷静な」協議を通じた問題解決を望むとの中国の劉鶴副首相の発言について、歓迎する意向をツイッターで示した。リスク回避姿勢が幾分和らぎ、一時55.26ドルの高値を付けた。しかし、サミット終了後にマクロン仏大統領がトランプ大統領と共同で行った記者会見で、米イラン首脳会談を「数週間以内に実現できることを期待している」と述べたことをきっかけに流れは反転。米・イラン関係の状況が進展した場合、イラン産原油の大量供給が起きる可能性を市場は見越したようで、相場はマイナス圏に転落した。北海ブレント原油は、58.70ドル(-0.64)。一時60.17ドルの高値まで上昇した後、反落に転じた。

*週明け26日のシカゴトウモロコシは小反発。368.25セント(+0.50)。米農務省が26日発表したクロップ・プログレスで、トウモロコシの作柄状況について、「優」「良」の占める割合が57%となり、前週の56%を上回った。日米両政府が日米貿易協定で基本合意したとの報道も、穀物相場を下支えしたと述べた。

シカゴ大豆は反発。867.25セント(+10.75)。米国と中国が貿易摩擦緩和に向けて、通商協議を再開する方針が示されたことが買い要因。中国は世界最大の大豆輸入国。貿易戦争の前年は、米国から120億ドル相当の大豆を購入した。


*週明け26日のNYダウは、米中貿易協議進展への期待から反発した。2万5898.83ドル(+269.93)。トランプ大統領はこの日、中国との協議が近く始まるとした上で、合意すると考えていると述べた。トランプ氏は中国側が電話で交渉再開を求めてきたと明らかにしたほか、中国の習近平国家主席を「偉大な指導者」と呼び、ディール(取引)を望む習氏の姿勢を歓迎するとも発言。株価は米中協議の進展期待から大幅反発した。ただ、協議の進展が何も見えていない状況のため、上値は重かった。9月2日のレーバーデー(労働者の日)までは休暇シーズンで取引参加者が少なく、上値の重い状況が続きそうだ。


【27日の経済指標】
15:00   (独) 4-6月期 国内総生産(GDP、改定値) [前年同期比]  0.4%   
15:00   (独) 4-6月期 国内総生産(GDP、改定値、季調前) [前年同期比]  0.0%  22:00   (米) 4-6月期 四半期住宅価格指数 [前期比]  1.1%   
22:00   (米) 6月 住宅価格指数 [前月比]  0.1%   
22:00   (米) 6月 ケース・シラー米住宅価格指数  216.94  
22:00   (米) 6月 ケース・シラー米住宅価格指数 [前年同月比]  2.4%   
23:00   (米) 8月 リッチモンド連銀製造業指数  -12   
23:00   (米) 8月 消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード)  135.7  133.6 


第222回
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8月26日(月)
【8月23日の海外相場および市況】
ny0823

*週末23日のNY外国為替市場のドル円は、米中貿易摩擦の激化などを背景に安全資産としての円買いが加速し、105円台前半に大幅上伸した。105円30~40銭。中国政府は23日、米国による制裁関税「第4弾」への報復として、米国からの輸入品約750億ドル相当に対し、9月1日から最大10%の追加関税を課すことを表明した。これに対し、トランプ大統領はツイッターで「中国の関税に対応するつもり」と、中国への対抗措置を警告。制裁関税の応酬激化に備えて、米国企業に中国事業から撤退するよう促した。両国の関税報復合戦に拍車が掛かる中、投資家のリスク回避姿勢が強まった。NYダウが下げを速める一方、安全資産とされる円を買ってドルを売る動きが加速し、一時105円26銭まで下落した。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が米ワイオミング州ジャクソンホールの経済政策シンポジウムでの講演で、追加利下げを示唆し、米長期金利が低下したこともドル売りを後押しした。

CFTC建玉8月20日時点:ファンドのドル売り・円買いは3万1154枚(前週比+6412枚)と増加。総取組高は15万4662枚と前週比5609枚の減少。ファンドは3週連続でドル売り・円買いを拡大させている。

*週末23日のNY金は大幅反発。米中貿易摩擦の激化やパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の発言を受けて買い進まれた。1537.60ドル(+29.10)。中国政府はこの日、米国による制裁関税「第4弾」に対する報復として、米製品750億ドル相当に5~10%の追加関税を課すと表明。これに対してトランプ大統領はツイッターで「きょうの午後、中国の関税に対応するつもりだ」と書き込み、中国による対米報復関税への対抗措置を取ると警告した。これを受けて、米中貿易摩擦激化に対する懸念が再燃、金に「質への逃避」買いが集まった。また、FRBのパウエル議長は23日の講演で、「景気拡大の持続へ適切に行動する」と述べ、追加利下げに踏み切る考えを示唆。金利を生まない資産である金の買いを後押しした。

CFTC建玉8月20日時点:ファンドの金買い越しは29万9993枚(前週比+9903枚)と増加。総取組高は59万4807枚と前週比845枚の増加。

白金は反落。855.30ドル(-6.60)。
パラジウムも安い。1454.30ドル(-30.90)。

CFTC建玉8月20日時点:ファンドの白金買い越しは1万9615枚(前週比-2061枚)と減少。総取組高は7万7468枚と前週比367枚の増加。


*週末23日のNY原油は3日続落。米中貿易摩擦の激化を背景としたエネルギー需要の先細り観測が重石となった。54.17ドル(-1.18)。中国政府はこの日、米国による制裁関税「第4弾」への報復として、米国からの輸入品約750億ドル相当に9月1日から最大10%の追加関税を課すと表明。トランプ大統領はこれに対し、ツイッターで「午後、中国の関税に対応するつもりだ」と警告した。二大経済大国による関税の応酬がエスカレートする中、世界的なエネルギー需要の先行きに不安が広がった。中国商務省によると報復関税の対象は5078品目で、5%または10%の税率を上乗せする。原油のほか、大豆など農産物や小型航空機が含まれる。これに対しトランプ米大統領はツイッターで、中国に進出する米国企業に対し、事業拠点の撤退と米国での生産を検討するよう命じた。NYダウが大幅反落する中、同じリスク資産である原油にも売り圧力がかかった。米ワイオミング州ジャクソンホールで開かれている年次経済シンポジウムで23日行った講演で、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は講演で、「米景気は好調」との認識を示した上で、FRBが現在の景気拡大を持続させるため「適切に行動する」と語った。FRBが次回9月の金融政策会合で利下げするかどうかについて示唆はなかった。石油サービス会社ベーカー・ヒューズが発表した、23日時点の米エネルギー各社の石油掘削リグ稼働数は前週比16基減。約4カ月ぶりの大幅減で、稼働数は2018年1月以来の低水準となった。北海ブレント原油は、59.34ドル(-0.58)。

CFTC建玉8月20日時点:ファンドの原油買い越しは41万4635枚(前週比+3万2491枚)と増加。総取組高200万2847枚と前週比5万6288枚の減少。


*週末23日のシカゴトウモロコシは反落。367.75セント(-3.25)。米中貿易戦争の激化が懸念された。中国政府は23日、9月1日から米国産の大豆に5%の関税を上乗せし、小麦やトウモロコシ、ソルガムには12月15日から10%の追加関税を課すと発表した。農業調査会社プロファーマーは、2019年度の米国産トウモロコシの単収見通しについて、1エーカー当たり163.3ブッシェルと、米農務省の予想(169.5ブッシェル)を下回ると発表した。

CFTC建玉8月20日時点:ファンドのトウモロコシ買い越しは9万4084枚(前週比-6万7555枚)と減少した。総取組高は174万3824枚と前週比2万1572枚の減少。


シカゴ大豆は続落。856.50セント(-12.25)。中国が米国製品に追加関税を課すと発表し、両国の貿易摩擦が激化したことで、約3週間ぶりの安値を付けた。中国政府は23日、9月1日から米国産の大豆に5%の関税を上乗せし、小麦やトウモロコシ、ソルガムには12月15日から10%の追加関税を課すと発表した。

CFTC建玉8月20日時点:ファンドの大豆売り越しは2万1740枚(前週比-4093枚)と減少。総取組高は64万2876枚と前週比2万0388枚の減少。


*週末23日のNYダウは、米中貿易摩擦の激化を嫌気し、急反落した。2万5628.90ドル(-623.34)。中国政府はこの日、米国の対中制裁関税への報復として、米国からの輸入品約750億ドル(約7兆9000億円)相当に、9月1日から最大10%の追加関税を課すと明らかにした。さらに、1月から適用を見合わせていた自動車・同部品への対米報復関税も12月15日に再び導入し、最大25%の税率を上乗せする。これを受け、トランプ大統領はツイッターに「中国の関税に対応する」と投稿し、対抗措置を取ると警告。中国に進出する米企業に、拠点撤退や米国への生産移転を検討するよう求めた。トランプ氏は「中国を必要としていない。いない方がはるかにましだ」などと怒りをあらわにした。NYダウは、トランプ大統領の投稿後に急落し、市場は一気にリスク回避ムードに転じた。一方、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長はこの日、米ワイオミング州ジャクソンホールで講演。「景気拡大持続へ適切に行動する」と述べ、追加利下げに踏み切る考えを示唆した。ただ、利下げの時期については明言を避けたほか、市場が9月の金融政策会合での利下げをほぼ織り込み済みのため、NYダウを押し上げるには至らなかった。


【26日の経済指標】
未定   (英) 休場
07:45   (NZ) 7月 貿易収支  3.65億NZドル 
14:00   (日) 6月 景気一致指数(CI)・改定値  100.4   
14:00   (日) 6月 景気先行指数(CI)・改定値  93.3   
17:00   (独) 8月 IFO企業景況感指数  95.7 ― 
21:30   (米) 7月 耐久財受注 [前月比]  1.9%  1.0% 
21:30   (米) 7月 耐久財受注・輸送用機器除く [前月比]  1.0%


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8月23日(金)
【8月22日の海外相場および市況】
ny0823

*22日のNY外国為替市場では、米製造業の景気指標の悪化を受け、106円台半ばに下落した。106円39〜49銭。8月米製造業購買担当者景況指数(PMI)速報値は49.9と、2009年9月以来約10年ぶりに好不況の分かれ目となる50を下回った。米景気後退への懸念から円買い・ドル売りが優勢となり、一時106円32銭まで下落した。ただ、その直後に米フィラデルフィア連邦準備銀行のハーカー総裁が、「われわれは概ね中立金利の水準にいる。もう少しそこにとどまり、事態がどう推移するのか見極めるべきだ」と、追加利下げに否定的な考えを示し、ドルに買い戻しが入った。その後は、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演を控え、様子見姿勢が強まり、小動きでの推移となった。

*22日のNY金は、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長による翌日の講演に注目が集まる中、下落した。1508.50ドル(-7.20)。
利食い売りやポジション調整の売りなどに押された。カンザスシティー連銀のジョージ総裁が、テレビのインタビューで「経済の見通しが一段と悪化しない限り、金融緩和するときではない」と述べ、追加利下げに否定的な考えを表明し、金利を生まない資産である金相場の重石となった。ただ、ワイオミング州ジャクソンホールでのパウエル議長講演を23日に控え、終日、小幅な値動きにとどまった。米中貿易摩擦の激化や景気後退の前兆とされる長短金利の逆転現象(逆イールド)の発生といった前回の連邦公開市場委員会(FOMC)後の展開を踏まえ、大幅な追加利下げへの示唆があれば、金相場には支援材料となる見通し。

NY白金は続伸。861.90ドル(+3.80)。
パラジウムも高い。1485.20ドル(+19.70)。


*22日のNY原油は、エネルギー需要動向を左右する米金融政策の先行きに対する不透明感から続落した。55.35ドル(-0.33)。米ワイオミング州ジャクソンホールではこの日から3日間の日程で経済シンポジウムが始まり、市場は翌23日に予定されるパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演に注目している。前日公開された7月末の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、参加者らが利下げ局面入りに否定的な見解を示していたことが明らかになったが、トランプ大統領や市場からは追加利下げ期待が高まっている。不安定なNYダウを背景に、この日は議長の講演待ちでポジション調整が主体となった。ただ、調査会社ジェンスケープが発表した16〜20日の米オクラホマ州クッシング(WTI受け渡し拠点)の原油在庫が、約150万バレル減少したことが相場を下支えした。北海ブレント原油は、59.92ドル(-0.38)。


*22日のシカゴトウモロコシは続伸。371.00セント(+0.75)。米中西部での平年より低い気温予想を受け、遅れて作付けされた作物の生育が鈍化し、生産高が減少するのではないかとの観測が強材料。トランプ大統領がトウモロコシを原料としたエタノールを含むバイオ燃料の需要を拡大する政策を協議するため関係閣僚らと会合を開くと報じられたことも相場を支援した。ただ、米農業調査会社プロファーマーが米中西部で実施したクロップツアー(実地調査)最終日の報告で、アイオワ州とミネソタ州の一部でトウモロコシと大豆の生産予測が改善したことが上値を抑えた。

シカゴ大豆は反落。868.75セント(-4.25)。米農業調査会社プロファーマーが米中西部で実施したクロップツアー(実地調査)最終日の報告で、生産予測が改善したことを受け、押し下げられた。同報告では、アイオワ州とミネソタ州の一部地域で、トウモロコシと大豆の生産予測が改善した。一方、米中西部での平年を下回る気温予想を背景に、遅れて作付けされた作物の生育不良による生産高の減少観測が下値を支えた。


*22日のNYダウは、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演を翌日に控えて様子見姿勢が強い中、小幅続伸した。2万6252.24ドル(+49.51)。パウエルFRB議長は23日、ワイオミング州ジャクソンホールで「金融政策の課題」をテーマに講演する。約10年半ぶりの利下げに踏み切った7月末の連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で、議長は「利下げ局面の始まりではない」と説明。しかし、その直後にトランプ大統領が中国への制裁関税「第4弾」の発動を表明したことで先行き不透明感が増しており、市場では議長が講演で追加利下げを示唆するかどうかに注目が集まっている。百貨店大手ノードストロムが前日夕方に発表した5〜7月期決算は1株当たり利益が市場予想を上回った。ターゲットやロウズなどの小売り大手も良好な決算で、消費の堅調さを背景にNYダウが買われた。


【23日の経済指標】
07:45   (NZ) 4-6月期 四半期小売売上高指数 [前期比]  0.7%   
08:30   (日) 7月 全国消費者物価指数(CPI) [前年同月比]  0.7%   
08:30   (日) 7月 全国消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く) [前年同月比]  0.6
08:30   (日) 7月 全国消費者物価指数(CPI、生鮮食料品・エネルギー除く) [前年同月比]  0.5% 
22:00   (墨) 4-6月期 四半期国内総生産(GDP、確定値) [前期比]  0.1%   
22:00   (墨) 4-6月期 四半期国内総生産(GDP、確定値) [前年同期比]  -0.7% 
23:00   (米) 7月 新築住宅販売件数 [年率換算件数]  64.6万件  63.9万件 


第222回
おしえて陳さん』 
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8月22日(木)
【8月21日の海外相場および市況】
ny0821

*21日のNY外国為替市場のドル円相場は、リスク警戒姿勢がやや緩み、106円台後半に上昇した。106円57〜67銭。米長期金利の低下が一服し、ドルの買い戻しが進んだ。7月米中古住宅販売件数は市場予想に比べて良好な内容だった。7月末に開催された連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨が公表されると、円売り・ドル買いが小幅に進行した。連邦準備制度理事会(FRB)が10年7カ月ぶりに利下げを決めた同会合では、景気先行き不透明感や低インフレへの警戒感が強く、2人が0.5%の大幅利下げを主張した一方、複数が据え置きを訴えるなど、参加者の間で判断が割れていたことが明らかになった。ただ、8月には米中貿易戦争がさらに激化し、債券市場では不況入りの予兆となる「長短金利逆転(逆イールド)」が12年ぶりに出現するなど、市場の景気後退(リセッション)懸念は一段と強まっている。このため、23日にパウエルFRB議長が経済シンポジウムで行う講演では、ハト派的な姿勢を明確にするのではないかとの見方が広がった。

*21日のNY金は、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨の発表を控えて、横ばいとなった前日比変わらずの1515.70ドル。FOMC議事要旨(7月30、31日開催分)の公表を控えて、ひとまず利益を確保する動きが活発化。米連邦準備制度理事会(FRB)が10年7カ月ぶりに利下げを決定した前回会合の議論内容を見極めたいとの思惑が台頭していた。ただ、売り一巡後は安値拾いやポジション調整の買いが入り、下げ幅を縮小し、前日と同水準に戻した。FRBによる追加利下げ観測が金利を生まない資産である金をサポートしているほか、世界景気の先行き懸念もなお下支え要因となっている。このため下値は堅く、心理的に重要な節目である1500ドル台を維持した。ワイオミング州ジャクソンホールで今週開かれる連邦準備制度理事会(FRB)シンポ
ジウムも、注目されている。

NY白金は反発。858.10ドル(+5.30)。
パラジウムは5日ぶりに反落。1465.50ドル(-4.20)。

*21日のNY原油は、米エネルギー情報局(EIA)の在庫週報などを受けて売られ、下落した。55.68ドル(-0.45)。内戦下のイエメンでイランの支援を受けている反政府武装組織フーシ派はこの日、系列メディアを通じ、南西部ダマール県上空で20日夜に米軍の無人機MQ9をミサイルで撃墜したと明らかにした。またロイター通信によると、イランのロウハニ大統領は同国の石油輸出が完全に制限されれば「これまでのような国際水路の安全は望めなくなる」と発言。米イラン間の緊張が高まる中、買いが先行した。ただその後発表された、EIA週報によると、最新週の原油在庫は前週比270万バレル減と、市場予想の190万バレル減を上回る取り崩し。一方、ガソリン在庫は30万バレル増、ディスティレート(留出油)在庫も260万バレル増と、それぞれ予想の20万バレル増、30万バレル増を上回る積み増しだった。これを受けて、徐々に売りが優勢となった。また、外国為替市場でドル高・ユーロ安基調が継続し、ドル建て原油に割高感が生じたことも相場を下押しした。北海ブレント原油は、60.30ドル(+0.27)。

*21日のシカゴトウモロコシは反発。370.25セント(+1.50)。メキシコ向けの新たな輸出成約に加え、3カ月ぶりの安値を付けた後でテクニカル要因による買いが入った。

シカゴ大豆は続伸。873.00セント(+4.75)。米農業調査会社プロファーマーが米中西部で実施したクロップツアーの報告で、大豆のさや数がネブラスカ州とインディアナ州で平均を下回ったことが相場を支援した。米中西部で今後15日間で平年を下回る気温が予想されていることも相場を支えた。低温はトウモロコシと大豆の成育を遅らせる可能性がある。

*21日のNYダウは、米小売り大手の好調な決算を支えに反発した。2万6202.73ドル(+240.29)。米小売り大手ターゲットと米住宅改装用品小売り大手ロウズの2019年5〜7月期決算は、ともに1株当たり利益が市場予想を上回る良好な結果。両社株が急伸してNYダウを牽引した。懸念される米中貿易摩擦の影響は表れていないことが好感されたようだ。市場では、世界景気の減速懸念が強まっているが、好調な米小売り大手決算を受け、GDP(国内総生産)の約7割を占める米個人消費の堅調さを確認し、市場に安心感が広がった。米連邦準備制度理事会(FRB)はこの日、約10年半ぶりの利下げを決めた7月30、31日の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を公開。多くの参加者が「利下げは政策サイクル半ばでの調整」との考えを示し、今後の政策金利の引き下げは限定的にとどまるとした。


【22日の経済指標】
16:30   (独) 8月 製造業購買担当者景気指数(PMI、速報値)  43.2   
16:30   (独) 8月 サービス部門購買担当者景気指数(PMI、速報値)  54.5   
17:00   (欧) 8月 製造業購買担当者景気指数(PMI、速報値)  46.5  
17:00   (欧) 8月 サービス部門購買担当者景気指数(PMI、速報値)  53.2 
21:30   (米) 前週分 新規失業保険申請件数 
22:45   (米) 8月 製造業購買担当者景気指数(PMI、速報値)  50.4  
22:45   (米) 8月 サービス部門購買担当者景気指数(PMI、速報値)  53.0  
22:45   (米) 8月 総合購買担当者景気指数(PMI、速報値)  52.6   
23:00   (米) 7月 景気先行指標総合指数 [前月比]  -0.3%  0.2% 
23:00   (欧) 8月 消費者信頼感(速報値)  -6.6 


第222回
おしえて陳さん』 
http://www.sunward-t.co.jp/movies/oshiete/


*マーケットスクランブル出演
https://www.mkt-s.com/past_video/


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