*週末3日のNY外国為替市場は、米雇用統計でインフレの低迷が示され、当面利上げが棚上げされるとの見方からドル円は111円台前半に下落した。111円05~15銭。4月米雇用統計では、景気動向を反映する非農業部門就業者数が26万3000人増加し、3カ月ぶりに好調の目安とされる20万人増を上回った。また、失業率も3.6%と、49年4カ月ぶりの水準に低下し、当初はドル買いが優勢だった。しかし、インフレの先行指標として注目された平均時給は前月比0.2%増、前年同月比3.2%増といずれも市場予想に届かず、米連邦準備理事会(FRB)は当面利上げをする必要はないとの思惑が強まってドル売りに転じた。また、4月米ISM非製造業景況指数も市場予想に反して低下したことから、ドル円は一時111円08銭の安値を付けた。
CFTC建玉4月30日時点:ファンドのドル買い・円売りは9万9599枚(前週比+5185枚)と増加した。総取組高は20万3323枚と前週比3993枚の減少。
*週末3日のNY金は、ドル安を受けて反発。1281.30ドル(+9.30)。4月米雇用統計は非農業部門雇用者数が前月比26万3000人増と大幅に伸びたほか、失業率は1969年12月以来の低水準である3.6%まで低下した。平均時給の伸びは穏やかに加速しているものの、前年比+3.2%と前回から横ばいだった。 賃金上昇率が依然として加速しておらず、インフレ懸念が低下したことから、米連邦準備理事会(FRB)が利上げを急がないとの認識を裏付ける結果だったことからドルが売られた。
CFTC建玉4月30日時点:ファンドの金買い越しは6万6219枚(前週比+2万8824枚)と増加した。総取組高は43万0011枚と前週比1万0037枚の減少。
白金は反発。874.80ドル(+20.60)。米雇用統計が堅調だったことで、世界経済の不透明感が後退し、工業用需要の下振れ懸念も弱まった。ただ、自動車の触媒需要がプラチナからパラジウムへ移行していることは引き続き圧迫要因。
パラジウムは反発。1358.00(+14.80)。自動車の触媒需要拡大が期待されるなかで1300ドル台は買いが優勢。
CFTC建玉4月30日時点:ファンドの白金買い越しは3万3322枚(前週比+2242枚)と増加した。総取組高は7万5798枚と前週比521枚の増加。
*週末3日のNY原油は小反発。61.94ドル(+0.13)。4月米雇用統計が堅調だったため、景気減速に伴う石油需要の下振れ懸念が後退した。4月米雇用統計は非農業部門雇用者数が前月比26万3000人増と大幅に伸びたほか、失業率は1969年12月以来の低水準である3.6%まで低下した。米国はガソリン需要期に入っており、消費拡大が期待されている。今週の米エネルギー情報局(EIA)の週報では、ガソリン需要は前年の水準を上回って推移している。ドル安や株高も原油の支援要因。ただ、米国がイランに対する石油制裁を強化した後の供給逼迫懸念が限定的であるとの見方が重石になっている。米国はイランから原油を輸入することを制裁の対象とし、イランの原油収入を絶とうとしているが、他の産油国が増産することで供給は維持可能とみられている。サウジアラビアは、協調減産における生産枠を維持しつつ増産する見通し。
CFTC建玉4月30日時点:ファンドの原油買い越しは52万4103枚(前週比-2万3256枚)と減少。総取組高214万4648枚と前週比5435枚の増加。
*週末3日のシカゴトウモロコシは、ほぼ変わらず。370.75セント(+0.25)。降雨のため米中西部で作付けが遅れていることが支援要因。
CFTC建玉4月30日時点:ファンドのトウモロコシ売り越しは20万8292枚(前週比-3万5150枚)と減少した。総取組高は163万6675枚と前週比20万4102枚の減少。
シカゴ大豆は続落。842.25セント(-1.00)。米国産大豆の中国向け輸出をめぐる警戒感が重石。降雨によってトウモロコシの作付けが遅れている米中西部の農家が、大豆にシフトする可能性も意識された。
CFTC建玉4月30日時点:ファンドの大豆売り越しは11万8335枚(前週比-3万1835枚)と減少。総取組高は72万7156枚と前週比8万4180枚の減少。
*週末3日のNYダウは反発。2万6504.95ドル(+197.16)。4月米雇用統計は、景気動向を示す非農業部門就業者数は前月比26万3000人増と市場予想の18万5000人増を大幅に上回った。失業率も3.6%と49年4カ月ぶりの低水準を記録。物価上昇の先行指標として注目される平均時給が前月比0.2%増と市場予想の0.3%増を下回ったことも好感された。米景気が堅調さを維持する一方、インフレの圧力は弱いために連邦準備制度理事会(FRB)の利上げは見送られるとの期待が広がった。米景気の先行きに対する楽観的な見方も強まって、株式相場は買いが優勢となった。