テクニカルマイスター

商品、為替、株式相場を,ファンダメンタルズとテクニカルから思いつくままに分析。

2月26日(火)
【2月25日の海外相場および市況】
ny0225

*週明け25日のNY外国為替市場では、米中貿易交渉の行方に楽観的な見方が広がり、ドル買いが優勢となり、111円台前半に上昇した。111円01〜11銭。トランプ大統領は24日夕、4日間にわたる中国との閣僚級貿易協議の終了に伴い、「知的財産権保護などの構造的な問題で大きな進展が見られた」とツイート。その上で、3月2日に予定していた対中制裁関税引き上げの先送りなどに言及し、習近平国家主席と直接会談する考えも明らかにした。これを受けて世界的に株価が上昇し、ドル円も一時111円24銭まで上昇した。ただ、トランプ大統領が25日のホワイトハウスの会合で、今後の貿易協議の進展に楽観的な見方を示す一方、最終合意に至らない可能性もあると警告したとの報も流れたため、次第にドル買いは弱まった。また、翌26、27日にはパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長による議会証言が予定されていることから111円近辺で動きにくくなった。

*週明け25日のNY金は小幅反落。1329.50ドル(-3.30)。トランプ大統領は24日、中国との貿易協議で知的財産権の侵害問題などに進展が見られたと評価した上で、3月1日に設定されている交渉期限を延長する意向をツイッターに投稿した。これを受け、米中貿易協議が妥結に向けて前進しているとの見方が広がったことから、NYダウが続伸し、安全資産である金は売られた。ドルが対ユーロで反発したため、ドル建て金に割高感が生じたことも売り要因となった。ただ、26、27両日にはパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長による議会証言が予定されており、次第に様子見が強まった。

NY白金は続伸し3カ月ぶりの高値をつけた。853.60ドル(+7.70)。南アフリカ鉱業会議所によると、少なくとも15社の鉱山会社が来週のスト予告通知を受け取っているようで、供給懸念が拡大しているという。

パラジウムは最高値更新。1496.50ドル(+4.30)。

*週明け25日のNY原油は、トランプ大統領による石油輸出国機構(OPEC)への牽制発言を受けて大幅反落した。55.48ドル(-1.78)。トランプ大統領は25日、「原油価格は高くなり過ぎている。OPECはどうかリラックスして落ち着いてほしい。世界は価格の上昇を受け止められない」とツイート。OPEC主導の協調減産を事実上牽制したことから、売りが強まった。前週末には約3カ月ぶりの高値を付けていたこともあり、反動から利益確定売りも出やすかったようだ。

*週明け25日のシカゴトウモロコシは反落。380.00セント(-4.50)。米中貿易協議に関する報を引き続き注視しており、中国政府による大規模な米国産穀物の購入が最終合意に含まれる可能性があると期待している。

シカゴ大豆は反発。925.00セント(+1.25)。米中貿易協議の合意期待や中国政府が米国産大豆の輸入を増やすと明言したことが支援材料になった。ただ、上昇幅は、小麦相場安の影響や供給増への懸念でほぼ相殺された。今後数週間に南米では収穫が加速する。アルゼンチンの主要産地では、収穫期が近づく中、高温と乾燥の後の降雨により豊作が見込まれているという。

*週明け25日のNYダウは、トランプ大統領が3月2日に予定する対中制裁関税引き上げの先送りを表明したことを好感し、続伸した。2万6091.95ドル(+60.14)。米中両国は24日、ワシントンでの4日間の閣僚級貿易協議を終了した。トランプ大統
領はツイッターへの投稿で「知財権保護、技術移転の強要、農業、サービス、為替といった構造的な問題で大きな進展が見られた」と評価。3月1日に設定した交渉期限を「遅らせるだろう」と表明した。交渉期限の延長に伴って中国からの輸入品2000億ドル相当に対する追加関税の10%から25%への引き上げは保留される。25日には大統領は両国の立場は「とても、とても近づいている」とも強調した。米中貿易協議が合意に向かうとの期待からダウは一時200ドル超上昇した。ただ、取引終盤にかけて上値を削った。米中貿易協議の延長はほぼ織り込まれていたようで、一段高となるには新たな買い材料が必要と見られたようだ。


【26日の経済指標】
16:00   (独) 3月 GFK消費者信頼感調査  10.8   
19:00   (英) カーニー英中銀(BOE)総裁、発言 
22:30   (米) 12月 住宅着工件数 [年率換算件数]  125.6万件  124.5万件 
22:30   (米) 12月 住宅着工件数 [前月比]  3.2%  -0.5% 
22:30   (米) 12月 建設許可件数 [年率換算件数]  132.2万件  128.0万件
23:00   (米) 10-12月期 四半期住宅価格指数 [前期比]  1.3%
23:00   (米) 12月 住宅価格指数 [前月比]  0.4%   
23:00   (米) 12月 ケース・シラー米住宅価格指数  213.66  
24:00   (米) 2月 消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード)  120.2  122.8 
24:00   (米) 2月 リッチモンド連銀製造業指数  -2  ― 
24:00   (米) パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、発言 


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2月25日(月)
【2月22日の海外相場および市況】
ny0221

*週末22日のNY外国為替市場では、米中貿易協議の進展を見極めようと様子見が広がり、110円台後半で小動きとなった。110円63~73銭。米中両政府は前日に続き、閣僚級貿易協議を開催。当初の予定から2日間延長し、24日まで続ける方針を決めた。また、トランプ大統領はこの日、劉鶴副首相と会談。習近平国家主席との首脳会談を3月開催の方向で調整していることも明らかにした。ただ、交渉がどの程度進展しているかどうかは依然不透明で、協議継続の行方を見極めようとの様子姿勢が強まった。一方、FRBはこの日、半期ごとに連邦議会に提出する金融政策報告書を公表。その中で「昨年7月以降、今後数年先の金利の方向性が低下した」と指摘し、利上げ停止が長期化する可能性に言及した。これを受け、ドルに対して幾分売り圧力がかかった。

トランプ大統領は24日、週末の米中通商協議で「大きな進展」があったとし、中国製品に対する関税の引き上げを延期すると表明した。関税引き上げは3月2日に予定されていた。トランプ大統領と習近平中国国家主席の首脳会談が3月に開催される方向で調整していることが明らかになった。

*週末22日のNY金は上昇。1322.80ドル(+5.00)。米国の低調な経済指標や米中通商摩擦解決への期待を受けてドルが弱含んだほか、世界の経済見通し悪化への懸念が強材料だった。

*白金は南アフリカのストを懸念して上昇。845.90ドル(+19.60)。南アフリカ鉱業会議所は22日、少なくとも鉱業会社15社が来週のスト予告通知を受け取ったと明らかにした。同国大手シバンエ・スティルウオーターの労働者は賃金問題と人員削減に抗議するストを実施しており、これを支援する動きという。鉱山労働者・建設組合連合(AMCU)は昨年11月半ば以降、シバンエの産金部門でストを続けており、シバンエの白金部門やAMCUの労働者が所属する他のすべての鉱山に拡大することを計画している。ストの可能性があるのは、アングロゴールド・アシャンティ、ハーモニー・ゴールド、アングロ・アメリカン・プラチナム、ロンミンなど。

*週末22日のNY原油は小反発。57.26ドル(+0.30)。昨年11月半ば以来の高値を付けた。米中貿易問題で両国が合意に至るとの期待感が支援材料になったが、過去最高の米産油量が上値を抑えた。米エネルギー情報局(EIA)によると、最新週の米原油在庫は5週連続増加し、2017年10月以来の高水準に達した。また産油量は日量1200万バレルと、過去最高を記録した。米石油サービス会社ベーカー・ヒューズが22日発表した統計によると、同日までの1週間の国内石油掘削リグ稼働数は前週比4基減の853基。

*週末22日のシカゴトウモロコシは軟化。375.25セント(-0.25)。米中貿易協議をめぐる新たなニュース待ち。トランプ大統領は22日、習近平・中国国家主席と近く会談することを期待していると発言。習主席と詰めの協議を行う意向を示した。市場は、貿易協議進展の一環として、中国が米国産トウモロコシ購入で合意することを期待し、中国の購入が実際に行われたのを確認することも望んでいるという。
シカゴ大豆は反落。910.25セント(-0.75)。世界の市場における輸出競争激化に対する懸念に押された。米農務省が公表した2月22日までの6週間の米国産大豆輸出成約高は691万トンで、予想レンジ(610万~960万トン)の下限近くにとどまった。米国産は、アルゼンチンやウクライナなど主要生産国と輸出販売での競争に直面している。米中貿易摩擦の影響で、中国からの需要も不透明。

*週末22日のNYダウは反発。2万6031.81ドル(+181.18)。昨年11月8日以来約3カ月半ぶりに2万6000ドルの大台を回復して終了した。
トランプ大統領はこの日、貿易協議の決着を図るため、中国の習近平国家主席と3月に会談する方向で調整していると表明。3月1日としてきた交渉期限を延長する可能性も示唆した。市場では両国が貿易摩擦の緩和に向けて歩み寄るとの期待が広がり、一時202ドル高まで値を上げた。またCNBCテレビは、中国が貿易協議で、巨額の対米黒字解消に向けて最大1兆2000億ドル(約133兆円)の米国製品の購入を提案していると報道。輸出が増えるとの思惑から、中国との取引が多い銘柄に買いが入った。一方、ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表が「貿易協議で幾つかの重要な課題はなお残っている」と発言したため、上値を削った。


【25日の経済指標】
06:45   (NZ) 10-12月期 四半期小売売上高指数 [前期比]  0.0%  ― 
08:50   (日) 1月 企業向けサービス価格指数 [前年同月比]  1.1%  ― 
14:00   (日) 12月 景気先行指数(CI)・改定値  97.9  ― 
14:00   (日) 12月 景気一致指数(CI)・改定値  102.3  ― 
23:00   (墨) 10-12月期 四半期国内総生産(GDP、確定値) [前期比]  0.3%
23:00   (墨) 10-12月期 四半期国内総生産(GDP、確定値) [前年同期比]  1.8% 
24:00   (米) 12月 卸売在庫 [前月比]  0.3%  0.2% 
24:00   (米) 12月 卸売売上高 [前月比]  -0.6% 

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2月22日(金)
【2月21日の海外相場および市況】
ny0221


*21日のNY外国為替市場では、さえない米経済指標を受けてドル売り・円買いとなり、110円台後半に軟化した。110円66〜76銭。2018年12月米耐久財受注は前月比1.2%増と弱めとなった。設備投資の先行指標となる航空機を除いた非国防資本財受注が前月比でマイナスとなり、市場予想を下回った。2月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数も前月から低下。低調な米経済指標を受けて、一時110円56銭まで下落した。ただ、NYだうが下げ幅を縮めるとドルは買い戻された。

*21日のNY金は、利食い売りが優勢となり4営業日ぶりに反落した。1327.80ドル(-20.10)。約10カ月ぶりの高値水準を推移していた反動から、この日は利食い売りが先行。また、米連邦準備制度理事会(FRB)が前日午後に発表した連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を受けて、年内の追加利上げ観測が強まっていることも、金利を生まない資産である金相場には圧迫材料となった。FOMC要旨では複数の参加者が「景気が想定通りであれば年内の利上げが適切」との見方を示していたことが判明した。FRBの政策スタンスがこれまで考えられていたほどハト派的ではないことを示唆する内容と受け止められた。年内に少なくともあと1回利上げがあるとの見方が浮上した。

NY白金は4日ぶりに反落。826.30ドル(-7.90)。

*21日のNY原油は、米国の原油在庫の増加が明らかになり、7営業日ぶりに反落した。56.96ドル(-0.20)。米エネルギー情報局(EIA)が発表した15日までの1週間の米原油在庫は前週比370万バレル増の4億5450万バレルと、2017年10月以来の高水準に達した。増加は5週連続。産油量が過去最高となる一方、製油所稼働率が定期点検の影響で低水準にとどまったことが要因。原油在庫の増加分のうち、受け渡し地点である米オクラホマ州クッシングの増加が340万バレルを占めた。ただ、ガソリン在庫が150万バレル減(市場予想は40万バレル減)、ディスティレート(留出油)在庫も150万バレル減(同170万バレル減)なりと、いずれも取り崩しだったため、安値では買戻しが入った。石油輸出国機構(OPEC)主導による協調減産効果への期待に加え、米国によるベネズエラとイランへの経済制裁がもたらす供給不安が下値を支えたようだ。OPEC加盟国のナイジェリアは20日、1月の国内産油量の増加を受けて減産の用意があることを表明した。

*21日のシカゴトウモロコシは続伸。375.50セント(+4.75)。堅調な小麦物相場に加え、米中貿易協議で貿易戦争を終わらせる合意の概要が出始めた事が好感された。米農務省は21日、2019〜20年度の米国産トウモロコシの作付面積が前年度(8910万エーカー)を上回る9200万エーカーになるとの予測を公表した。事前予想は9150万エーカー。

シカゴ大豆は続伸。911.00セント(+8.50)。米農務省が示した今春の大豆作付面積予測が事前予想を下回ったことが強材料。米農務省は21日、2019〜20年度の米国産大豆の作付面積が8500万エーカーになるとの予測を公表した。前年度の8920万エーカーを下回る。事前予想は8610万エーカー。

*21日のNYダウは、低調な経済指標を嫌気し、4営業日ぶりに反落した。2万5850.63ドル(-103.81)。昨年12月米耐久財受注統計では、設備投資の先行指標となる航空機を除いた非国防資本財受注が、市場予想に反して前月比マイナスとなった。フィラデルフィア連銀製造業景況指数も、前月や市場予想を下回った。低調な指標を嫌気し、売りが優勢となった。米企業の決算発表がほぼ終わり、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨も前日に公開され、材料出尽くし感から利益確定の売りが出やすかったようだ。米中両政府はこの日から2日間、ワシントンで閣僚級貿易協議を実施。貿易摩擦緩和に向け双方が歩み寄ることへの期待から、株価の下値は限られた。ただ、中国が構造改革で大幅譲歩するのは難しいとの見方もあり、市場の想定を上回るような合意内容が出なければ、株価の上昇も限定的と見られている。


【22日の経済指標】
08:30   (日) 1月 全国消費者物価指数(CPI) [前年同月比]  0.3%   
08:30   (日) 1月 全国消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く) [前年同月比]  0.7%
08:30   (日) 1月 全国消費者物価指数(CPI、生鮮食料品・エネルギー除く) [前年同月比]  0.3%   
16:00   (独) 10-12月期 国内総生産(GDP、改定値) [前期比]  0.0%   
16:00   (独) 10-12月期 国内総生産(GDP、改定値) [前年同期比]  0.6%   
16:00   (独) 10-12月期 国内総生産(GDP、改定値、季調前) [前年同期比]  0.9%
18:00   (独) 2月 IFO企業景況感指数  99.1   
19:00   (欧) 1月 消費者物価指数(HICPコア指数、改定値) [前年同月比]  1.1%
19:00   (欧) 1月 消費者物価指数(HICP、改定値) [前年同月比]  1.4% 
24:30   (欧) ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁、発言 

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2月21日(木)
【2月20日の海外相場および市況】
ny0220

*20日のNY外国為替市場では、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨の発表を受けて年内の追加利上げ観測が強まったことから、円売り・ドル買いが優勢となり、110円台後半に下落した。110円82〜92銭。午前は主要な米経済指標の発表がなく、FOMC議事要旨の発表に対する警戒感からドル売りが先行。しかし、午後に議事要旨が公表されると、ドルに買い戻しが入った。1月のFOMCでは、米連邦準備制度理事会(FRB)が今後の利上げを「忍耐強く」判断する方針を決定したが、発表された議事要旨では、複数の参加者が「年内の利上げは適切」と主張していたことが明らかになり、少なくとも1回は利上げの可能性があるとの解釈が広がったようだ。ただ、資産圧縮策に関しては「年内停止の計画を近く公表することが望ましい」との見解でおおむね一致していたことも判明したことから、ドル買い戻しの動きも抑えられた。

*20日のNY金は、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨の公表を控えて小幅高となった。1347.90ドル(+3.10)。1月開催分のFOMC議事要旨の公表待ちで様子見となった。1月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で米連邦準備制度理事会(FRB)は政策金利を据え置き、景気減速リスクを踏まえて追加利上げ休止の可能性を示唆した。FRBの政策運営姿勢がハト派方向に転じたことが、金利を生まない資産である金を押し上げてきた。

1月FOMC議事要旨では、米国の経済と雇用が引き続き強いとの認識が示された。これを受け、年内に少なくとも、あと1回は利上げが行われるとの見方が出て、金現物は発表直後に0.3%下落。ドル相場は小高くなった。FRB当局者らは、政策金利の判断で「忍耐強く」対応する期間がどの程度になるのかに関して、ほとんど見解を示さなかった。

NY白金は3日続伸。834.20ドル(+13.20)。

*20日のNY原油は、石油輸出国機構(OPEC)主導の協調減産効果や米中貿易協議の進展に対する期待感から買われ、6営業日続伸した。56.92ドル(+0.83)。昨年11月12日以来約3カ月ぶりの高値を更新した。OPEC主導の協調減産がもたらす需給均衡への期待や、米国によるイランとベネズエラへの経済制裁に伴う供給不安が相場をサポートした。また、米中貿易協議が妥結に向けて前進するとの期待も強材料。米中両政府がワシントンで今週再開した通商協議は、2日間の次官級折衝を経て閣僚級に移行する予定。トランプ大統領は前日、3月1日に設定している交渉期限を延長する可能性も示唆しており、協議継続で貿易戦争が終息に向かうとの期待が広がっていることから、両国のエネルギー需要の先行き懸念が後退した。また、サウジアラビアのファリハ・エネルギー産業鉱物資源相は20日、4月までに原油市場が均衡化することを望むと表明。世界的な減産合意に対する意思に揺るぎはないとの見方も示した。需給均衡への期待が膨らんだことも相場には追い風となった。 ただ、米国での原油在庫増の見方が重石となった。

米石油協会(API)が20日公表した統計によると、15日までの1週間の国内原油在庫は、前週比130万バレル増の4億4850万バレルとなった。予想は310万バレル増だった。原油受け渡し拠点のオクラホマ州クッシングの在庫は320万バレル増だった。ガソリン在庫は160万バレル減。予想は35万バレル減だった。ディーゼル油とヒーティングオイルを含むディスティレート(留出油)在庫は75万8000バレル減。予想は170万バレル減だった。原油輸入量は日量36万9000バレル増の700万バレル。

*20日のシカゴトウモロコシは上昇。370.75セント(+1.00)。米中貿易協議の行方を見極めようと様子見が広がった。

シカゴ大豆は反発。902.50セント(+1.75)。農業調査会社がブラジルの今年の大豆輸出見通しを下方修正した。

*20日のNYダウは、米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨でほぼ全ての参加者が保有資産圧縮策の年内終了が好ましいとの考えを示していたことが好感され、3営業日続伸した。2万5954.44ドル(+63.12)。米連邦準備制度理事会(FRB)によるFOMC議事要旨(1月29、30日開催分)の公表を午後に控え、前半は様子見姿勢が強かった。1月会合議事要旨によると、参加者は金融危機後の量的緩和で脹らんだ保有資産の圧縮策について「年内停止の計画を近く公表することが望ましい」との見解でおおむね一致。想定よりも早い圧縮策の終了は、株式市場にとって追い風になるとの期待感が広がった。ただ要旨では、複数の参加者は景気が想定通りであれば「年内の利上げは適切」と考えていたことも判明。利上げ打ち止めの臆測が広がっていた市場では、もしかしたら年内1回の利上げがあるかもしれないとの警戒感が浮上して、上値は抑えられた。一方、米中両政府による貿易協議の進展への期待は継続し、相場の支えとなった。トランプ大統領は前日に「話し合いはとても複雑だが、非常に順調に進んでいる」と楽観的な
見通しを示していた。


【20日の経済指標】
06:45   (NZ) 10-12月期 四半期卸売物価指数(PPI) [前期比]  1.5%   
08:50   (日) 1月 貿易統計(通関ベース、季調前)  -567億円 
08:50   (日) 1月 貿易統計(通関ベース、季調済)  -1836億円   
16:00   (独) 1月 生産者物価指数(PPI) [前月比]  -0.4%  
17:00   (南ア) 1月 消費者物価指数(CPI) [前月比]  -0.2%   
17:00   (南ア) 1月 消費者物価指数(CPI) [前年同月比]  4.5%   
21:00   (米) MBA住宅ローン申請指数 [前週比]  
24:00   (欧) 2月 消費者信頼感(速報値)  -7.9   
28:00   (米) 米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨

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2月20日(水)
【2月19日の海外相場および市況】

*3連休明け19日のNY外国為替市場のドル円相場は、米中貿易協議の行方に注目が集まる中、110円台後半で小動き。110円55~65銭。日銀の黒田総裁はこの日の衆院財務金融委員会で、「日米の金利差が縮んで円高になり、経済に何らかの影響が出て、2%の物価目標達成のために必要になれば、追加緩和も検討して

いく」と発言。これを受けて、東京時間には円売り・ドル買いが進んだ。NY市場もこの流れを引き継いだが、その後は米中両政府による貿易協議の行方を見極めたいとの思惑が広がり、110円台後半を中心に小幅レンジでの取引となった。米中はこの日から2日間の日程でワシントンで次官級貿易協議を開始。21、22日には閣僚級協議が予定されており、貿易摩擦緩和に向けて具体的な成果を打ち出せるかどうかに注目が集まっている。


*3連休明け19日のNY金は、ドル安と世界経済めぐる警戒感から続伸。1344.80ドル(+22.70)。10カ月ぶりの高値を付けた。米中貿易協議の進展に対する楽観的な見方を背景に、ドルが先週付けた2カ月ぶりの高値から軟化した。日銀や欧州中央銀行(ECB)からハト派的なコメントが出たことで、世界経済の成長減速が懸念された。市場は、年内の米国の利上げの道筋に関する手掛かりを得るため、20日に発表される米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨を精査したい意向。

白金はパラジウムに連れて上昇。821.00ドル(+14.10)。パラジウムは大幅な供給不足を背景に上昇し、一時1491ドルと過去最高値を更新した。英貴金属製錬大手ジョンソン・マッセイは先週、排ガス規制の強化で触媒コンバーターの需要が増えているため、パラジウムの供給不足が今後拡大する公算が大きいとの見方を示した。


*3連休明け19日のNY原油は小幅続伸。56.09ドル(+0.50)。需要をめぐる不安や米中貿易協議をめぐる先行き不透明感がある一方で、供給に関して楽観的な見方が下値を支えた。ベネズエラ産原油に対する米政府の制裁がWTIの支援材料になっている。ベネズエラは米国向けサワー原油の最大供給国。米中貿易協議は19日にワシントンで再開され、今週後半には閣僚級協議が行われる。協議結果待ちの状態。石油輸出国機構(OPEC)は先週、19年の世界石油需要の伸びについて、予想を日量124万バレルに下方修正した。


*3連休明け19日のシカゴトウモロコシは2カ月超ぶりの安値に下落。369.75セント。(-5.00)。一時2018年11月28日以来の安値となる369.00セントを付けた。米農務省が発表した週間輸出検証高(8~14日)によると、米国産トウモロコシは94万1811トンと、市場予想(80万~105万トン)の範囲内だった。ただ、今春の米国産大豆の作付面積をめぐる懸念が弱材料になった。

シカゴ大豆は反落。900.75セント(-6.75)。米中貿易協議に注目が集まる中、米農務省が今週2019年の作付け見通しを発表するのを前に、トレーダーが手じまい売りを出した。


*3連休明け19日のNYダウは、良好な決算を発表した小売り大手ウォルマートなどが買われ、小幅続伸した。2万5891.32ドル(+8.07)。ウォルマートが朝方発表した2018年11月~19年1月期(第4四半期)決算は、主力の米国で既存店売上高が4.2%増と高い伸びを示した。成長分野とされるオンライン販売も43%増と好調だった。好決算を受けて他の小売株や消費関連株が連れ高となった。米中両政府は19日、ワシントンで2日間の日程で次官級の貿易協議を開始。21、22日に予定される閣僚級協議を前に、知的財産権侵害など中国の構造問題で詰めの議論を行う。トランプ大統領は3月1日の交渉期限について「魔法の日」ではないと発言。市場では協議延長の可能性を示唆したと受け止められ、制裁関税の早期発動はないとの安心感が広がった。一方、米中協議の先行き不透明感や、1月の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨の公開を翌日に控えて上値は抑えられた。


【20日の経済指標】
06:45   (NZ) 10-12月期 四半期卸売物価指数(PPI) [前期比]  1.5%   
08:50   (日) 1月 貿易統計(通関ベース、季調前)  -567億円 
08:50   (日) 1月 貿易統計(通関ベース、季調済)  -1836億円   
16:00   (独) 1月 生産者物価指数(PPI) [前月比]  -0.4%  
17:00   (南ア) 1月 消費者物価指数(CPI) [前月比]  -0.2%   
17:00   (南ア) 1月 消費者物価指数(CPI) [前年同月比]  4.5%   
21:00   (米) MBA住宅ローン申請指数 [前週比]  
24:00   (欧) 2月 消費者信頼感(速報値)  -7.9   
28:00   (米) 米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨

第200回 『おしえて陳さん』 
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