テクニカルマイスター

商品、為替、株式相場を,ファンダメンタルズとテクニカルから思いつくままに分析。

12月6日(木)
【12月5日の海外相場および市況】
ny1205

*5日のNY外国為替市場は、米中貿易摩擦に対する過度の懸念が後退する中で円売り・ドル買いが優勢となり、ドル円は113円台前半に上昇した。113円14〜24銭。トランプ米大統領は5日朝、先の米中首脳会談で開始を決めた貿易協議に関連し、「中国は米国産の大豆と液化天然ガス(LNG)の輸入を再開する準備を始めた」とツイッターに投稿した。これを受けて、前日に再燃した米中通商協議の行方に対する過度の懸念が後退し、安全通貨である円を売ってドルを買う動きが強まった。ただ、この日はブッシュ(父)元大統領の「国民追悼の日」に伴い、株式や債券市場が休場のため、狭いレンジで小動きとなった。

*5日のNY金は、前日の続伸を受けた利益確定の売りが優勢となり、反落した。1242.60ドル(-4.00)。前日の金塊相場は、米中貿易摩擦に対する警戒感が再燃する中で買い進まれ、約4カ月半ぶりの高値を更新した。この日はその反動から利益確定の売りが優勢となった。また、12月18、19両日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げが決定されるとの観測が広がっていることも、金利を生まない資産である金には売り圧力となった。この日は、故ブッシュ(父)元大統領の「国民追悼の日」で株式・債券市場が休場となったため、相場の値動きも限定的だった。

NY連銀のウィリアムズ総裁の発言を受けて、一段の利上げ観測が高まったことも金売り要因となった。ウィリアムズ総裁は、金融市場の潜在的なリスクに注意を払うとしながらも、「来年かそこらを通じて」利上げ継続を予想すべきだとの認識を示した。

*NY白金は続落。802.00ドル(-2.20)。

*5日のNY原油は、翌6日の石油輸出国機構(OPEC)総会で協調減産が決定されるとの見通しや対ユーロでのドル安進行などを背景に買いが先行したものの、利益確定売りが出て3営業日ぶりに反落した。52.89ドル(-0.36)。OPEC加盟国とロシアなど非加盟の産油国はこの日、翌6日の定例総会に先立ち、ウィーンで閣僚級会合を開催。有力産油国が協調減産に乗り出すことで一致したと伝えられた。しかし、減産幅など最終的な合意内容については依然不透明であることから、買いも限定的となった。トランプ米大統領は減産しないよう圧力をかけている。11月のサウジの産油量は日量1130万バレルと、前月の1065万バレルから増加した。

この日予定されていた米エネルギー情報局(EIA)による週間在庫統計の発表は、ブッシュ(父)元大統領の「国民追悼の日」に伴い、翌日に延期。ロイター通信の調査(4日公表)によると、11月30日までの1週間の米原油在庫は前週比90万バレル減となる見通しで、やや支援要因となった。

引け後に発表された米石油協会(API)による米週間石油在庫統計では、原油在庫の増加が判明した。電子取引はー0.29ドルの52.59ドルで推移している。

*5日のシカゴトウモロコシは小反落。384.25セント(-0.50)。中国が先週末に米国と貿易戦争の「一時休戦」で合意したことが好感された。

シカゴ大豆は4日続伸。913.50セント(+1.75)。米国と中国が先週末に貿易戦争の「一時休戦」で合意したことを受けて、中国向けの大豆輸出が再開するとの期待感が支援材料になった。

*5日のNY株式市場は休場。


【6日の経済指標】
08:50   (日) 前週分 対外対内証券売買契約等の状況(対外中長期債)  -7364億円   
08:50   (日) 前週分 対外対内証券売買契約等の状況(対内株式)  -1950億円   
09:30   (豪) 10月 貿易収支  30.17億豪ドル   
09:30   (豪) 10月 小売売上高 [前月比]  0.2%   
16:00   (独) 10月 製造業新規受注 [前月比]  0.3%   
16:00   (独) 10月 製造業新規受注 [前年同月比]  -2.2%   
21:30   (米) 11月 チャレンジャー人員削減数 [前年比]  153.6%   
22:30   (米) 10月 貿易収支  -540億ドル  -540億ドル 
22:30   (米) 前週分 新規失業保険申請件数
22:30   (米) 前週分 失業保険継続受給者数  
24:00   (加) 11月 Ivey購買部協会指数  61.8   
24:00   (米) 10月 製造業新規受注 [前月比]  0.7%  -2.0% 

第191回 『おしえて陳さん』 
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【12月5日(水)国内終値】
tk1205

12月5日(水)
【12月4日の海外相場および市況】
ny1204

*4日のNY外国為替市場では、米中通商摩擦の行方やNYダウの大幅下落に警戒感が広がり、安全資産である円が買われ、ドル円は112円台後半に下落した。112円73~83銭。トランプ米大統領と習近平中国国家主席は1日の直接会談で、貿易戦争の「一時休戦」で合意したが、今後の通商協議は極めて難航するのではないかとの懸念が台頭した。トランプ大統領が4日「私はタリフマン(関税の男)だ」とツイートし、貿易摩擦の解消に向けた中国との交渉が決裂すれば、対中関税を拡大することを改めて示唆したことから、米株が大幅下落し、債券買いが活発化して長期金利が低下したため、ドル売りが強まった。さらに、債券市場ではイールドカーブ(利回り曲線)のフラット化が進行。米景気減速の兆候を示している恐れがあるとの警戒感が浮上したことも、ドル売り要因となった。市場では「米景気の減速を織り込み始めたのではないか」との見方が広まった。

*4日のNY金は、市場のリスク回避姿勢が強まる中、安全資産としての金買いが優勢となり、続伸した。1246.60ドル(+7.00)。7月12日以来約4カ月半ぶりの高値を更新した。トランプ米大統領と習近平中国国家主席は週末の首脳会談で貿易戦争の「一時休戦」で合意したものの、今後の通商協議は難航するのではないかとの懸念が浮上。トランプ米大統領がこの日「私はタリフマン(関税の男)だ」とツイートし、貿易摩擦の解消に向けた中国との交渉が決裂すれば、対中関税を拡大することを改めて示唆したことから、リスク回避姿勢が強まり、米株価が下げ幅を拡大する中、安全資産とされる金には「質への逃避」買いが入った。市場は、米連邦準備制度理事会(FRB)が18、19の両日開く米連邦公開市場委員会(FOMC)で示唆するとみられる来年の金利動向の行方に注目している。

NY白金は反落。804.20ドル(-6.50)

*4日のNY原油は、石油輸出国機構(OPEC)加盟・非加盟国による協調減産を巡って続伸した。53.25ドル。(+0.30)。OPECは6日にウィーンで定例総会を開くが、OPEC加盟・非加盟国は少なくとも日量130万バレル規模の減産合意を目指しているもよう。減産合意に向けた動きを受け、一時54.55ドルまで上昇した。ただ、OPEC非加盟のロシアが大幅減産には抵抗しているとみられ、協調減産の合意を取り付ける調整が難航するとの懸念も強く、上げ幅は縮小した。OPECの盟主サウジアラビアのファリハ・エネルギー産業鉱物資源相は4日、OPECと非加盟国が協調減産するかどうか述べるのは時期尚早だと発言。また、カタールが来年1月にOPECから脱退することを表明しているほか、産油量が低迷するイランの政府高官も「増産してきた国が率先して減産すべきだ」と主張しているとの報も流れており、OPEC内で足並みの乱れが浮き彫りとなっている。米中通商交渉の行方に警戒感が広がる中、NYダウも下落が強まり、同じリスク資産である原油相場の重石となった。

*4日のシカゴトウモロコシは続伸。384.75セント(+2.75)。先週末の米中首脳会談で、中国が米国産農産物の輸入拡大を約束したことから、新たな需要への期待で買いが入った。

シカゴ大豆は続伸。911.75セント(+6.00)。先週末の米中首脳会談を受け、中国が米国産大豆の輸入を近く再開するとの期待で買われた。ただ、ブラジル産大豆の豊作期待に上値を抑えられた。調査会社セレレスは4日、2018〜19年度のブラジル産大豆生産量が1億2300万〜1億3000万トンと、過去最高を記録する可能性があるとの予想を明らかにした。

*4日のNYダウは、米中貿易摩擦の行方や米景気の減速に警戒感が広がる中、大幅反落した。2万5027.07ドル(-799.36)。米中貿易戦争が「一時休戦」となった安心感から前日は大幅高となったが、この日は反動の利益確定売りが優勢となった。トランプ米大統領が「私はタリフマン(関税の男)だ」などとツイートし、貿易摩擦解消の向けた対中協議が不調に終われば、追加関税も辞さない構えを改めて示したことも、重石となった。午後に入ると、前週末に3%を割り込んだ米10年債利回りが一段と低下。債券市場が将来の景気減速を織り込み始めた兆候とされるイールドカーブ(利回り曲線)のフラット化が進む中、米経済の先行きに警戒感が広がったことから幅広い銘柄で売りが加速し、ダウは一時、818ドルまで下げ幅を拡大した。


【5日の経済指標】
09:30   (豪) 7-9月期 四半期国内総生産(GDP) [前期比]  0.9%   
09:30   (豪) 7-9月期 四半期国内総生産(GDP) [前年同期比]  3.4%   
10:45   (中) 11月 Caixinサービス部門購買担当者景気指数(PMI)  50.8  50.8 
17:55   (独) 11月 サービス部門購買担当者景気指数(PMI、改定値)  53.3   
18:00   (欧) 11月 サービス部門購買担当者景気指数(PMI、改定値)  53.1   
18:30   (英) 11月 サービス部門購買担当者景気指数(PMI)  52.2   
19:00   (欧) 10月 小売売上高 [前月比]  0.0%   
19:00   (欧) 10月 小売売上高 [前年同月比]  0.8%   
21:00   (米) MBA住宅ローン申請指数 [前週比]  5.5%   
22:15   (米) 11月 ADP雇用統計 [前月比]  22.7万人  20.5万人 
22:30   (米) 7-9月期 四半期非農業部門労働生産性・改定値 [前期比]  2.2%  2.4% 
23:45   (米) 11月 サービス部門購買担当者景気指数(PMI、改定値)  54.4  
23:45   (米) 11月 総合購買担当者景気指数(PMI、改定値)  54.4  
24:00   (加) カナダ銀行 政策金利  1.75%  1.75% 
24:00   (米) 11月 ISM非製造業景況指数(総合)  60.3  59.3 
24:15   (米) パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、発言 
28:00   (米) 米地区連銀経済報告(ベージュブック) 

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【12月4日(火)国内終値】
tk1204

【メキシコペソ円、先週の動き・今週の予想】
*先週のメキシコペソ円は小動きだった。メキシコのロペスオブラドール次期政権は26日、南東部ユカタン半島のリゾート地、カンクンを起点とした観光鉄道の敷設などを巡り24~25日に実施した国民への「意見調査」の結果を発表した。観光鉄道をはじめとした次期政権の掲げる10の優先計画はすべておおむね9割程度の賛成票を得た。27日に発表した10月の失業率は、季節調整済みで3.2%だった。新NAFTA協定署名と新大統領就任を控えて様子見が強まった。

米国、カナダ、メキシコの3カ国は、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスで30日、北米自由貿易協定(NAFTA)を改定した新協定に署名した。署名により協定内容が確定し、全加盟国の議会承認を経て発効する。NAFTAの抜本改定は1994年の協定発効以来、24年ぶり。新たな協定の名称は「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」。自動車の対米輸出に数量規制を設けたり、不当な通貨安誘導を禁じた為替条項を盛り込んだりと、管理貿易の色彩も強い。

*今週のメキシコペソ円は、堅調に推移しそうだ。「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」が署名された。NAFTA見直しはトランプ大統領が通商政策で掲げた優先課題の一つだが、米国の議会承認に向けた先行きは不透明。先の中間選挙で下院の多数派を獲得した野党・民主党から協定の修正を求める声が出ている。環境と労働者の保護が不十分だと訴えており、来年1月に招集される新議会で審議することになれば難航する可能性がある。メキシコで1日、左派の元メキシコ市長アンドレス・ロペスオブラドール氏(65)が大統領に就任した。任期は6年。

同氏は3度目の挑戦となった7月1日の大統領選で、5割を超える票を得て圧勝した。経済運営では、法的根拠のない「国民への意見調査」で建設中の新空港工事の中止を表明するなど混乱を招く政策や政治手法で市場や経済界からは懸念が出ている。

一方、就任演説では「これから始まる変革は秩序正しく平和的だが、同時に急進的なものになる。メキシコの再生を妨げる腐敗と犯罪の不処罰に終止符を打つ」と強調。政官界に深く根差した腐敗構造にメスを入れるとともに、最悪水準の治安の改善に取り組む決意を明らかにした。また、汚職撲滅で無駄を省くことにより、財政を再建する考えを表明。増税などは行わない方針も改めて示した。

新政権が大衆迎合的との懸念もあるが、メキシコのエレーラ次期副財務相は日、2019年の経済成長率は2%強、為替相場は1ドル=20ペソ前後との見通しを明らかにした。また、2019年予算案はほぼ準備ができているとした。また、ウルスア次期財務相は、財政黒字の拡大を目指す意向を明言するとともに、中央銀行の新たな副総裁を発表した。主要株価指数が2014年以来の安値水準に落ち込んだことを受け、市場の信頼回復を図る。ウルスラ氏は、基礎的財政黒字の国内総生産(GDP)比を、2018年推計の0.7%から来年は1.0%前後まで引き上げる方針を示した。現実路線に則した経済運営を行う可能性が高く、ペソは堅調に推移しよう。


【メキシコ経済指標】
3日月曜日
23:00 11月景況感前回50.7  予想50.2
24:30 11月製造業PMI前回50.7、予想51.2

5日水曜日
23:00 11月消費者信頼感 前回101.4、予想101.8

7日金曜日
23:00 11月消費者物価指数前年比前回4.9%、予想4.7%


peso1203

*予想レンジ:5.50円~5.80円

情報提供:(株)みんかぶ
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