*14日のNYダウは、米国株の一段安などを受けて円買い・ドル売りが優勢となり、113円57〜67銭と、前日(113円77〜87銭)比20銭の円高・ドル安となった。10月米消費者物価指数(CPI)は、全体および変動の大きいエネルギーと食料品を除いたコアがともに市場予想通りの伸びを示したため、ドルは堅調に推移していた。しかし、米株相場がマイナス圏に沈んだため、ドル売り・円買いが活発化。英国の欧州連合(EU)離脱合意案をめぐる協議への警戒感も加わり、一時113円30銭まで下落した。ただ、米株価が下げ幅を縮小したほか、英政府がこの日の臨時閣議でEU離脱に関する合意案を承認したとの報を受けて、ドルは買い戻された。
*14日のNY金は、5営業日ぶりに反発した。終値は前日比8.70ドル(0.72%)高の1210.10ドル。10月米消費者物価指数(CPI)は、全体および変動の大きいエネルギーと食料品を除いたコアの伸び率がいずれも市場予想と一致。NYダウがマイナス転換し、英国の欧州連合(EU)離脱をめぐる暫定合意案の協議結果に警戒感が広がると、安全資産とされる金に買いが入り、大きく上値を伸ばした。節目の1200ドルを維持したことも好感された。NY白金は5日続落。
*14日のNY原油は、石油輸出国機構(OPEC)加盟・非加盟国が12月の総会で協調減産を決定するとの観測から、13営業日ぶりに反発した。終値は前日比0.56ドル(1.01%)高の56.25ドル。OPEC加盟・非加盟国が12月の総会で日量最大140万バレル規模の減産計画案について協議する見通しだと報道。サウジアラビアのファリハ・エネルギー産業鉱物資源相は12日、2019年に日量100万バレルの減産(18年10月比)が必要との分析結果でOPEC加盟・非加盟国の意見が一致したと明らかにしていたが、これよりも大幅な減産を検討しているとの報が好感され、一時57.37ドルまで上昇した。また、この日はドルがユーロに対して軟化し、ドル建て原油に割安感が生じていた。ただ、国際エネルギー機関(IEA)がこの日公表の月報で、18年と19年の世界の石油需要見通しについては前回の予想から据え置いたものの、世界の供給が19年を通じて需要を上回るとの予測を示した。2019年上半期の潜在的在庫の伸びを日量200万バレルと予想。需給の緩みに対する警戒感も払拭されず、上値は抑えられた。
*14日のシカゴトウモロコシは小動き。終値は0.50セント高の367.00セント。大豆高が相場を下支えしたが、小麦安が上値を抑えた。米農務省は前日、米国のトウモロコシ収穫率が84%と、市場予想の87%と過去5年平均の87%をそれぞれ下回ったと発表した。
シカゴ大豆は反発。終値は5.25セント高の883.50セント。米農務省は前日、米国の大豆収穫率が88%と、市場予想平均の91%と過去5年平均の93%をそれぞれ下回ったと発表した。
*14日のNYダウは、米中間選挙の結果を受けた 「ねじれ議会」の下で金融規制が強化されるとの懸念から大手金融株が売られ、4営業日続落した。終値は前日比205.99ドル安の2 万5080.50ドル。当初は安値拾いの買い一時210ドル超上昇していたが、買いの勢いは続かず、マイナス圏に沈んだ。 トランプ政権が 推し進めてきた金融規制緩和の動きが、中間選挙で下院の多数派を奪還した野党民主党に よって押し戻されるとの不安が高まり、金融株が売られた。下院金融サービス委員会の委員長に就任する見 通しの民主党のウォーターズ氏が14日に「新しい委員会では規制緩和は終わりとなる」 と発言したことが直接の売りのきっかけ。市場では、『ねじれ』議会の負の側面を認識せ ざるを得ない状況になったようだ。「iPhone(アイフォーン)」の販売減速への懸念が高まっているアップル もこの日も売られて5日続落となった。今月末からの20カ国・地域(G20)首脳会議に合わせて開く米 中首脳会談で双方の対立が緩和しない限り、米株価の本格的な反転は難しいとの見方が広 がっているようだ。
【15日の経済指標】
08:05 (米) パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、発言
09:30 (豪) 10月 新規雇用者数 0.56万人
09:30 (豪) 10月 失業率 5.0%
16:00 (トルコ) 8月 失業率 10.8%
18:30 (英) 10月 小売売上高指数 [前月比] -0.8%
19:00 (欧) 9月 貿易収支 117億ユーロ
22:30 (米) 10月 小売売上高 [前月比] 0.1% 0.5%
22:30 (米) 10月 小売売上高(除自動車) [前月比] -0.1% 0.5%
22:30 (米) 11月 ニューヨーク連銀製造業景気指数 21.1
22:30 (米) 11月 フィラデルフィア連銀製造業景気指数 22.2
22:30 (米) 10月 輸入物価指数 [前月比] 0.5% 0.1%
22:30 (米) 10月 輸出物価指数 [前月比] 0.0% 0.0%
22:30 (米) 前週分 新規失業保険申請件数
24:00 (米) 9月 企業在庫 [前月比] 0.5% 0.3%
28:00 (墨) メキシコ中銀、政策金利 7.75%
第189回 『おしえて陳さん』
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