テクニカルマイスター

商品、為替、株式相場を,ファンダメンタルズとテクニカルから思いつくままに分析。

11月15日(木)
【11月14日の海外相場および市況】
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*14日のNYダウは、米国株の一段安などを受けて円買い・ドル売りが優勢となり、113円57〜67銭と、前日(113円77〜87銭)比20銭の円高・ドル安となった。10月米消費者物価指数(CPI)は、全体および変動の大きいエネルギーと食料品を除いたコアがともに市場予想通りの伸びを示したため、ドルは堅調に推移していた。しかし、米株相場がマイナス圏に沈んだため、ドル売り・円買いが活発化。英国の欧州連合(EU)離脱合意案をめぐる協議への警戒感も加わり、一時113円30銭まで下落した。ただ、米株価が下げ幅を縮小したほか、英政府がこの日の臨時閣議でEU離脱に関する合意案を承認したとの報を受けて、ドルは買い戻された。

*14日のNY金は、5営業日ぶりに反発した。終値は前日比8.70ドル(0.72%)高の1210.10ドル。10月米消費者物価指数(CPI)は、全体および変動の大きいエネルギーと食料品を除いたコアの伸び率がいずれも市場予想と一致。NYダウがマイナス転換し、英国の欧州連合(EU)離脱をめぐる暫定合意案の協議結果に警戒感が広がると、安全資産とされる金に買いが入り、大きく上値を伸ばした。節目の1200ドルを維持したことも好感された。NY白金は5日続落。

*14日のNY原油は、石油輸出国機構(OPEC)加盟・非加盟国が12月の総会で協調減産を決定するとの観測から、13営業日ぶりに反発した。終値は前日比0.56ドル(1.01%)高の56.25ドル。OPEC加盟・非加盟国が12月の総会で日量最大140万バレル規模の減産計画案について協議する見通しだと報道。サウジアラビアのファリハ・エネルギー産業鉱物資源相は12日、2019年に日量100万バレルの減産(18年10月比)が必要との分析結果でOPEC加盟・非加盟国の意見が一致したと明らかにしていたが、これよりも大幅な減産を検討しているとの報が好感され、一時57.37ドルまで上昇した。また、この日はドルがユーロに対して軟化し、ドル建て原油に割安感が生じていた。ただ、国際エネルギー機関(IEA)がこの日公表の月報で、18年と19年の世界の石油需要見通しについては前回の予想から据え置いたものの、世界の供給が19年を通じて需要を上回るとの予測を示した。2019年上半期の潜在的在庫の伸びを日量200万バレルと予想。需給の緩みに対する警戒感も払拭されず、上値は抑えられた。

*14日のシカゴトウモロコシは小動き。終値は0.50セント高の367.00セント。大豆高が相場を下支えしたが、小麦安が上値を抑えた。米農務省は前日、米国のトウモロコシ収穫率が84%と、市場予想の87%と過去5年平均の87%をそれぞれ下回ったと発表した。

シカゴ大豆は反発。終値は5.25セント高の883.50セント。米農務省は前日、米国の大豆収穫率が88%と、市場予想平均の91%と過去5年平均の93%をそれぞれ下回ったと発表した。
 
*14日のNYダウは、米中間選挙の結果を受けた 「ねじれ議会」の下で金融規制が強化されるとの懸念から大手金融株が売られ、4営業日続落した。終値は前日比205.99ドル安の2 万5080.50ドル。当初は安値拾いの買い一時210ドル超上昇していたが、買いの勢いは続かず、マイナス圏に沈んだ。 トランプ政権が 推し進めてきた金融規制緩和の動きが、中間選挙で下院の多数派を奪還した野党民主党に よって押し戻されるとの不安が高まり、金融株が売られた。下院金融サービス委員会の委員長に就任する見 通しの民主党のウォーターズ氏が14日に「新しい委員会では規制緩和は終わりとなる」 と発言したことが直接の売りのきっかけ。市場では、『ねじれ』議会の負の側面を認識せ ざるを得ない状況になったようだ。「iPhone(アイフォーン)」の販売減速への懸念が高まっているアップル もこの日も売られて5日続落となった。今月末からの20カ国・地域(G20)首脳会議に合わせて開く米 中首脳会談で双方の対立が緩和しない限り、米株価の本格的な反転は難しいとの見方が広 がっているようだ。


【15日の経済指標】
08:05   (米) パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、発言 
09:30   (豪) 10月 新規雇用者数  0.56万人   
09:30   (豪) 10月 失業率  5.0%   
16:00   (トルコ) 8月 失業率  10.8%   
18:30   (英) 10月 小売売上高指数 [前月比]  -0.8%   
19:00   (欧) 9月 貿易収支  117億ユーロ   
22:30   (米) 10月 小売売上高 [前月比]  0.1%  0.5% 
22:30   (米) 10月 小売売上高(除自動車) [前月比]  -0.1%  0.5% 
22:30   (米) 11月 ニューヨーク連銀製造業景気指数  21.1   
22:30   (米) 11月 フィラデルフィア連銀製造業景気指数  22.2   
22:30   (米) 10月 輸入物価指数 [前月比]  0.5%  0.1% 
22:30   (米) 10月 輸出物価指数 [前月比]  0.0%  0.0% 
22:30   (米) 前週分 新規失業保険申請件数 
24:00   (米) 9月 企業在庫 [前月比]  0.5%  0.3% 
28:00   (墨) メキシコ中銀、政策金利  7.75%   


第189回 『おしえて陳さん』 
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【11月14日(水)国内終値】
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【東京白金は調整安場面】
*先週の東京白金は下落したが、3000円の大台は維持された。金や原油等の主要コモディティイが下落し、ドル高を背景にCRB指数も低下している。何よりも、白金の主要マーケットである欧州の景気が減速している。白金を触媒とするディーゼル車の販売は減少し、最大の生産国である南アフリカは景気後退(リセッション)入りして通貨ランドにも先安感が強い。このような悪条件にもかかわらず、白金は底堅く推移しているという印象だ。ファンダメンタルズ的見地から白金には先高観は生じにくいが、ファンドの買い越しも2万枚を超えており、金よりも強気されている。東京白金は200日移動平均線を下回り、調整安局面に入る可能性があるが、3000円を下回る水準で50日と100日の移動平均線がゴールデンクロスを示現しており、3000円前後で下げ止まる可能性が高いだろう。

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*東京白金予想レンジ:3030~3180円

*CFTC建玉11月6日時点:ファンドの白金買い越しは2万3924枚(前週比+9201枚)と増加。総取組高は7万4364枚と前週比-637枚の減少。

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*白金と金の逆ザヤは、7月3日に1526円と過去最大幅を記録した。縮小に転じ上値抵抗線だった1350円を上抜け、一時1300円も上回った。徐々に白金の金に対する割安感が解消されてきており、この流れが継続する可能性がある。「白金買い・金売り」が有利の状況が続きそうだ。

情報提供:(株)みんかぶ
※チャートの著作権は、(株)みんかぶに帰属しており、無断で使用(転用・複製等)することを禁じます。提供している情報の内容に関しては万全を期しておりますが、その内容を保障するものではありません。また、これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、(株)みんかぶは一切の責任を負いません。

【東京金は調整安場面が続きそう】    
*先週のNY金は下落した。6日に投開票された米議会中間選挙は、「上院は共和党・下院は民主党」となった。市場の大方の予想通りとなったため、選挙直後のNYダウは上昇し、市場のリスクオフモードは後退した。7-8日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)では、予想通り政策金利は据え置きとなったが、12月の会合での利上げも含めて漸次的な利上げを継続する方針が示唆されたため、金利を生まない金には圧迫材料となった。また、原油をはじめとする商品相場全体の弱地合いも金相場に響いた。

週明け12日は、英国の欧州連合(EU)離脱をめぐる交渉難航が嫌気され、外国為替市場ではドル買い・ユーロ売りが加速したため、ドル建て金は割高感から売られ、一時1200.60ドルと、節目の1200ドル割れが目前に迫った。テクニカル的には50日移動平均線を下回り、RSIも50%を下回ったため、売りが優勢となりそうだ。節目の1200ドルを割り込む可能性は高く、8月の安値1167ドルが視野に入ってくる展開も想定される。

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*NY金予想レンジ=1180~1230ドル

*CFTC建玉11月6日時点:ファンドの金買い越しは1万9026枚(前週比+5832枚)と増加。総取組高は49万4911枚と前週比1万9970枚の増加。

*先週の東京金は軟調な展開だった。米議会中間選挙と米連邦公開市場委員会(FOMC)という2大イベントが終了し、いずれもサプライズがなかったことから、リスクオフモードは後退し、金は売りが優勢となった。東京金はNY金の下落で押し下げられたものの、為替が円安で推移しているため、下げ幅は限定的だろう。

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週明け12日は、NYダウがハイテク株の大幅安を受けて600ドル以上も急落したが、リスク回避の金買いは強まらなかった。しかし、金ETFの増加は目に付いた。NY金が1200ドル割れ寸前まで下落したことで値頃感も働いたのだろう。先物市場は、金利高・ドル高を背景に売り圧力がかかるが、現物市場では、価格水準と相場環境を背景に買いが入りやすくなっていることは、長期的に見て金相場の地合いを変化させていくだろう。

東京金は200日移動平均線が上値抵抗線となって下落に転じているが、50日と100日の移動平均線があるため4350円レベルで下げ止まりそうだ。12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)では利上げが予想されており、「ドル高・NY金安・円安」が続きそうで、東京金は材料的に決め手を欠きそうだ。調整の保ち合いが続きそうだ。

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*東京金予想レンジ:4350~4450円。


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11月14日(水)
【11月13日の海外相場および市況】
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*連休明け13日のNY外国為替市場のドル円相場は、113円台後半で推移した。主要な米経済指標の発表がなかったが、原油相場急落を受けたNYダウの大幅安を背景に上値の重い展開となった。今週は翌14日に米消費者物価指数(CPI)、15日に米小売売上高が発表されるほか、14日夕にはパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長による講演も予定されているため、様子見ムードも強まった。

*13日のNY金は、ドル高・ユーロ安に伴う割高感に圧迫され、4営業日続落した。終値は前日比2.10ドル(0.17%)安の1201.40ドルと、10月10日以来約1カ月ぶりの安値を付けた。イタリアの財政不安などを背景に、この日もドル高・ユーロ安が継続。ドル建て金は割高感に圧迫され、一時1196.60ドルまで下落した。NY白金は4日続落。

*13日のNY原油は、世界的な供給過剰懸念が広がって大幅急落し、12営業日連続下落となった。終値は前日比4.24ドル(7.07%)安の55.69ドルと、2017年11月16日以来約1年ぶりの安値を付けた。石油輸出国機構(OPEC)はこの日公表の月報で、19年の世界全体の石油需要見通しを従来予想から下方修正する一方、加盟国の10月の産油量が日量12万7000バレル増の3290万バレルに達し、6月の増産合意以来12万7000バレル増えたことを明らかにした。これを受けて、世界的な供給のだぶつきを警戒した売りが活発化した。米中間の貿易摩擦激化などの影響で両経済大国のエネルギー消費が減退するのではないかとの懸念がくすぶっていることも圧迫材料。また、NYダウが続落するなど、国際金融市場の動向が引き続き不安定だったため、株と並んで同じくリスク資産である原油にも売り圧力がかかったようだ。

*13日のシカゴトウモロコシは1%下落し、1週間ぶりの安値を付けた。原油相場安を受け、コモディティー(商品)市場が全般的に売られた。終値は前日比4.75セント安の366.50セント。一時、2日以来の安値となる365.50セントを付けた。トウモロコシはエタノールの原料となるため、原油相場につられる傾向にある。

シカゴ大豆は続落。トウモロコシと原油の価格下落の影響が波及した。終値は前日比5.00セント安の878.25セント。大豆は、バイオ燃料の原料として使用されるため、原油相場の動向に左右されやすい。

*13日のNYダウは、原油安を嫌気した売りに押され、3営業日続落した。前日比100.6
9ドル安の2万5286.49ドルで終了。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)は12日、ムニューシン米財務長官と中国の劉鶴副首相が9日、貿易問題について電話で会談したと報道。13日にはクドロー米国家経済会議(NEC)委員長が、会談の事実を認めるとともに、米中両政府が「あらゆるレベル」で協議していると述べた。両国の歩み寄りへの期待感から貿易関連株を中心に買いが入り、一時187ドル高まで上昇した。しかし、原油相場が世界的な供給過剰懸念を背景に急落し、約1年ぶりの安値を付けたことが嫌気され、エネルギー株に売りが膨らみ、ダウも下落い転じ、下げ幅を拡大した。


【14日の経済指標】
08:50   (日) 7-9月期 四半期実質国内総生産(GDP、速報値) [前期比]  0.7%  -0.3% 
08:50   (日) 7-9月期 四半期実質国内総生産(GDP、速報値) [年率換算]  3.0%  -1.1% 
11:00   (中) 10月 小売売上高 [前年同月比]  9.2%   
11:00   (中) 10月 鉱工業生産 [前年同月比]  5.8%   
13:30   (日) 9月 第三次産業活動指数 [前月比]  0.5%   
13:30   (日) 9月 鉱工業生産・確報値 [前月比]  -1.1%   
13:30   (日) 9月 鉱工業生産・確報値 [前年同月比]  -2.9%   
16:00   (独) 7-9月期 国内総生産(GDP、速報値) [前期比]  0.5%   
16:00   (独) 7-9月期 国内総生産(GDP、速報値) [前年同期比]  2.3%   
18:30   (英) 10月 消費者物価指数(CPI) [前月比]  0.1%   
18:30   (英) 10月 消費者物価指数(CPI) [前年同月比]  2.4%   
18:30   (英) 10月 小売物価指数(RPI) [前月比]  0.0%   
18:30   (英) 10月 小売物価指数(RPI) [前年同月比]  3.3%   
18:30   (英) 10月 卸売物価指数(食品、エネルギー除くコアPPI) [前年同月比]  2.4%   


第189回 『おしえて陳さん』 
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