【南アフリカランド円今週の予想(3月11日)】
*予想レンジ:7.65円~7.95円
*今週のランド円は、上値の重い展開が続きそうで、下抜けに警戒したい。
南アフリカ統計局が5日発表した2023年第4四半期の国内総生産(GDP)は前期比(季節調整済み)で0.1%増加した。市場予想の0.3%増をやや下回った。23年第3四半期は0.2%減少していた。第4四半期はわずかながらプラス成長となり、テクニカルリセッション(2四半期連続のマイナス成長)をかろうじて回避した。23年通年の成長率は前年比0.6%だった。ただ、今回の0.1%の伸びはプラス成長との評価は薄く、むしろ横ばいと見られている。
南アフリカ中央銀行が7日発表した2023年第4四半期の経常赤字は国内総生産(GDP)比2.3%で、第3四半期の0.5%(改定値)から大幅に拡大した。年間では1.6%で、財務省予想の1.8%を下回った。第4四半期の経常赤字は1655億ランド(87億8000万ドル)で、第3四半期の344億ランド(改定値)から大幅に拡大した。第4四半期は貿易黒字が881億ランドに縮小。第3四半期は1811億ランドだった。2023年の貿易黒字はGDPの1.5%で、前年の3.4%を大幅に下回った。南アフリカ中銀は、第4四半期の貿易黒字縮小は原油や石油精製製品などの輸入額が膨らんだためと分析した。先週は南アフリカの主要産品である金、プラチナ、パラジウム等貴金属価格の大幅上昇が南アランドをサポートした。
南ア経済の先行きに不透明感が強い中、5月29日には総選挙が予定されており、南アの政局にも不透明感が漂っている。高失業率や汚職問題等から与党であるアフリカ民族会議が議席を大幅に失う可能性が高まいという。また、先月の2024年度予算案で財政補填を目的とした緊急準備金の取り崩し策を発表したが、南ア中銀による通貨防衛耐性が低下するリスクが指摘されている。24年1月消費者物価指数(CPI)は前年比+5.3%でピークから低下しているものの高止まりしている。一方で、景気が低迷しているため南ア中銀の金融政策も、当面は方向性が打ち出せないだろう。
*CFTC建玉:3月5日時点のファンドの南アランド買い・米ドル売りポジションは、2800枚(前週比+200枚)。
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