【9月24日 国内市況終値】
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*金は反発。23日のNY金が米軍によるシリア領内空爆を受けて上昇した地合いを引き継ぎ、水準を切り上げた。白金は反発。手じまい売りに小安く始まった後、NY時間外高を反映して切り返した。23日のNY金先物相場は、シリア情勢に対する地政学的リスクへの懸念から続伸し、一時1237ドルまで上昇して1222ドルで引けた。NY金融市場は、米軍によるシリア領内での「イスラム国」に対する空爆を受けて、ドル下落や長期金利低下、株安で反応。NY金は安全資産としての買いが優勢となった。24日の時間外取引も堅調に推移し、1224ドル台で推移した。

*南アフリカの白金大手ロンミンは23日の声明で、資金を海外に移転し、租税回避を図っているとの一部報道を否定し、「全操業管轄区において適切で完全な納税を行っている」と反論した。同社は白金生産で世界3位。現地の週刊新聞では先週、ロンミンが資金を海外に移し、労働者らの賃上げ要求や労働契約などに対応できないようにしたり、課税所得を回避したりしていると報道していた。

*中東産原油は続落。東京休場中の欧米原油の下げや、円相場の反発を受けて安寄りし、その後も下げ幅が拡大した。石油製品も、中東産原油の下げに追随して下落。

*NYWTI時間外相場は上値が重かった。米軍はサウジアラビアなどの中東5カ国とともに、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」を標的としてシリア領内での空爆を実施。23日の相場ではリスク懸念が強まって原油相場は反発した。23日に発表された9月のHSBC中国製造業購買担当者(PMI)景況指数速報値が前月比0.3ポイント高の50.5に上昇したことも、中国の先行き需要増加観測につながり、相場を押し上げた。ただ、24日の時間外では次第に弱含む展開となった。中国製造業PMIは改善したが、23日に発表されたユーロ圏総合PMIは52.3と、9カ月ぶりの低水準だった。一方、リビアの原油生産量は足元で日量80万バレルにまで回復しており、世界的に原油は先行きの需給の緩みが予想され、相場の先安観は払拭されていないため、上値を重くしているようだ。

*東京ゴムは当限が前営業日比10円安の158円と継続足で09年6月以来の安値で寄り付き、一時5年3カ月ぶりの安値をつけたが、その後は現物に比べた割安感から買い戻されて切り返した。タイでは、現物価格の下落で農園から労働者が流出し、生産が落ち込んでいる。天然ゴム生産国連合(ANRPC)が先週、加盟生産国の在庫の合計が昨年末の約120万トンから、7月末現在で80数万トンに減少したと発表しており、ファンダメンタルズが好転する可能性もあるようだ。

*トウモロコシは下押す。シカゴ相場が産地の好天を背景に下落したことを受け、弱気の売りが先行し、時間外取引が弱含みとなったことや、円相場の下げ渋りを受けて売り優勢の状態が続いた。一般大豆もシカゴ時間外相場の下落を眺めた売りに軟調推移した。一般大豆は先限が一時4万7500円まで下げ、2012年11月以来、継続足で約1年10カ月ぶりの安値を付けた。シカゴ大豆は9月中旬にはシーズン終盤の霜害への懸念から、970セント付近で下げ止まる気配を見せる局面もあったが、収穫の進展とともに再び売りが強まっている。産地の現物市場ではハーベストプレッシャーが強まっている。

*東京外国為替市場のドル円相場は、108円台後半で推移。中東の地政学的リスクを背景に世界の株価が軟調となり、ドルの上値が抑えられた。テクニカル的にも、ドル円相場のRSI(相対力指数14日)は8月29日以降、買われ過ぎを示す70を上回る水準が続いているため、利益確定売りが出やすくなっている。

*東京株式相場は続落。中東での地政学リスクの高まりや欧州景気の悪化、為替の円高進行に警戒感が広がり、売られた。

*23日、セントルイス連銀のブラード総裁は、連邦公開市場委員会(FOMC)は10月の会合で量的緩和の終了を発表するのに伴い、声明から低金利維持の文言を削除する必要があろうとの認識を示した。 9月のFOMC会合では、量的緩和はまだ終了していなかったため、声明から『相当な期間』の文言の削除を試みることは時期尚早だと私は考えた」とした上で、「より妥当な時期は量的緩和の終了が予定されている10月の会合だろう」と述べた。同総裁は、FOMCはよりデータに依存した方針に移行してほしいと述べ、米経済が力強く成長するとの予測に基づき、最初の利上げは来年1-3月(第1四半期)末に行われる可能性があるとの見通しをあらためて示した。FOMCは9月会合の声明で、現行の資産購入プログラムを次回10月の会合で終了させるとの見通しを示した上で、プログラムが終了した後も政策金利を「相当な期間」ゼロ付近で据え置くとの方針を改めて示している。