9月29日(月)
【9月26日 海外相場および市況】
*週末26日のNY金相場は、対ユーロでのドル高や米株高などを背景に売りに反落した。終値ベースでは2013年12月31日以来9カ月ぶりの安値水準で引けた。米商務省が発表した第2四半期の実質GDP(国内総生産)確報値は前期比4.6%増と上方修正された。市場予想と並んだものの、米景気の先行きに楽観的な見方が広がったことから、対ユーロでドルが急速に買われた。これを受けてドル建て金に割高感が生じた。また、堅調な米GDPを受けて、米株価が急伸。投資家らのリスク回避の動きが後退する中、安全資産としての金は売られやすくなった。
*市場筋によると、10月1日から始まる国慶節の連休を前に、小売業者が在庫を積み増ししているため、9月の中国金輸入量は前月を上回っているという。1週間に及ぶ国慶節の連休期間中は金需要が高まるとみられている。8月の香港からの中国金純輸入量は27.477トンと、3年ぶり低水準に落ち込んだ7月の22.107トンから増加に転じている。季節的要因を背景に金輸入量は第4四半期も高止まりすると予想されている。金関係者の話では、金価格が1200ドル近辺で推移する中、購入量は増えているが、この水準を割り込めば、購入量はさらに増えそうだという。また、インドでも今週から祭事や結婚シーズンに入っており、金の購入量は増加が見込まれている。
*週末26日の米欧石油市場は、米成長率の上方修正を眺めてWTIが反発した。北海ブレントは横ばいで引けた。米商務省が発表した第2四半期の実質GDP(国内総生産)確定値は年率換算で前期比4.6%増となり、改定値(4.2%増)から上向き改定された。成長率は2年半ぶりの高さだった。リビアの産油量は日量92万5000バレルに達し、2011年のカダフィ政権崩壊以来、最高水準になり、需給は緩和しているという。
*コーンは続落。記録的豊作が見込まれる米国産の収穫進展に加え、ドル高による輸出市場での競争力の一段の低下が見込まれている。一時は322.75セントと、2009年9月以来、約5年ぶりの安値を付けた。一方、生産者の間では、先行きの価格上昇を見込んで、収穫された作物をため込む動きがみられる。大豆は続落。記録的豊作が見込まれる米国産大豆の収穫の進展に圧迫され、2010年2月以来、約4年半ぶりの安値となった。一時は909.75セントまで下落した。天気予報によると、米中西部の穀物産地では来週早々まで雨が降らず、農作業の進展が見込めるという。生産者は、コーンよりも傷みやすい大豆の収穫に注力している。
*米国の第2四半期実質GDP(国内総生産)が上方修正されたことを背景にドル買いが強まり、一時2008年8月下旬以来6年1カ月ぶりの低水準となる109円54銭まで下落した。米商務省が朝方発表した2014年第2四半期(4~6月)の米実質GDP(国内総生産)確報値は年率換算で前期比4.6%増と改定値(4.2%増)から上方修正された。米経済回復の着実な足取りを眺めて、主要通貨に対してドル高が進行した。米長期金利の上昇や米株価の堅調もドル買いを強めた。また、塩崎厚生労働相が公的年金を運用する年金積立金管理独立行政法人(GPIF)の改革に関する発言が伝わり、円売りが誘われた。
*中国国家統計局の27日の発表によると、8月の工業セクター企業の利益 は前年同月比0.6%減。以前発表されたデータに基づくと、2012年8月以来の減少となった。7月は13.5%増だった。 1-8月 の工業利益は前年同期比10%増。1-7月の11.7%増から伸びが鈍化した。同国の景気減速が進んでいることが明らかになった。
*週末26日のNY株式相場は、前日に売られ過ぎた反動で好決算の企業を中心に買い戻しが優勢となった。第2四半期(4~6月)の米実質GDP(国内総生産)が上方修正されたことや米消費者景況感の指標が堅調だったことも上昇を支えた。
【本日の主な経済指標およびイベント】
21:00 (独) 9月消費者物価指数・速報 [前月比] 0.0% -0.1%
(独) 9月消費者物価指数・速報 [前年比] +0.8% +0.8%
21:30 (米) 8月個人所得 [前月比] +0.2% +0.3%
21:30 (米) 8月個人支出 [前月比] -0.1% +0.4%
21:30 (米) 8月PCEデフレーター [前年比] +1.6% +1.4%
21:30 (米) 8月PCEコア・デフレーター [前月比] +0.1% 0.0%
23:00 (米) 8月中古住宅販売成約 [前月比] +3.3% -0.5%
*数値は順に、前回、予想。
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