【9月29日 国内市況終値】
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*金は小幅安。先週末のNY金は、米経済への楽観的な見方を背景に下落していた。週明けのNY金時間外は小反発。為替相場が円安・ドル高へと振れたため、プラス圏に浮上する場面もみられた。白金は時間外が続落していたため、円安の影響は小さく反落。安値は4611円。

*先週末26日のNY金相場は、好調な米経済指標を受けたドル上昇や株高などを眺め反落、安全資産としての金は売りが強まった。米国の4~6月GDP(国内総生産)確定値は年率換算で前期比4.6%増と前回公表された改定値の4.2%増から上方修正され、2011年の10~12月期と並ぶ高水準となった。米経済指標は好内容が続いており、市場はドル高や長期金利の上昇、株高で反応している。ドルや金利と逆相関にあるNY金は売り優勢で推移しており、1200ドル割れの可能性も意識されているという。

*中東産原油は続伸。週末のWTIが米経済の先行きへの楽観的な見方を背景に上昇したことや、円相場の軟化を受けて買いが先行した。その後、円安が進行したが、総会を控えて整理売りに伸び悩んだ。原油相場の上昇を受け、製品も上昇した。週明け29日の時間外のWTIは下落。ドル高が進んだため、ドル建て商品相場に売り圧力がかかったようだ。ただ、今夜は8月の米個人所得・消費や米中古住宅販売仮契約件数が発表されるため、強い内容となれば反発する可能性はありそうだ。

*ゴムは反落。一時買い直されたが、上海ゴム相場の下落を受けて売りが強まり、マイナス圏に押し戻された。26日発表された上海の指定倉庫在庫は、前週比2192トン減の16万2649トンと2週連続で減少したが、買い材料にはならなかった。今週から、上海市場は中国の国慶節の連休で休場するため、下げが一服するとの見方が出ている。香港で民主派が繁華街を占拠するなど、デモが拡大していることも、弱気要因とみられている。

*コーンは小反発。大豆は下落。前週末のシカゴ市場は、収穫作業の進展を背景にトウモロコシが約5年ぶり、大豆も約4年半ぶり安値を付けた。円安の影響で反発する場面もあるが、戻りは実勢悪を受けて売られそうだ。シカゴではコーンの3ドル、大豆の9ドルが目先の節目として意識されている。豊作見通しで収穫が順調に進んでも、このレベルが維持されれば、底入れの期待も出てきそうだが、割り込むと一段安の可能性も強まりそうだ。

*東京外国為替市場では、円安が進み一時109円74銭と2008年8月以来の安値を更新した。安倍晋三首相が所信表明演説でデフレ脱却を目指し、経済を最優先させる方針を改めて示したことが手掛かりになったようだ。今週は10月1日に9月日銀短観、2日にECB理事会とドラギ総裁会見、3日に9月米雇用統計の発表が控えている。

*東京株式市場で日経平均は反発。前週末の米国株が、4-6月期の米GDP確報値が上方修正されたことで景気回 復の勢いが増しているとの見方が広がり上昇したことや、円安進行が好感されて買われ、終値で1万6300円を回復した。ただ、民主派の抗議活動が警官隊との衝突に発展したことを背景とする香港株の大幅下落などが意識され、高値警戒感も出ているようだ。