9月30日(火)
【9月29日 海外相場および市況】
*週明け29日のNY金相場は米株価の下落を背景に小反発。欧州や米国の株式相場が軟調に推移したことから投資家のリスク回避姿勢が強まり、安全資産とされる金に買いが入った。最近の下落を受けて安値拾いの買いやショートカバーの買い、また、香港の民主化運動の行方も混沌としてきたため、リスクヘッジとしての買いも入ったと見られている。ただ、外国為替市場ではドル高・ユーロ安基調が続いていたため、ドル建て金は相対的に割高感が強く、上げ幅は限定的だった。米商務省が朝方発表した8月の個人消費支出は年換算で前月比0.5増と、市場予想の0.4%増を上回った。
*週明け29日の米欧石油市場では、良好な内容の米経済指標を受けてWTIが続伸。北海ブレントは小幅高。ガソリン相場が堅調に推移していることが原油相場をサポートしているようだ。製油所のメンテナンスに伴い、10月の処理能力が日量72万バレル減少(過去5年平均は日量90万1000バレル減少)するとの報も強材料になった。
*コーンは反発。一時2009年9月以来5年ぶりの安値となる322.00セントを付けたが、安値警戒感からショートカバーが入った。翌日の米農務省四半期在庫報告の発表を控え、ポジション調整も出たようだ。大豆は反発。時間外取引で4年半ぶりの安値を付けたものの、安値拾いの買いに値を戻した。また、インドネシアとマレーシアの降雨に乏しい天候を受け、パーム油生産が抑制されるとの懸念が大豆油を押し上げたようだ。
*週明け29日のNY外国為替市場の円相場は小幅に弱含んだ。海外市場では円売り・ドル買いが進んだが、NY市場では下落幅が縮小した。香港島中心部では、週末にかけて行政長官選挙の制度民主化を要求するデモ隊が数万人規模に膨れあがり、幹線道路3本が遮断される事態となった。香港市場や中国経済に及ぼす影響を警戒し、リスク回避目的の円買い・ドル売りが台頭、リスク選好が後退し円相場は一時109円13銭まで上昇した。ただ、買い一巡後は再び弱含みに戻った。米商務省が朝方発表した8月の個人消費支出(PCE)は前月比0.5%増と好調で、市場予想の0.4%増も上回った。一方、同月の中古住宅販売仮契約指数は前月比で低下し、強弱入り混じる指標内容となった。
ユーロは対ドルでほぼ変わらずの1.2685ドル。一時1.2664ドルと、12年11月以来の安値に下げた。
ニュージーランド(NZ)ドルは一時2%安の1米ドル=0.7709NZドルと、13年8月以来の安値を付けた。NZ準備銀行が8月の自国通貨の売却額が7年ぶりの高水準だったことを明らかにした。
*週明け29日のNY株式相場は、香港の民主派デモによる混乱が中国本土経済のさらなる減速につながるとの懸念が強まり反落した。香港で行政長官の選挙制度民主化を要求するデモが拡大し、幹線道路の閉鎖や銀行支店の休業など一部経済活動に影響が波及。既に減速懸念が強まっている中国経済の先行きに不安感が増した。さらに、停戦合意中のウクライナ東部で発生した親ロシア派との戦闘でウクライナ兵士が死傷したとの報道も嫌気され、ダウの下げ幅は一時178ドルに達した。しかし、米商務省が発表した8月の個人消費支出が市場予想を上回ったほか、シカゴ連銀のエバンズ総裁が早期利上げについて慎重な姿勢を示したと伝わったため、米景気回復への期待を背景に買い戻しが入り、下げ幅は大幅に縮小した。
【本日の主な経済指標およびイベント】
15:00 (独) 8月小売売上高指数 [前月比] -1.4%、+0.5%
(独) 8月小売売上高指数 [前年比] +0.7%、+0.3%
16:55 (独) 9月失業者数 +0.2万人 -0.2万人 --
16:55 (独) 9月失業率 6.7% 6.7% --
17:30 (英) 第2四半期GDP・確報値 [前期比] +0.8%、+0.8%
(英) 第2四半期GDP・確報値 [前年比] +3.2%、+3.2%
18:00 (EU) 8月失業率 11.5% 11.5% --
18:00 (EU) 9月消費者物価指数・速報 [前年比] +0.3%、+0.3%
21:30 (加) 7月GDP [前月比] +0.3% +0.3%
22:00 (米) 7月S&P/ケース・シラー住宅価格指数 [前年比] +8.10%、+7.40%
22:45 (米) 9月シカゴ購買部協会景気指数 64.3、62.0
23:00 (米) 9月消費者信頼感指数 92.4、92.5
*数値は順に、前回、予想。
コメント