10月8日(水)
【10月7日 海外相場および市況】
*NY金相場は続伸。ドル売り・ユーロ買いが進むにつれて金相場も堅調に推移した。また、ドイツの弱い鉱工業生産指数を受けて欧米株式相場が下落したため、安全資産としての金買いとなった。国際通貨基金(IMF)はこの日発表した世界経済見通し(WEO)で、2014年の世界の実質成長率を3.3%、15年は3.8%とし、それぞれ3.4%、4.0%から下方修正した。
*米欧石油市場の原油相場はWTI、ブレント共に下落。国際通貨基金(IMF)が世界の経済成長見通しを下方修正したことや米エネルギー情報局(EIA)が原油需要見通しを引き下げたことが嫌気された。IMFは世界の経済成長見通しを下方修正した。ユーロ圏の主要国のほか、日本、ブラジルの成長鈍化を警告した。また、8月のドイツの鉱工業生産は2009年1月以来最大の落ちこみを記録した。
EIAは14年および15年の世界の石油需要予想を引き下げた。イランのザンガネ石油相は石油輸出国機構(OPEC)は最近の原油相場急落を協議するため緊急会合を開く予定はないと語った。OPEC総会は11月27日にウィーンで行われるが、日量3000万バレルの生産目標の調整を検討する。
*米石油協会(API)が7日公表した10月3日までの1週間の米原油在庫は、前週比500万バレル増の3億6000万バレルだった。市場予想は150万バレル増だった。原油受け渡し拠点のオクラホマ州クッシングの在庫は5万9000バレル減だった。製油所の原油処理量は日量22万5000バレル減。ガソリン在庫は250万バレル増。アナリスト予想は100万バレル減だった。ヒーティングオイルを含むディスティレート(留出油)在庫は110万バレル減で、アナリスト予想と同水準だった。原油輸入量は48万9000バレル増の日量750万バレルだった。
*コーンは5営業日続伸。降雨による収穫作業の遅延に関連するショートカバーが入った。気象予報によると、ミシシッピ川デルタ地帯や中西部の南域では、向こう10日間は雨が予想され、既に遅れているトウモロコシの収穫がさらに遅れる可能性もあるという。大豆は反落。序盤に急伸した後は、利益確定売りが優勢となった。5日時点の収穫進捗率は20%で、これは、過去5年平均を大幅に下回る水準。
*NY外国為替市場の円相場は、要人発言や米長期金利の低下から一時107円82銭まで上伸した。107円台を付けたのは9月17日以来約3週間ぶり。安倍晋三首相は7日の国会答弁で円安について「プラス・マイナスの両面がある」と発言。これが円安けん制姿勢と見なされ円が買い戻された。NY連銀のダドリー総裁が午後の講演で来年半ばの利上げ予想を支持する姿勢を示したが、米雇用市場の改善に懐疑的な見方をにじませ、インフレ懸念を指摘した事から米金利が低下し、米株価の下げ幅が拡大したため、ドルは売られた。国際通貨基金(IMF)が最新の世界経済見通し(WEO)で2015年の世界成長率予想を下方修正した事も円買い要因になった。
*8月のドイツ鉱工業生産指数(季節調整済み)は前月比4%低下。7月は1.6%上昇に改定された。
*IMFは15年の世界成長率を3.8%と予想し、7月時点の予測(4%)から引き下げた。ユーロ圏については成長率予想を1.3%とし、7月時点の1.5%から下方修正した。日本は同0.8%(7月時点は1.1%)に修正した。 また、は米国の15年の成長率予想を3.1%と、7月時点の3%から上方修正した。
*ニュージーランド(NZ)のイングリッシュ財務相は7日、2014-15年度の財政黒字化を実現するには、厳しい支出抑制が必要との認識を示した。黒字化目標が達成できるのかについては、明言を避けた。13-14年度(14年6月30日までの12カ月間)の損益除外財政収支(OBEGAL)は、29億3000万NZドル(約22億9000万米ドル)の赤字だった。税収が予想を下回り、支出が膨らんだ結果、赤字幅は市場予想の25億9000万NZドルよりも拡大した。イングリッシュ財務相は記者会見で、政府が目標としている今年度の財政黒字化について、達成は容易なことではないと指摘。それには「政府は引き続き支出を厳格に管理した上で、将来の資本ニーズも踏まえつつ、債務を安定化、削減していく必要がある」との見解を示した。
*7日のNY株式市場は、世界経済の先行き懸念を背景に全面安となった。国際通貨基金(IMF)はこの日発表した最新の世界経済見通しで、今年と来年の経済成長率を下方修正。日本、ユーロ圏の見通しも下向きに修正した。ドイツでは8月の鉱工業生産指数が前月比4.0%低下した。米ミネアポリス連銀のコチャラコタ総裁は、2015年の利上げは早過ぎると指摘。堅調な米国経済に関しても懐疑的な見方が広がり、主要企業の7~9月期の決算発表を控え警戒感が強まったようだ。
【本日の主な経済指標およびイベント】
08:50 (日) 8月経常収支 +4167億円 +2000億円
08:50 (日) 8月貿易収支 -8281億円 -7707億円
21:15 (加) 9月住宅着工件数 19.24万件 19.80万件
27:00 (米) FOMC議事録(9月16・17日分)
*数値は順に、前回、予想。
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