【10月9日 国内市況終値】
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*金は3日続伸。NY金時間外相場の上昇を受け買いが継続した。白金は3日続伸。NY時間外高から買いが断続的に入った。8日のNY金相場は、利益確定売りに押されて反落したが、時間外取引では、米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨公表を受けて20ドル以上も反発している。8日に公表されたFOMC議事要旨では、欧州の景気減速によるリスクやドル高進行による米経済への悪影響の恐れを指摘、雇用に関しては、労働資源の活用は著しく不十分と判断していることなどが明らかになった。ハト派的な内容だった事が判明したため、金にはプラス要因となった。

*中東産原油は7営業日続落。先限足では13年11月11日(6万1300円)以来約11カ月ぶりの安値水準。欧米の時間外相場の伸び悩みや、円相場の反発から売り優勢となった。石油製品も時間外相場の軟調地合いや円高を受けて続落した。8日の欧米原油相場は続落したが、ブレントが一時90.57ドル、WTIは86.83ドルの安値を付けた後に値を戻しており、底堅さも出てきているようだ。今後は北半球が灯油の需要期に入るため、需要増加も出てきそうだ。米エネルギー情報局(EIA)が8日発表した週報によると、足元の原油在庫は製油所の稼働率が低下する中、前週比500万バレル増の3億6170万バレルと、市場予想の150万バレル増を大幅に上回る積み増しとなった。OPECの次回総会開催日は11月27日で、それまでに減産に対する市場の警戒感が出る可能性もありそうだ。

*ゴムは3日続伸。朝方は原油相場を受けて軟調だったが、上海ゴム相場の切り返しを眺めて反発に転じた。ただ、中国の9月のHSBC製造業購買担当者景況指数(PMI)や、サービス業PMIが弱いため、戻りは重かった。近く発表される9月の中国の新車販売が注目される。

*トウモロコシは小幅まちまち。8日のシカゴ相場は上昇したが、時間外の上値が重く、為替が円高に振れたため下落に転じた。一般大豆は軟調。米農務省の10月需給報告を控えて、整理売りが優勢となった。

*東京外国為替市場のドル円相場は、日経平均株価の下落などを眺めて上値が重く、107円台後半で軟調推移している。朝方、日経平均株価がプラスで始まると、ドル円も上昇し、一時は108円30銭前後まで値を上げた。その後は株価が伸び悩むにつれて売られたが、午後は株価がマイナス圏に落ち込んだことで売りが強まった。

8日の海外市場ではFOMC議事録の公表前に108円74銭までドルが買われていたが、議事録で政策当局者が世界経済の成長減速とドルの上昇が米経済見通しにとってリスク要因になり得ると指摘していたことが判明すると、108円台前半まで下落していた。

フェデラルファンド(FF)金利先物の動向によると、2015年7月までにFRBが利上げを実施する確率は32%と、FOMC翌日の9月18日時点の59%から低下している。

日本銀行の黒田東彦総裁は8日夜、ニューヨークで講演した後の質疑の中で、追加緩和は経済次第 でオプションはたくさんあるとし、物価目標2%の安定的な達成に向けて必要ならば躊躇なく金融政策を調整する姿勢を繰り返し示した。

*日経平均株価は米国株高を受けて買いが先行したが、円高が重しとなり、後場には下げに転じた。


*本日のワンポイントチャート
本日の東京金は上昇。4242円のレジスタンスラインをブレイクし、次のレジスタンスライン4260円をブレイクするかどうか。すんなり4260円を突破すれば、4300円が視野に入る。逆に、4260円で押し返された場合、4242円レベルが維持されるかどうかがポイントになるだろう。4242円を下回るなら、4207円がサポートラインになるだろう。

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