【10月15日 国内市況終値】
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*金は反落。NY金時間外相場が軟調に推移し、売り優勢となった。世界経済の先行き不透明感を背景にNY金は下値を切り上げている。14日に発表された8月のユーロ圏鉱工業生産は前月比1.8%減と悪化した。ZEWが同日公表した10月の独景気期待指数は、マイナス3.6と約2年ぶりにマイナスになり、ドイツ経済も悪化している。ドイツはまた、ウクライナ情勢などの地政学的リスクの高まりが製造業などに影響を与えているとして、2014~15年の同国GDP伸び率予想を大幅に引き下げた。世界経済の先行きに対する懸念から、フィッシャーFRB副議長は、利上げ時期が遅れる可能性を指摘した。今週発表される米小売売上高やベージュブックなどで米経済に関して懸念が示されるような内容が出れば、利上げ時期の先送りが意識され、金相場には強材料になりそうだ。白金はNY時間外安を映した手じまい売りが継続し、下落。

*中東産原油は暴落。先限足は13年1月7日(5万7560円)以来約1年9カ月ぶりの安値で引けた。14日の米欧原油相場が需要減退観測を背景に大幅安となったため、売りが殺到し、暴落して寄り付いた。その後は、NY時間外安を受けて下げ幅が拡大した。石油製品は原油安に追随し大幅安。国際エネルギー機関(IEA)が14年と15年の石油需要予測を前月から日量で21万バレル、31万バレルいずれも下方修正した一方、米エネルギー情報局(EIA)が11月の米国でのシェールオイル生産量に関し、前月比日量10万6000バレル増加するとの見通しを示したことで、先行きの需給緩和観測が一段と高まった。また、石油輸出国機構(OPEC)に減産に向けた動きが出ていないことも嫌気されている。10月以降、サウジアラビア、イラン、イラクなどがシェア拡大を目指し、相次いで原油価格を引き下げている。

*ゴムは小反落。上海ゴム相場安や原油安を受けて手じまい売りが優勢となった。中国自動車工業協会が13日発表した9月の新車販売台数は、前年同月比2.5%増の198万3600台と、前月の4.0%増から伸び悩んだ。乗用車は6.4%増の169万6000台だったが、ゴムの使用量が多いバス・トラックなどの商用車はマイナスに終わった。9月の中国の消費者物価指数(CPI)や卸売物価指数(PPI)も市場予想を下回り、景気減速が強まっているようだ。

*トウモロコシは続伸。14日のシカゴ相場が降雨による収穫の遅れを手掛かりに大幅続伸したことから、買い戻しが先行し底堅く推移した。一般大豆も堅調。シカゴ高を受けた売方の手じまいが先行した。

*東京外国為替市場のドル円相場は、堅調な株価を受けて107円台前半で底堅く推移した。今夜はNY連銀が発表する10月製造業景況指数と9月の米小売売上高が注目される。強い内容であれば米経済の回復期待が強まり、ドル円は反発しそうだ。

中国国家統計局が15日に発表した9月の生産者物価指数(PPI)は2年7カ月連続で低下し、過去最長の連続低下記録に並んだ。9月の消費者物価指数(CPI)も2010年1月以来の低い伸びにとどまり、中国経済の需要の鈍さが示された。

ドイツの欧州経済研究センター(ZEW)が14日に発表した10月の景況感指数(期待指数)はマイナス3.6と、前月のプラス6.9から低下し、2012年11月以来の低水準となった。 独政府は14、15年の同国成長率予想を下方修正。経済省の14日の発表によると、14年の成長率は1.2%の見込み。4月時点は1.8%を見込んでいた。15年予想は1.3%と、従来の2%から下方修正された。

*日経平均株価は6営業日ぶりに反発した。欧州の景気悪化懸念や米国株の下値不安などの悪材料が消えたわけではないが、前日までの5営業日で約954円下落しているため、買戻しが入ったようだ。

*本日のワンポイントチャート
4260円のレジスタンスラインに押し返されて反落。4230~4240円のサポートゾーンも割り込んだ。MACDはデッドクロスして下落に転じ、ゼロラインを割り込んだ。4194~4205円のサポートゾーンで下げ止まるかどうか注目したい。

*東京金1時間足

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