【10月23日 国内市況終値】
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*金は期先3限月が小反発。22日のNY金場はドル高を受けて反落し、東京市場も売りが先行した。その後、NY時間外が堅調となったため、期先3限月がプラス圏に浮上した。白金はNY時間外安を受けて安い。22日のNY金相場はドル高や利益確定売りにより3営業日ぶりに反落した。22日に発表された9月の米消費者物価指数が、前月比0.1%上昇とプラスに転じたため、ドル買いが進み、ドル建て金に割高感が生じた。また、今週初からインドの金現物需要の活発化を受けて上伸していたため、利益確定売りも出たようだ。今夜は、米週間新規失業保険申請件数や9月の米景気先行指数などが発表される。好調な数字が出れば、ドル高に振れNY金の上値は抑えられそうだが、来週28、29日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催されるため、大きな動きにはなりにくいだろう。FOMCではQE3が予定通りに終わるのか、もしくは先延ばしされるのかが注目されるが、利上げ時期に関するフォワードガイダンスの変更があるかどうかにも関心が集まっている。

*中東産原油は反落。22日の欧米原油相場が米原油在庫の増加を背景に大幅下落したことなどを受けて反落した。石油製品も中東産原油に追随して反落。本日発表された中国製造業PMIは50.4で、好不況の分岐点とされる50を上回り、前月確報値の50.2から改善した。ただ、予想内の数字で反応はほとんどなかった。午後5時には10月のユーロ圏PMIの発表がある。50を下回る予想値も出ており、その通りであれば、欧州経済の先行き悪化懸念から、原油相場の下落要因になりそうだ。

*石油輸出国機構(OPEC)理事でリビア石油省の責任者は、OPECが原油供給過剰に取り組み、4年ぶり安値に落ち込んだ原油価格を下支えするには、生産目標を少なくとも日量50万バレル引き下げる必要があるとの見解を示した。11月27日に開かれるOPEC総会は、日量3000万バレルの現行生産目標を2015年上半期に関して調整するかどうか検討する予定だが、今のところ減産を支持する加盟国は少数にとどまっている。
ロシアのノバク・エネルギー相は22日、需要低迷のため6月末以降、4分の1程度値下がりした石油価格について、長期的にみて1バレル=90~110ドルに回復するとの見解を示した。

*ゴムは続伸。堅調な上海相場を眺めて高値圏で終えた。午前に発表された10月の中国HSBC製造業購買担当者景況指数(PMI)速報値は、50.4と、市場予想を上回ったが、値動きへの影響は小さかった。9月の新車販売の伸びが減速しているため、強材料視されなかったようだ。日本ゴム輸入協会が23日発表した10日現在の全国営業倉庫生ゴム在庫は、9月30日時点に比べて1382トン減り、1万2528トンとなった。1~10日の入庫は282トン、出庫は1664トンだった。在庫は5月31日以降、連続で減少している。

*トウモロコシは反落。シカゴコーンの下落を受けて売りが先行。その後も時間外が軟調に推移したため弱基調で推移した。一般大豆は続伸し、この日の高値圏で終了した。中西部の大豆産地では、今週は乾燥した天候で収穫が進捗する見通しだが、19日現在の収穫率は過去5年平均よりも低水準にとどまった。米国では2011、12年の干ばつの影響で、肉牛の飼育頭数が落ち込んでいる。飼育頭数の急回復は困難のため、肉牛一頭当たりの価格が上昇しているという。農家は牛を太らせて出荷価格を高くしようと、飼料を余計に与えているため、飼料価格の上昇が大豆価格をサポートしているようだ。

米農務省のメキシコ駐在農務官が22日までに公表した報告によると、2014~15年度(14年10月~15年9月)のメキシコ・トウモロコシ生産は2300万トンとなる見通し。これは米農務省の公式予想の2250万トンを上回る水準。作付面積が予想を若干上回ったことや、天候が生育に好ましい状況になっているという。

*東京外国為替市場のドル円相場は、株価が軟化したため、107円台前半で上値が重い。
ドルは対ユーロで約1週間ぶりの高値を付けた。ユーロ圏の経済発表を前にして、米国と欧州の景況感格差からドル買いユーロ売りが強まったようだ。ユーロドルは一時1.2633ドルと今月15日以来の水準までドル買いが進行した。

23日発表の10月のユーロ圏製造業購買担当者指数(PMI)は49.9と、16カ月ぶりに製造業活動の拡大・縮小の境目となる50.0を下回ると予想されている。

ECBのストレステスト(健全性審査)の対象となるイタリアの銀行15行のうち、2行が資本不足の穴埋めを求められる見通し。スペイン通信は同日、ギリシャやベルギーなどの銀行、合計11行が不合格になる見通しと報じた。  

米国では、9月の景気先行指数が発表される。事前予想は前月比0.7%上昇の見込み。8月は0.2%上昇だった。

*日経平均株価は米国株安を嫌気した売りが優勢となり反落した。

【速報】
16:30 10月製造業PMI<速報値>  49.9 49.5 51.8
16:30 10月サービス業PMI<速報値>  55.7 55.0 54.8
17:00 10月製造業PMI<速報値>  50.3 49.9 50.7
17:00 10月サービス業PMI<速報値>  52.4 52.0 52.4
*数値は順に、前回、予想、結果。

ドイツ、ユーロ圏の指標は事前予想に反して改善していた。


*東京金1時間足
昨夜の夜間取引ではサポートライン4285円を割り込んだが、54本移動平均線にサポートされて下ヒゲを引いて反発した。本日の日中取引では、朝の寄り付きで下放れて4285円を下回り、かつ54本移動平均線も割り込んだが、4278円で下げ止まり、4273~4285円のギャップを埋め切ることはなかった。MACDも下落しているものの、ゼロゼロラインを下回るには至らなかった。引けにかけては4285円をブレイクして反発し、MACDもゴールデンクロスしている。ストキャスティックス(スロー12本)も上昇しており、今夜の夜間取引では、再び4300円ブレイクにトライする展開になりそうだ。逆に、下落に転じた場合は4273円のサポートラインが維持されるかどうかに注意したい。
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