10月28日(火)
【10月27日 海外相場および市況】
ny1027

*週明け27日のNY金は、原油安を受けて反落。ユーロ相場の上値が重いことも嫌気された。ただ下げ幅は限定的だった。米連邦公開市場委員会(FOMC)を28~29日に控え、量的緩和終了後から事実上のゼロ金利解除までの期間をめぐる思惑が相場を下支えした。予想されている時期より利上げが先送りになれば、利回りのない金をより長い期間、低コストで維持できるため、金相場には強材料になる。9月の香港から中国への金輸入が前月から増加し、6カ月ぶりの高水準に達したとの報道を受けて、現物需要が回復していることが確認された。世界最大の金上場信託(ETF)、SPDRゴールドは24日、金保有が4.5トン減少し、745.39トンと6年ぶりの低水準になったと発表した。この結果、先週の金流出は15.5トンに達し、2013年7月以来最大になった。

香港統計局によると、9月の香港から中国への金流入超過量は68.641トンと、10月第1週の国慶節連休を前に、前月の27.477トンから急増し、6カ月ぶりの高水準となった。2013年は金相場が大幅に下落したことを受け、中国の香港からの金輸入は過去最高の1158.16トンを記録。インドを抜き、世界最大の金消費国となった。

*週明け27日の米欧石油市場では、米ゴールドマン・サックスが価格予想を引き下げたことをきっかけに、WTI原油が一時2年4カ月ぶりに80ドルを割り込んだものの、その後はショートカバーに押し上げられ下げ幅を縮めた。ゴールドマンは生産拡大や需要低迷を理由に、2015年1~3月期の北海ブレント先物相場予想を従来の100ドルから85ドルに、WTI予想を90ドルから75ドルに、それぞれ引き下げた。9月の中古住宅販売仮契約指数を受け、ドルが下落したことも、ドル建て商品相場を押し上げた。市場は既に、世界経済の成長低迷や需要減退、ドル高、(供給面では)石油輸出国機構(OPEC)やサウジアラビアの立場を織り込んでいるという。OPECは11月27日に会合を開く。今のところ目標引き下げを主張する加盟国は少数にとどまっている。

*コーンは大幅反発。米中西部のトウモロコシ産地での収穫作業の遅れからファンドの買いが入ったほか、ショートカバーで序盤の下落から切り返した。大豆ミールの急伸もトウモロコシを支援した。CFTC明細によると、ヘッジファンドを含む投機筋のトウモロコシに対する買いポジションは6月以来の高水準となっている。大豆も大幅反発。大豆ミールの急騰や堅調な輸出需要、生産者からの売りが細っている。

*週明け27日のNY外国為替市場の円相場は、悪化した米経済指標を背景に強含んだ。米不動産業者協会(NAR)が発表した9月の中古住宅販売仮契約指数は前月比0.3%増と、市場予想の0.5%増を下回った。また、米ダラス連銀の10月の製造業景況指数は10.5、前月の10.8から低下し、円買い・ドル売りが強まり一時107円61銭まで上昇した。しかし、その後は翌日から2日間で開かれる米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えて様子見ムードが強まり、107円台後半で小動きとなった。ただ、米金融当局が債券購入プログラムを終了しても、低金利を維持するとの見方は強く、ドルの上値を抑えたようだ。ユーロは、対ドルでは当初独IFO経済研究所の10月の同国企業景況感指数が6カ月連続で低下したことが嫌気されたが、その後は低調な米経済指標を背景に買い戻された。

ブラジル・レアルは主要31通貨のすべてに対して下落。ブラジル大統領選の決選投票で、現職でジルマ・ルセフ氏が再選を果たしたが、1945年以降で最も僅差の勝利となった。レアルは対ドルで1.9%下げた。

ECBがユーロ圏の銀行を対象に実施した包括的審査の結果、25行が不合格となった。ECBは不合格となった25行の資本不足の合計額を2013年末時点で約250億ユーロとしたが、その大部分を金融機関がこれまでに調達したと説明した。欧州の大手銀行の資本不足は認定されず、フランスやドイツ、スペインで資本増強を求められた金融機関はなかった。 
 

*週明け27日のNY株式相場は、米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に、小幅ながら3営業日続伸した。28、29日に開かれるFOMC前に利益確定の動きが広がった。ドイツの景況感指数が市場予想を下回り欧州株が下落したことや、原油相場が一時2年4カ月ぶりの水準に下げたことも株価の重しとなった。市場では、FOMC声明で量的緩和策終了後の金融政策を予見させる文言の変化があるかどうかに注目しているという。

【本日の主な経済指標およびイベント】
21:30 (米) 9月耐久財受注 [前月比] -18.2% +0.5%
          (米) 9月耐久財受注 [前月比:除輸送用機器] +0.7% +0.5%
22:00 (米) 8月S&P/ケース・シラー住宅価格指数 [前年比] +6.75% +5.70%
23:00 (米) 10月消費者信頼感指数 86.0 87.0
23:00 (米) 10月リッチモンド連銀製造業指数 14 11

*数値は順に、前回、予想。