11月11日(火)
【11月10日の海外相場および市況】
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*週明け10日のNY金は、前週末に急伸した反動で利食い売りが出て反落。前週末7日に発表された米雇用統計では、景気動向を反映する非農業部門就業者数の伸びが市場予測を下回った。これをきっかけにドル相場が下落し、割安感から金は前日比で約2.4%上昇したが、この日は反動で利益確定売りが先行した。米景気に対する楽観的な見方を背景に株価やドルが堅調に推移し、安全資産の金需要は伸び悩んだ。世界最大の金上場投資信託SPDRゴールド・トラストの金保有高は7日時点で5.7トン減と、1日当たりの流出高としては過去3週間で最大。

*週明け10日の欧米石油市場はドル高を嫌気して反落。WTI原油は1ドル超下落し78ドルを割り込んだ。北海ブレント原油も1ドル超下落した。27日のOPEC総会では供給過剰についてどのような話があるかが焦点。これまでのところ、生産削減について明確な示唆はない。一時リビアの供給障害やウクライナの軍事行動活発化が支援材料となったが、利食い売りで相場の上げは短期に終わった。リビアでは武装集団が同国最大のエルシャララ油田を掌握した。一方ウクライナ政府軍が9日に親ロシア派が支配するドネツクを砲撃した。ウクライナの事態が緊迫すれば、欧州へのロシアからのガス供給が途絶するかもしれず、石油への需要が増える可能性がある。

*クウェートのオメール石油相は、石油輸出国機構(OPEC)が27日の総会で生産目標の引き下げを決める公算は小さいとの見解を明らかにした。同相はエネルギー会議が開かれた当地で、質問に対し「判断するのは時期尚早だが、生産目標を引き下げるとは考えていない。決定は困難だが、引き下げはないと思う」とコメントした。さらに同相は、原油価格がクウェートの景気に悪影響を及ぼす水準まで落ち込む公算は小さいと述べた。同相によると、クウェートは原油価格下落を懸念しているものの、動揺はしていないという。

*コーンは反発。米農務省の穀物需給報告でトウモロコシの生産高推計が下方修正されたことを受けて反発した。今年の米国の生産高推計はなお144億700万ブッシェルと記録的な高水準だが、需給報告でイールド(単位面積当たり収量)と生産高推計はアナリストの予想範囲の下限近くの水準に下方修正された。イールド(単位面積当たり収量)予測を1エーカー当たり173.4ブッシェルと、前月比0.8ブッシェル下方修正した。市場予想平均の175.233ブッシェルを下回った。

*大豆は4営業日ぶりに反落。米農務省の穀物需給報告で生産高見通しの引き上げ幅が予想を下回った一方、期末在庫予測が据え置かれたため。発表前には、需要の急増で在庫が引き締まるとの見方から大豆相場は押し上げられていた。需給報告の発表直後、100日移動平均の下値支持線を割り込むと、売りが加速した。農務省は大豆の生産高見通しを1カ月前の39億2700万ブッシェルから39億5800万ブッシェルに上方修正したものの、予想の39億6700万ブッシェルには届かなかった。イールド(単位面積当たり収量)予測は47.1ブッシェルから47.5ブッシェルに上方修正した。期末在庫は4億5000万ブッシェルに据え置きとなった。

*週明け10日のNY外国為替市場のドル円相場は、米長期金利の上昇を背景に反発。NY市場はポジション調整目的のドル売りの流れを引き継ぎ、114円17銭で始まり、その後は米債券売りに伴う長期金利の上昇を背景に、ドル買い・円売りが強まった。また、米連邦準備制度理事会(FRB)がこの日発表した10月の労働市場情勢指数が4ポイント上昇したほか前月分が上方改定されたことも、ドル買い・円売りの支援材料となった。安寄りした米株式市場が堅調に転じたこともドル買いを促し、一時114円91銭まで上昇した。ただ、翌11日がベテランズデー(退役軍人の日)で外国為替市場は休場となるため、全体的に薄商いだった。

*週明け10日のNY株式相場は、前週末の堅調な米雇用統計を受けて年末に向けた個人消費への期待感が高まり、買いが優勢となって反発した。7日発表の米雇用統計で非農業部門就業者数の増加幅が、持続的に20万人を上回り、着実に雇用が回復していることが示されたため、年末商戦も堅調との見方が強まった。原油安によるガソリン価格の低下も、個人消費には恩恵となる見込み。消費動向を確認する上で、直近では14日に発表される10月の小売売上高が注目される。良好な内容となれば、11月末に本格化する年末商戦への期待が加速する可能性が高い。

【本日6日の主な経済指標およびイベント】
08:50 (日) 9月経常収支 +2871億円 +5377億円
08:50 (日) 9月貿易収支 -8318億円 -7825億円 

*数値は順に、前回、予想。