【FOMC議事録】
米連邦準備制度理事会(FRB)が19日公表したFOMC(10月28、29日開催)の議事録によると、多くの政策当局者は国民のインフレ期待低下の兆候に警戒すべきだとの認識を示した。また、FOMCメンバーは「インフレ期待が抑えられた環境の中で、労働資源のスラック(たるみ)が減少し、インフレ率は目標の2%に戻ると引き続き予想した」ことが示された。

議事録では、国外の成長減速の米経済への影響は「極めて限定的」と予想した。理由として米経済における外国との貿易が占める割合が「比較的小さい」ほか、ドル相場の変動の影響も「穏やか」で、外需の鈍化は「懸念されたほど深刻にはならない可能性が高い」と説明した。

FOMC議事録を受け、米10年債利回りは2.36%付近へ上昇した。

米金利の上昇を受けてNY外国為替市場では、ドル円相場が2007年8月以来7年3カ月ぶりに118円台に上昇した。

ドル円は長期的に見なければ、チャートから次の高値の目途が見えてこない。

最安値は75.54円(2011年10月)であるが、これ以前の節目となる高値は110.67円(2008年8月)、124.15円(2007年6月)、135.10円(2002年1月)、147.57円(1998年8月)となる。

110.67円は既に上回っている。110.67円から75.54円までの日柄(およそ3年2ヶ月)を75.54円をつけた2011年10月から先に延ばすと、2015年1月となり、現時点(2014年11月)で118円台を突破していることから、2011年10月以前の下落のスピードより現在の上昇のスピードがかなり速いことがわかる(赤い長方形)。

次の高値の目途は124.15円になるが、124.15円から75.54円までの日柄(およそ4年4ヶ月)を最安値をつけた2011年10月から伸ばすと、2016年2月になる。現在と同レベルのスピードが続けば、124円を超えて上昇している可能性が高いだろう(緑の長方形)。

75.54円から118円までおよそ3年1ヶ月(37ヶ月)かかっているので、1ヶ月あたり(118-75.54)÷37=1.15円上昇している計算になる。124.15円をつけた2007年6月から2011年10月までの4年4ヶ月=52ヶ月が次の対等日柄になるので、この分の上昇を加えると、75.54+1.15×52=135.34円となり、価格的にはほぼ2002年1月の高値と同レベルになる。

短期的には120円が迫っているが、長期的にはかなりスケールの大きい展開になる可能性がありそうだ。

*ドル円月足
usdlong

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