12月1日(月)
【11月28日の海外相場および市況】
ny1128

*週末28日のNY金は、原油価格に連動して大幅続落となり、13日以来約2週間ぶりの安値水準に下落した。石油輸出国機構(OPEC)による減産見送り決定をきっかけとした原油相場の急落を受け、金もインフレ期待の低下に圧迫されて売りが膨らんだ。外国為替市場で、ドルが対ユーロや対円、そして対資源国通貨等に対して上昇したことも弱材料になった。30日に、スイス国立銀行(中央銀行、SNB)の金準備売却禁止法案の是非を問う国民投票を控え、この結果を見極めたいとの思惑も強かった。投票の結果、賛成多数となれば、スイス国立銀行(中央銀行)は、外貨準備に占める金の割合を20%に引き上げることが求められる。その場合、スイス中銀は向こう数年内に約1500トンの金を購入することになるという。

*インドは28日、金輸入業者に課していた輸入量の20%を輸出に振り向ける措置を撤廃した。中国に次ぐ金消費大国のインドは昨年、経常赤字削減のため、「80対20の原則」と呼ばれる同措置を導入した。

*週末28日の海外原油先物相場は、石油輸出国機構(OPEC)の減産見送りを受けて、WTI先物相場が10%の大幅下落となった。北海ブレント先物相場も70ドルを下回った。OPEC加盟国は27日の総会で、生産目標を現行の日量3000万バレルに据え置くことを決めた。発表を受け、相場は感謝祭休場中の電子取引で一時67.75ドルと2010年5月以来4年半ぶりの安値まで急落した。WTI相場に関しては、2010年5月に付けた安値の64.24ドルを下抜ければ、心理的には60ドル、その次は2009年7月に付けた安値の58.32ドルを試す展開になる可能性があるという。

*週末28日のコーンは小反落。ファンド勢の売りに加え、大豆先物が急落したことを受けて利益確定売りに圧迫された。原油相場が大きく値下がりしたことも重しとなった。原油やガソリン価格下落により、燃料添加エタノールの需要が落ち込む可能性があるという。ただ、小麦相場が大きく値上がりしたほか、米農務省が発表した週間輸出成約高で米国産トウモロコシの純成約量が予想を上回ったことから、トウモロコシ相場の下落は限定的だった。

*大豆は、大豆ミールの下落を受けて3%近く下落した。週間輸出成約高(14~20日)によると、米国産大豆の純成約量は148万5400トンとなり、市場予想レンジを上回った。

*週末28日のNY外国為替市場のドル円相場は、原油相場の下落を受けてインフレ低下懸念が広がり、118円台後半に上昇した。石油輸出国機構(OPEC)が27日の総会で原油の生産目標を据え置いたために原油相場が急落。これを受けて、ユーロ圏や日本に物価下落圧力が生じるとの見方から、円は対ドルで下落した。反面米国では、原油安が経済を押し上げるとの見方が強まった。最近の堅調な米経済指標もあって一時118円78銭まで上昇した。ユーロは対ドルで下落。欧州中央銀行(ECB)定例理事会を次週に控え、市場では追加金融緩和観測が高まっている。

*週末28日のNYダウは、原油安が結局は米経済を押し上げるとの見方から小幅続伸となった。この日は、米国では年末商戦初日で「ブラックフライデー(黒字の金曜日)」と呼ばれ、小売業界にとっての書き入れ時。原油安を受けてガソリン価格が下落し、実質的な所得が増加。これによる消費拡大への期待感が強まった。

*毎週末発表されるCFTC建玉報告は、11月27日の米国市場が「感謝祭」で休場だったため、週明け12月1日発表に変更となりました。


【本日の主な経済指標およびイベント】
10:00 (中国) 11月製造業PMI 50.8 50.5
10:45 (中国) 11月HSBC/マークイット製造業PMI・確報 50.0 50.0 
18:30 (英) 11月PMI製造業 53.2 53.0 
24:00 (米) 11月ISM製造業景況指数 59.0 58.0 

*数値は順に、前回(改定値)、予想、結果。