12月2日(火)
【12月1日の海外相場および市況】
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*週明け1日のNY金は、世界的な経済指標の悪化やドル安・ユーロ高を受けて大幅急反発。ムーディーズ・インベスターズ・サービス(MDY)はこの日、日本の政府債務格付けを「Aa3」から「A1」に引き下げた。11月のドイツやユーロ圏の製造業購買担当者景況指数(PMI)が悪化したほか、11月の中国製造業購買担当者景況指数(PMI)も前月の50.5から50.3に低下した。これを受けて、欧州や米国の株価が下落し、リスクヘッジとして金が買われた。先週決定したOPECの減産見送りにより原油価格が下落したためインフレ懸念が後退したこと、30日に行われたスイス中央銀行の準備金拡大法案に対する国民投票で法案が否決されたこと等から、金相場は大幅に下落していたため、昨夜の強材料でショートカバーが大きく膨らんだようだ。CFTC建玉11月25日時点:ファンドの買い越しは7万6207枚(前週比-5215枚)と買い越し幅は減少。総取組高も38万8145枚と前週より7万1512枚減少。

*米欧石油市場では、北海ブレント、WTI原油共に反発した。供給過剰から米国のシェールオイルの生産が縮小する可能性があるとの見方が強まった。ドル安によりドル建て商品相場の割安感が強まった。先週27日、石油輸出国機構(OPEC)による減産見送り決定を受けて、海外原油相場は大幅に下落していたが、WTIが一時63.72ドルと、2009年7月以来約5年4カ月ぶりの安値に下落したため、売られ過ぎ感の強まりが背景にあった。CFTC建玉11月25日時点:ファンドの買い越しは25万3001枚(前週比-2362枚)と買い越し幅は減少。総取組高も138万6635枚と前週より7万2540枚減少。

*コーンは、小麦相場の急伸を受けて上昇。ただ、今年の記録的な豊作を背景に上値は重かった。27日までの週の輸出検証高は74万3769トンと予想の上限だった。CFTC建玉11月25日時点:ファンドの買い越しは24万5099枚(前週比+2万2571枚)と買い越し幅は増加傾向が続いている。総取組高も121万7636枚と前週より11万8333枚減少。

*大豆は、小麦高に連れて反発。ただ、大豆ミール安や、中国の経済指標悪化を受けて同国が買い付けを減らすとの懸念から上値は抑えられた。CFTC建玉11月25日時点:ファンドの買い越しは1万9242枚(前週比-457枚)と買い越し幅は微減。総取組高は67万2574枚と前週より2672枚増加。

*週明け1日のNY外国為替市場のドル円相場は反落。東京市場では、日本国債の格下げを受けて円が売られ一時2007年8月以来7年4カ月ぶりに119円台を付けた。しかし、NY市場では急速な円売りの反動から利益確定による円買い・ドル売りが優勢となった。また、欧米株価が全面安となったことで、投資家らのリスク回避の動きが強まり、安全資産として円を買う動きも出たようだ。米サプライ管理協会(ISM)が発表した11月の製造業景況指数は58.7と、市場予想の57.8を上回った。今週は、4日に欧州中央銀行(ECB)金融政策の発表や週末には11月の米雇用統計発表があるため、ポジション調整が出やすくなりそうだ。

*週明け1日のNY株式市場は、米年末商戦が低調なことから利益確定の売りが優勢となって、3営業日ぶりに反落。アジア、欧州の株式相場が軟調という外部要因も売り要因になったようだ。

【本日の主な経済指標およびイベント】
09:30 (豪) 10月住宅建設許可件数 [前月比] -11.0% +5.0%
12:30 (豪) RBAキャッシュターゲット 2.50%
18:30 (英) 11月PMI建設業 61.4 61.0
19:00 (ユーロ圏) 10月生産者物価指数 [前年比] -1.4% -1.3% 

*数値は順に、前回(改定値)、予想、結果。