12月8日(月)
【12月5日の海外相場および市況】
ny1205

*NY金は続落。終値は10日移動平均線を割り込み、RSI(14日)=47.9%と50%を下回った。11月の米雇用統計が予想以上に良好な内容だったことから、米国の早期利上げ観測が高まり、為替市場でドルが大幅に上昇し、ドル建て金は割高感が強まって売りが優勢となった。米労働省が発表した11月の雇用統計は、非農業部門就業者数は前月比32万1000人増と、市場予想の23万人増を大幅に上回った。市場のリスク回避が後退し、株式市場に資金が流入したため、安全資産の金は売りが強まった。堅調な米雇用統計を背景に早期利上げ観測が強まり、為替市場では、ドル買い・ユーロ売りが活発化し、ドル建て商品価格は割高感が強まって、金や原油の売りにつながった。CFTC建玉12月2日時点:ファンドの買い越しは8万9330枚(前週比+1万3123枚)と買い越し幅は増加。総取組高は36万8128枚と前週より2万24枚減少し、新規の売りが減少している。

*イスタンブール金取引所の統計によると、11月のトルコの金輸入量は46.9トンと前年比で倍増し、6年超ぶりの高水準となった。

*ペルーのエネルギー・鉱山省は5日、同国の10月の産金量が前年同月比8.9%増の13.45トンとなり、1年超ぶりの増加に転じたと発表した。国内最大級のヤナコチャ金鉱山での生産が前年比63%増と大幅増加したことが主因。同山は国内最大規模の生産を誇っている。ペルーは世界5位の産金国。銅と銀の生産国としては3位となっている。

*白金はドル高を受けて急反落。終値は10日移動平均線を下回り、RSI(14日)=47.4%と50%を下回った。CFTC建玉12月2日時点:ファンドの買い越しは2万5826枚(前週比3504枚)と買い越し幅は若干増加。総取組高は6万3522枚と前週より520枚減少し、新規の売りが大幅に減少している。


*NY原油は、サウジアラビアの原油販売価格引き下げやドル高を受けて続落。RSI(14日)=27.4%。米雇用統計の改善を受けて上昇する場面もあったが、サウジが前日、1月積みの米国およびアジア向け公式原油販売価格(OSP)をそれぞれ0.7ドル、1.9ドル引き下げたことが蒸し返されて売りが強まって反落に転じた。米雇用統計発表後に、為替市場でドルがユーロに対し急伸したこともドル建て原油価格の割高感が強まって売り要因となった。CFTC建玉12月2日時点:ファンドの買い越しは26万4996枚(前週比+1万1995枚)と買い越し幅は増加。総取組高は143万9654枚と前週より5万3019毎増加し、新規の買いが増える一方、新規の売りが減少している。北海ブレント原油も、米雇用統計の強い数字を反映したドル上昇を受けて下落。


*米金融大手モルガン・スタンレーは5日、原油の供給過剰と石油輸出国機構(OPEC)の減産見送りを理由に、2015年と16年の北海ブレント原油価格見通しを下方修正した。ブレント原油価格予想は2015年が70ドル、2016年は88ドルとし、従来予想からそれぞれ引き下げた。ただし、供給過剰は、来年下半期にピークに達するとみている。


*コーンは続伸。堅調な輸出需要と大豆相場高が強材料になって、3週間ぶりの高値を付けた。終値は10日、25日、50日すべての移動平均線を上回り、RSI(14日)=62.9%。CFTC建玉12月2日時点:ファンドの買い越しは24万139枚(前週比-4960枚)と買い越し幅は減少。総取組高は119万2166枚と前週より2万5470枚減少し、新規の買いが大幅に減少している。


*大豆は大幅続伸。新たな輸出需要や大豆ミール高が支援材料となった。2014~15年度渡しで24万トンの米国産大豆を民間輸出業者が売却したと、米農務省が発表すると、相場は上昇に転じた。終値は10日、25日、50日すべての移動平均線を上回り、RSI(14日)=54.5%。CFTC建玉12月2日時点:ファンドの買い越しは1430枚(前週比-1万7812枚)と買い越し幅は大幅減少。総取組高は67万5751枚と前週より3177枚増加し、新規の買いが大幅に減少している。


*週末5日のNY外国為替市場のドル円相場は、予想以上に堅調な米雇用統計の発表を受けてドル買いが進み、2007年7月23日以来約7年4カ月ぶりに121円台に急上昇し、一時121円70銭近辺まで値を上げた。11月の米雇用統計では、非農業部門就業者数は前月比32万1000人増加し、市場予想の23万人前後を大きく上回った。失業率は5.8%で変わらず。ユーロは、強い米雇用統計を受けて対ドルで大幅下落した。1.23ドルを割り込み2012年8月20日以来約2年3カ月ぶりの安値をつけた。一方、ユーロ円は149円台に上昇し、2008年10月1日以来約6年2カ月ぶりの水準に続伸した。


*週末5日のNY株式相場は、11月の米雇用統計が予想を上回る強い内容となったことを好感し反発し、終値としての史上最高値を2営業日ぶりに更新した。強い米経済指標は早期利上げ観測を強め、株価を圧迫する要因にもなるが、市場では景気が強ければ利上げに耐えられるとの見方が強まっているという。

【本日の主な経済指標およびイベント】
08:50 (日) 10月経常収支 +9630億円 +3701億円
08:50 (日) 10月貿易収支 -7145億円 -5696億円
08:50 (日) 第3四半期GDP・二次速報 [前期比] -0.4% -0.1%
   (日) 第3四半期GDP・二次速報 [前期比年率] -1.6% -0.5%
16:00 (独) 10月鉱工業生産 [前月比] +1.4% +0.4%
未定 (中国) 11月貿易収支 +454.1億USD +439.5億USD 

*数値は順に、前回(改定値)、予想、結果。