【12月16日 国内市況終値】
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*金は大幅続落。NY金安と為替の円高・ドル安を受けて下落幅が拡大した。終値は10日と25日移動平均線を下回ったが、50日移動平均線は上回っている。RSI(14日)=48.6%と弱地合いに転換した。15日のNY金は、ドル高・ユーロ安や米国の早期利上げ観測を受けて4営業日続落した。時間外取引でも続落し1200ドルを割り込んでいる。16、17両日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)で「相当の間」ゼロ金利を維持するとしている指針(フォワードガイダンス)が削除され、来年半ばとみられている利上げ時期が早まるとの思惑が金を押し下げている。

*白金はNY安と円高が重なり、4営業日続落。終値は10日、25日、50日の移動平均線をすべて下回った。RSI(14日)=44.5%と下落基調に転換した。

*中東産原油は8営業日続落。昨日の海外原油相場は先安観を背景に一段と下落し、東京市場はそれに加えて為替が円高に振れたためCBを含む下落となった。先限は連日、年初来安値を更新している。RSI(14日)=16.6%。石油製品は中東産原油の下落を受けてCBを含む大幅続落となり、いずれも先限は年初来安値を付けた。東京ガソリンのRSI(14日)=17.0%、東京灯油のRSI(14日)=18.5%。

*石油輸出国機構(OPEC)のバドリ事務局長は14日、OPECに原油の目標価格はないと述べたほか、緊急総会の必要性について明言しなかった。また、アラブ首長国連邦(UAE)のマズルーイ・エネルギー相は15日、OPECが緊急会合を開催する必要はないとの認識を示した。サウジアラビアを中心としたOPEC産油国が、原油価格安容認と受け止められる姿勢を見せていることで、市場では底値探りの展開が続いている。本日は、12月のHSBC中国製造業PMIが49.5に低下し、5月(確報値49.4)以来7カ月ぶりに好不況の分岐点とされる50を下回ったことも嫌気されたようだ。今夕には12月のユーロ圏PMIが公表されるが、こちらも弱い内容となれば、中国や欧州の需要減少懸念が強まり、原油相場は一段の安値に沈む可能性がありそうだ。

*ゴムは反落。原油安、円高に加え、12月のHSBC中国製造業購買担当者景況指数(PMI)の悪化を受けて下げ幅を広げた。ただ、終値は201円台を維持し、10日、25日、50日の移動平均線を上回っている。RSI(14日)=54.0%と強地合いは崩れていない。

*トウモロコシは円高を受けて反落。ただ、先限は2万7000円台を維持した。終値は10日、25日、50日の移動平均線を上回っており、RSI(14日)=67.2%。一般大豆も円高により安い。終値は10日、25日、50日の移動平均線を上回っており、RSI(14日)=58.2%。12月の中国製造業PMIは49.5で、7カ月ぶりに50を下回ったことで、中国の景気に対する減速感が強まっているが、今夜のシカゴ穀物市場で弱材料視されるかどうか注意したい。

*東京外国為替市場のドル円相場は、日経平均株価が下げ幅を拡大したことを受けて117円台前半まで下落した。午前中に118円近くまで反発したが、12月のHSBC中国製造業PMIが市場予想を下回る49.5となり、日経平均株価が下げ幅を拡大するとドル円も下落に転じた。

*日経平均株価は、NYダウが原油価格の急落を受け大幅安となったことに影響されて下げ相場となり、中国の経済指標悪化もあって一時前日比380円以上の下げとなった。終値は10月31日以来ほぼ1カ月半ぶりの安値となった。16、17両日に開かれる米連邦公開市場委員会(FOMC)で早期利上げが示唆されるかどうかがポイントになっている。地合いが悪化している状況だけに、早期利上げへの示唆があれば、内外の株価は売られる可能性が高そうだ。

*東京金1時間足
4620~4728円のレンジを下抜けて、次のサポートラインである4550円も割り込んだ。4500円は維持されたが、3本の移動平均線(18本、36本、54本)を下回っている上に、MACDもゼロラインを下回って推移しているため、下落基調が強まっており、下値追いの展開になる可能性がある。
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