【12月19日 国内市況終値】
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*金は続伸。円安やNY時間外高を眺めて朝からジリ高で推移した。終値は10日、25日、50日の移動平均線を上回った。RSI(14日)=56.5%と強基調が続いている。昨夜のNY金は、17日の米連邦公開市場委員会(FOMC)声明を受け、連邦準備制度理事会(FRB)が利上げに対して慎重との見方が広がったことから値を上げていたところに、スイス国立銀行(中央銀行)がマイナス金利を導入するとの発表をしたため、1213.90ドルまで上昇した。ただ、その後は為替相場のドル高・ユーロ安を背景にNY金は値を削り、小幅続伸で終了した。時間外取引は、約4~5ドル高で推移している。

*白金も、円安とNY時間外高を反映して切り返した。終値は10日移動平均線を下回っているが、25日と50日の移動平均線は上回っている。RSI(14日)=50.8%と強基調に転換した。


*中東産原油は反落。18日の欧米原油相場が需給緩和を背景に下落した地合いを引き継ぎ、円安にもかかわらず売り優勢の展開が続いた。RSI(14日)=25.9%。石油製品も中東産原油の下落になびき下落した。原油価格は、WTIが55ドル、ブレントが60ドルという心理的な節目を割り込んだものの、石油輸出国機構(OPEC)は引き続き減産に消極的姿勢を崩していないことから、先安観が払拭できていない。WTIは16日に付けた年初来安値53.60ドルを下抜くかどうかが注目される。AFP通信によると、サウジアラビアのヌアイミ石油鉱物資源相は18日、原油価格が下落しても、市場競争の圧力から減産はできないと語った。ロシアのプーチン大統領は18日の記者会見で、原油相場の先行きに関し、40ドルに下落しても対処するとの見方を示したが、一連の発言が弱材料視されたようだ。一方、アラブ首長国連邦(UAE)のマズルーイ・エネルギー相は18日、価格下落は長期化せず、石油市場は需給均衡を回復するとの見通しを示したが、減産する意思がなく、価格は市場に委ねると受け止められた。東京ガソリンはRSI(14日)=25.9%、東京灯油はRSI(14日)=27.9%。

*ゴムは小幅続伸。円安ながら上海相場の下落を受けて上値が重くなった。ただ、終値は10日、25日、50日の移動平均線をすべて上回っている。RSI(14日)=56.2%。15日に、タイ政府による現物買い介入の報道を受けて水準を切り上げているが、上値の重い展開が続いている。原油安による合成ゴム価格の下落も嫌気されているようだ。

*トウモロコシは伸び悩み。上昇相場を主導していたシカゴ小麦相場が、時間外取引で下落したため、シカゴコーンも軟化し、上値が重くなった。小麦に関しては、通貨ルーブルの急落で小麦が国外に流出し、国内供給が不足するとの懸念から、ロシア政府が輸出規制を強化するとの見方が広がり、シカゴの小麦相場が上昇基調を強め、トウモロコシや大豆などを押し上げた。終値は20日高値を更新し、10日、25日、50日の移動平均線をすべて上回っている。RSI(14日)=72.0%。一般大豆はシカゴ高になびいて続伸。終値は20日高値を更新し、10日、25日、50日の移動平均線をすべて上回っている。RSI(14日)=62.5%と基調は一段と強まった。

*東京外国為替市場のドル円相場は、株価の上げ幅拡大を受け、119円台前半へ一段高となった。日銀は金融政策決定会合で現状維持を決めた。マネタリーベースが「年間約80兆円」に相当するペースで増えるよう金融市場調節を行う方針を据え置いた。長期国債は「年間約80兆円」、指数連動型上場投資信託(ETF)と不動産投資信託(J-REIT)はそれぞれ「年間約3兆円、年間約900億円」に相当するペースで保有残高が増加するよう買い入れる方針も維持した。

*日経平均株価は、海外株高と円安を受けて、買いが優勢となった。原油安を背景とした世界的な株価の調整は終了したとして、市場は年末高への期待が高まっている。

*東京金1時間足
昨夜は4624円まで上昇し、上値抵抗線の4630円に迫ったが、ブレイクできずに押し返された。しかし、4550円のサポートが維持されて反発し、18本、36本、54本の3つの移動平均線を上回った。MACDはゼロラインを越えて上昇しており、押し目完了から上昇相場へと移行している。4550~4630円のレンジに移行して、再度、4630円ブレイクを狙う展開になりそうだ。
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