【東京金テクニカル分析】
昨夜のNY金は、前日の米連邦公開市場委員会(FOMC)声明を受けた売りが加速し大幅続落となった。
公表されたFOMC声明は、事実上のゼロ金利政策の継続に加え、利上げに向け「忍耐強くなれる(can be patient)」との指針(フォワードガイダンス)の維持が決定された。

大方の予想通りの結果だったが、景気認識に関しては上方修正され、雇用情勢の持続的な回復などを理由に、前回まで引用された「ゼロ金利を相当な期間(considerable time)維持する」との文言が削除された。

米景気の回復が安定してきたことから、市場では、年内のゼロ金利解除に向けての措置との見方を強め、ドルが反発し、NY金は一時1251.0ドルまで下落した。

これを受けて東京金相場も、昨日の夜間取引では一時4758円まで下落し、10日ぶりの安値をつけた。

日足を見ると、一目均衡表の転換線を割り込み、MACDはデッドクロスを示現しつつある。
ただ、まだ基準線や25日移動平均線にも達していないため、高値からの調整安場面に留まっている。

*東京金日足
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今夜は、昨年第4四半期米実質国内総生産(GDP)速報値が発表される。予想3.1%増と、リセッション後の平均2.2%増を上回る見込み。なお、第3四半期の米実質国内総生産(GDP)確定値は前期比年率5%増に上方修正され、2003年第3四半期以来で最高だった。

第4四半期GDP速報値が良好であれば、今年半ばでの利上げの実現の可能性が高いとの予想が強まり、為替市場ではドル買い・円売りが進行し、金市場では売りが強まるだろう。

その場合、東京金相場は基準線と25日移動平均線のある4700円が維持されるかどうかがポイントになるだろう。

4700円が維持されれば、押し目が確認されたとして下値を4700円、上値を転換線のある4860円とするレンジが形成されるだろう。その後は、2月6日に発表される2015年1月の米雇用統計の内容次第で次の方向性が出てくるだろう。

逆に、4700円を割り込んだ場合、基準線と25日移動平均線を割り込むため、上昇相場にヒビが入った格好になり、50日移動平均線や雲の上限レベルまで下落する可能性が出てくるだろう。


今後のFOMCの日程は、3月17~18日、4月28~29日、6月1~17日、7月28~29日、9月16~17日、10月27~28日、12月15~16日であり、イエレン議長の記者会見は、3月、6月、9月、12月に実施される。

利上げ時期に関しては、いきなり、「決定」とするのも唐突であり、株式市場へのインパクトも大きくなるだろうから、早ければ3月の記者会見で匂わせ、6月で実施だろうか。6月でなければ9月へとずれ込むだろう。市場のコンセンサスが6月というのも肯ける。だが、今後の景気動向次第では、さらに遅れる可能性もあり、注意が必要だろう。

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