【1月米雇用統計を受けてドル円、東京金はどうなるか】

6日に発表された1月の米雇用統計では、非農業部門就業者数は25万7,000人の増加となり、事前予想の22万8,000人を大幅に上回った。また、昨年11月の就業者数は35万3,000人増から42万3,000人増へと上方修正され(これは過去17年において最大の増加)、12月の就業者数も25万2,000人から32万9,000人に上方修正された。

失業率は、5.7%と前月の5.6%より0.1ポイント上昇した。しかし、これは、労働市場の活性化を受け、求職者数が増加した結果と見られている。  

注目された賃金(平均時給)については、12月の0.05ドル安から、1月は0.12ドル増(前年比では+2.2%)と改善していた。

*雇用統計

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前2ヶ月の大幅な上方修正も加わって新規雇用が大幅に改善していることが確認された。賃金も徐々に上昇し、民間部門平均時給は24.75ドルと、前月比で0.12ドル増加した。雇用指標の大幅な改善を受けて、市場では米連邦準備制度理事会(FRB)が年央に利上げに踏み切るとの観測が高まった。

為替市場ではドルが対主要通貨で上昇し、特にドル円相場は発表前の117円20銭台から一気に118円40銭台に急伸し、その後もドル買い・円売りが継続し、一時119円23銭と、1月12日以来約4週間ぶりの高値をつけた。週明け9日も、この流れを受け継いで119円台で始まったが、その後は利益確定売りが先行し、118円台後半で推移している。

日足を見ると、一目均衡表の転換線と基準線を上回ったものの、依然として雲の中に留まっている。遅行線もまだ実体の下側にあるため、上昇相場に転換したとは言い難いところ。

一方、MACDはゼロラインでゴールデンクロスしつつあることに加え、RSI(14日)も50%を超えてきたので上昇基調に転換しつつあるといえる。雲の上限をブレイクできるかどうか注目したい。

*ドル円日足
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NY金は、ドル相場の上昇を受けて、前日比28.10ドル安の1234.60ドルと大幅下落した。1月14日以来約3週間ぶりの安値で取引を終了し、終値は50日移動平均線を割り込んだ。東京金も円安が進んだにもかかわらず、下落する展開となった。

東京金日足を見ると、雇用統計発表前の6日終値時点までは、11月6日の安値4194円を起点とする上昇トレンドライン(サポートライン)と1月23日の高値4958円を起点とする下落トレンドライン(レジスタンスライン)に挟まれて、保ち合い状態となっていた。しかし、現在、大きな陰線が入り、サポートラインを割り込む展開になっている。これにより25日移動平均線も下回り、RSI(14日)も47.3%と強弱の分岐点である50%を割り込んでいることから、下落基調が強まる可能性が高いだろう。ただ、下側には50日移動平均線、20日安値ライン、さらには100日移動平均線と強力なサポートラインとなるラインがあるため、RSI(14日)が30%を割り込むレベルまで下落すれば、調整安のポイントになる可能性が高いだろう。

*東京金日足

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