【日米の重要イベント終了し、ドル円、東京金はどうなるか】
昨日18日は、日米で重要なイベントが相次いだ。

18日、日本銀行は金融政策決定会合を開き、現在の金融緩和策を維持し、年間で約80兆円のペースで資金供給する方針の維持も決定した。景気の現状については、「緩やかな回復基調を続けている」との判断を据え置いた。去年4月の消費税率引き上げ以降の駆け込み需要の反動減の影響については、反動減が収束したとの判断から文言がなくなった。下落傾向にある消費者物価について、黒田日銀総裁は、「原油価格下落の影響が剥落するに伴って、2015年度を中心とする期間に2%程度に達する可能性が高い」と、日銀の物価安定目標である2%の達成を見込んだ。今後の追加緩和については、「直ちに追加的なことは考える必要はない」との考えを示したが、物価安定目標の早期達成が難しくなった場合は、「躊躇なく調整する」と強調した。


18日(日本時間19日午前4時)、連邦準備制度理事会(FRB)は、連邦公開市場委員会(FOMC、1月27-28日開催)議事録を公表した。連邦準備制度理事会(FRB)当局者は、米経済が抱えるリスクを踏まえ、利上げ開始を早くし過ぎることに懸念を示し、政策金利を過去最低付近でより長期間維持することが支持されると判断した。また、FRBの金利指針(フォワードガイダンス)から、利上げに「忍耐強く」対応するとの文言を削除した場合、市場が過度に反応する影響について心配する意見も出たが、FF金利は既に十分長い期間、下限で維持されており、近い将来の政策引き締め開始が適切かもしれないとの見解を示した。適切な初回利上げの時期については見解が割れたことが示された。リスクについては、現在は「ほぼ均衡」しているが、さらなるドルの上昇、ギリシャやウクライナなど国外の懸念材料、緩慢な賃金の伸びが利上げ開始を遅らせていると指摘した。 今後の金融政策はデータ次第との見解で一致した。

為替市場では、FOMC議事要旨発表後、ドルが主要通貨に対して下落した。FOMC議事要旨で、時期尚早な利上げは景気回復の妨げになりかねないとの懸念が示され、「忍耐強い(patient)」との文言を削除すると市場の利上げ期待を「過度に限定させる」可能性があるとの指摘が見られたことから、早期の利上げ期待が後退した。ドル円は公表前の119円30銭台から一時118円55銭と約1週間半ぶりの安値を付けた。

*ドル円5分足
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ドル円の日足を見ると転換線を下回っているが、下値は基準線と雲にサポートされており、狭いレンジで保ち合いとなっている。MACDはゼロラインを越えているものの、RSI(14日)=50.7%で地合いは中立状態にあるといえる。ただ、この先、サポートゾーンの雲が収縮し、来週には基調転換の可能性となる雲のねじれの時間帯を迎える。転換線を超えて120円を回復できなければ、雲を下抜ける可能性が高まることに注意したい。

*ドル円日足

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昨日のNY金は、ギリシャ支援協議の進展期待を背景に売りが優勢となって続落し、一時1197.20ドルまで下落したが、引け後に公表されるFOMC議事要旨の内容を見極めたいとの思惑から買い戻され、終値は1200ドル台を回復した。取引終了後に公表されたFOMC議事要旨では、連邦準備制度理事会(FRB)当局者らが利上げ開始を早くし過ぎることに懸念を示していたことが判明し、NY金時間外相場(日本時間午前11時)では17ドル反発し、1217ドル台で推移している。金はこれまで、早ければ6月にも利上げを開始するとの観測から、上値が重くなっていた。しかし、今回のFOMC議事録で、市場は、利上げ時期が9月以降にずれ込むとの見方を強める可能性がある。

東京金は為替が円高(118円50銭台)に振れているものの、NY金時間外取引の反発を受けてプラスに転換し、4633円(前日比+9円)前後に浮上している。日足では下ヒゲとなって下値の堅さが確認されているようだ。テクニカル的には、一目均衡表の転換線を割り込んでから、下落基調に転換し、16日には50日移動平均線を割り込んだ。しかし、昨夜の夜間取引でつけた安値4582円は100日移動平均線にサポートされた格好になっている。雲の中に入り込んで、雲のサポートも受けて下げ止まる可能性が高い。RSI(14日)も40%割れから反転しており、1月23日につけた年初来高値4958円からの調整安も終局に入ったかもしれない。今後、反発に転じ、50日移動平均線と転換線をブレイクすれば調整局面が終了し、上昇相場再開となるだろう。

*東京金日足

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