3月5日(木)
【3月4日の海外相場および市況】
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*4日のNY金は、ドル高が弱材料となり3日続落。2月のADP雇用統計は21.2万人と予想の21.9万人を下回ったが、1月の雇用者数が21.3万人から25.0万人に上方修正されたことで、為替市場ではドル買い・ユーロ売りが進んだ。ユーロは対ドルで一時約11年6カ月ぶりに1.10ドル台後半に下落した。ドル建て金の割高感が強まって売り込まれ、一時1197.70ドルと、節目の1200ドルを割り込んだ。ただ、売り一巡後は買い戻しが入り、1200ドル台に浮上。5日の欧州中央銀行(ECB)の理事会や6日の米雇用統計を控えて下げ渋った。RSI(14日)=39.6%。白金は続落。RSI(14日)=42.6%。
*4日のNY(WTI)原油は、米原油在庫の急増で一時売られたが、その後じゃ反発に転じ続伸した。米エネルギー情報局(EIA)が発表した週報によると、最新週の米原油在庫は前週比1030万バレル増と市場予想の420万バレル増を2倍以上上回る積み増しとなった。ガソリンは予想の190万バレル減に対してほぼ変わらず。ディスティレート(留出油)は170万バレル減(予想は270万バレル減)となった。原油在庫の大幅な積み増しを受けて相場は下落し、一時50ドルを割り込んだ。しかし、サウジアラビアが前日、アジアと米国向けライト原油の公式販売価格(OSP)を引き上げたことや、ヌアイミ石油鉱物相がベルリンの講演で原油の需給関係は安定するとの見解を示したことが強材料視され反発に転じ、高値圏で引けた。RSI(14日)=52.7%。北海ブレント原油は下落。ただ、イランが欧米諸国との核協議をめぐり、核開発の長期凍結を迫る米国案に強い反対を唱えたことから、安値からは引き戻した。

*シカゴトウモロコシは小幅反落。トウモロコシを原料とするエタノールの生産が減少したことや、ドル高が米国産トウモロコシの輸出を抑えるとの見方から売りが先行した。RSI(14日)=52.2%。

*シカゴ大豆は3日続落。終値は10日、25日、50日の移動平均線を下回った。RSI(14日)=47.0%。

*4日のNY外国為替市場のドル円相場は、週末の米雇用統計発表を控えて様子見が広がり、119円台後半で値幅の狭い動きとなった。オートマティック・データ・プロセッシング(ADP)の2月の民間就業者数や米サプライ管理協会(ISM)の2月の非製造業景況指数はあまり材料視されなかった。ユーロは、翌5日の欧州中央銀行(ECB)理事会を控えて追加金融緩和観測が強まり、対円、対ドルで売られた。欧州各国のサービス業購買担当者景況指数(PMI)も弱材料となった。ユーロはロンドン市場では、対ドルで2003年9月初旬以来11年6カ月ぶりに一時1.10ドル台を付けた。対円では一時132円41銭と、2月3日以来1カ月ぶりの安値を付けた。

*NYダウは続落。高値警戒感による利益確定の売りが強まった。2月のADP雇用報告で、非農業部門の民間就業者数が前月比21万2000人増と市場予想を下回ったことも売り材料となった。米サプライ管理協会(ISM)が発表した2月の米非製造業景況指数は市場予想を上回り、下げ幅は縮小した。ただ、欧州中央銀行(ECB)の理事会を5日に、米労働省の雇用統計を6日に控えて、動きにくくなった。ECBは3月から追加金融緩和を実施する予定で、緩和マネーが米株市場にも流入するとの期待感が高まっている。

【本日以降の主な経済指標およびイベント】
09:30 (豪) 1月小売売上高 [前月比] +0.2% +0.4%
09:30 (豪) 1月貿易収支 -4.36億AUD -9.25億AUD
21:00 (英) BOE政策金利発表 0.50%
21:45 (ユーロ圏) 欧州中銀金融政策発表 0.05% 
22:30 (米) 週次新規失業保険申請件数 31.3万件 29.5万件

*数値は順に、前回(改定値)、予想、結果。