3月17日(火)
【3月16日の海外相場および市況】
*週明け16日のNY金は、ドル安による買いと株高を受けた売りが交錯した後、小幅続伸した。RSI(14日)=25.6%。為替市場では、前週末のドル高が一服し、ドル安・ユーロ高によるドル建て金の相対的な割安感を受け、買い戻しが入った。しかし、その後はNYダウが上昇したことを受けて買いの勢いが弱まった。市場では、17、18日に行われる連邦公開市場委員会(FOMC)の行方に注目が集まっている。利上げに向けて「忍耐強く」対応するとの指針(フォワードガイダンス)が変更されるかどうかが焦点。白金は反落し、一時2009年7月以来5年8カ月ぶりの安値を付けた。終値は50日安値を更新した。RSI(14日)=23.6%。
*週明け16日のNY原油は、米原油在庫の積み増しに対する懸念から5営業日続落。終値は25日安値を更新した。RSI(14日)=33.9%。2009年3月以来約6年ぶりの安値で終えた。国際エネルギー機関(IEA)は前週、米国の貯蔵能力の限界に達する可能性を指摘。一段の米在庫増に対する警戒感が強まり、一時42.85ドルまで下落した。エネルギー情報企業ジェンスケープの予想によると、米オクラホマ州クッシングの米原油先物受け渡し拠点の先週の原油在庫は300万バレル以上増加し、10週連続の在庫積み上がりで過去最高を記録すると懸念されている。イランと欧米など6カ国の核問題をめぐる交渉が進展、合意が近付いていることを受け、イランの原油輸出量が増えるとの思惑が広がったことも、圧迫材料となった。ただ、為替市場でドルが対ユーロで下落したため、ドル建て原油相場は割安感に下支えされ、下げ幅を縮小した。ソシエテ・ジェネラルは、世界の原油在庫が日量160万バレルのペースで増加しており、2015年後半には増加速度が日量170万バレルに加速すると試算している。ゴールドマン・サックスはアナリスト・リポートで、米国での油田掘削リグ稼働数が減少しても、2015年後半の産油量の減少規模は限定的だと指摘した。
*北海ブレント原油も下落し、一時6週間ぶり安値の52.50ドルまで下げた。米国やリビアで増産の兆しが出ているほか、欧米とイランが核協議で合意すればイラン産原油の禁輸など制裁措置が解除され、市場への原油供給量が増える可能性があるとの観測が強まった。業界関係者は16日、リビアの産油量が日量約49万バレルに増加したと述べた。
*シカゴトウモロコシは、輸出検証高が予想を下回ったため、3営業日続落した。週間輸出検証高(6~12日)によると、米国産トウモロコシの検証高は73万5311トンで、予想の下限を下回った。RSI(14日)=42.0%。
*シカゴ大豆は、大豆ミール相場の下落に追随して安い。全米油実加工業者協会(NOPA)は、2月の圧砕統計を発表。それによると、圧砕量は1億4697万ブッシェルと、前年同月比3.8%増加した。RSI(14日)=39.6%。
*週明け16日のNY外国為替市場のドル円相場は、様子見が広がり121円台前半で小動きとなった。18日の連邦公開市場委員会(FOMC)声明発表や17日の日銀の金融政策会合を控えて、内容を見極めたいとの見方が広がり、終日にわたって値幅の狭い動きが継続した。2月の米鉱工業生産や3月のNY州製造業景況指数はいずれも市場予想を下回った。このため、一時的に円買い・ドル売りが優勢となる場面もあったが、反応は限定的。
*週明け16日のNY株式相場は、欧州株高やドル高一服を受けて買い戻す動きが強まり大幅反発し、1週間ぶりの高値で終了した。ドル高進行の一服で、グローバル企業の業績悪影響の懸念も一時的に後退した。17、18両日の連邦公開市場委員会(FOMC)では、ゼロ金利解除に向けて「忍耐強く」対応するとの指針を変更するかどうかが焦点。しかし、16日発表の経済指標では、2月の鉱工業生産指数や3月の住宅建設業者信頼感指数がいずれも市場予想を下回ったため、市場では6月の早期利上げ観測が後退したとの見方が広がり、買い安心感が強まった。
【17日の主な経済指標およびイベント】
未定 (日) 日銀金融政策決定会合
09:30 (豪) RBA議事録
19:00 (独) 3月ZEW景況感調査 53.0 59.4
19:00 (ユーロ圏) 3月ZEW景況感調査 52.7
21:30 (米) 2月住宅着工件数 106.5万件 104.0万件
21:30 (米) 2月建設許可件数 105.3万件(106.0万件) 106.5万件
*数値は順に、前回(改定値)、予想、結果。
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