3月19日(木)
【3月18日の海外相場および市況】
ny0318

*18日のNY金は、連邦公開市場委員会(FOMC)の声明待ちで見送りムードが広がる中、調整的な買いに小反発した。FOMC声明では、事実上のゼロ金利解除に向けて「忍耐強く」対応するとの文言が削除されるかどうかが焦点。仮に文言が削除されたとしても6月からの利上げが確約される訳ではなく、利上げ時期については不透明感が残るため、様子見となった。RSI(14日)=28.6%。引け後に発表されたFOMC声明からは、「忍耐強く」の文言が削除され、雇用改善、物価目標達成への「合理的確信を得て利上げするのが妥当」との指針(フォワードガイダンス)に変更された。また、連邦準備制度理事会(FRB)の政策金利見通し(中央値)は、2015、16、17年末についていずれも昨年12月時点から下方修正された。これをきっかけにドル売り・ユーロ買いが進行。ドル建て金の割安感から買いが活発化した。FOMC声明発表後の時間外取引では、一時1172ドル台まで上伸した。

*白金は3日続落し、2日連続で2009年3月半ば以来の安値を付けた。RSI(14日)=20.8%。

*18日のNY原油は、軟調に推移した後、連邦公開市場委員会(FOMC)の声明発表を受けてドルが下落したため、急反発に転じた。米エネルギー情報局(EIA)がこの日発表した週報では、原油在庫が前週比960万バレルの大幅増となった。米国の原油受け渡し拠点であるオクラホマ州クッシングの在庫も290万バレル増と、記録的な高水準となったことから、一時42.03ドルと、6年ぶりの安値を付けた。しかし、午後に発表されたFOMC声明では、利上げに対し依然慎重な姿勢が示され、為替市場でドル売り・ユーロ買いが急加速し、ドル建ての原油相場も割安感が強まるにつれて急反発に転じた。RSI(14日)=37.8%。北海ブレント原油もドル安を受けて大幅急伸となった。

*シカゴトウモロコシは5営業日ぶり反発。連邦準備制度理事会(FRB)が連邦公開市場委員会(FOMC)後に発表した声明から「忍耐強く」という文言が削除された。これを受けてドルが下落したため、商品市場は総じて上昇し、トウモロコシにも買いが入った。RSI(14日)=40.3%。大豆は5営業日ぶりに反発。ただ、南米産の収穫が進み、半分近くが完了したことは、上値を抑えた。RSI(14日)=40.3%

*18日のNY外国為替市場のドル円相場は、米利上げの後ずれ観測の強まりを受けてドルが売られ、大幅下落となった。連邦公開市場委員会(FOMC)声明が公表されると、円買い・ドル売りが加速した。連邦準備制度理事会(FRB)は大方の予想通り、事実上のゼロ金利解除に向けて「忍耐強く」対応するとの指針(フォワードガイダンス)を削除したものの、今年末の政策金利見通しが大幅に下方修正されたことで、9月利上げ開始の可能性が高まったとの見方が広がった。米金利が急低下し一時119円29銭まで下落、2週間半ぶりの安値を付ける場面もあったが、その後は買い戻されて120円台に浮上した。

*18日のNYダウは、連邦公開市場委員会(FOMC)声明などで利上げを慎重に探る姿勢が示されたことを好感し、大幅に反発した。約2週間ぶりに1万8000ドルの大台を回復して終了した。FOMC声明では、事実上のゼロ金利解除に「忍耐強く」対応するとした文言を削除。6月以降に、利上げに踏み切る可能性が出てきた。一方、声明は利上げにあたり、雇用やインフレを見極めると強調し、文言削除は最初の利上げ時期を決定したことを示すものではないと念を押すなど、慎重な姿勢を示した。文言削除は予想通りだった上、市場はFOMC声明やイエレン議長の記者会見が利上げに慎重なハト派的だったと受け止めて、買い安心感が広がり、ダウは一時1万8100ドル直前まで買われた。市場では、最初の利上げは9月になり、その後の利上げペースも緩やかになりそうだとの見方が強まった。


【19日の主な経済指標およびイベント】
06:45 (NZ) 第4四半期GDP [前期比] +1.0%(+0.9%) +0.8% +0.8%
(NZ) 第4四半期GDP [前年比] +3.2% +3.4% +3.5%
21:30 (米) 週次新規失業保険申請件数 28.9万件 29.3万件-
21:30 (米) 第4四半期経常収支 -1003億USD -1041億USD 
23:00 (米) 3月フィラデルフィア連銀景況指数 5.2 7.0 

*数値は順に、前回(改定値)、予想、結果。