【白金と金の逆ザヤ解消には時間がかかりそう】

先週17、18日に開催された連邦公開市場委員会(FOMC)では、フォワードガイダンスから「忍耐強くなれる」との文言が削除された一方で、景気見通しは前回の「しっかりと拡大」から「やや緩やかになった」へと表現が弱められた。

「労働市場のさらなる改善、中期的にインフレ率が2%目標に向かって戻ると合理的確信が持てた時に、政策金利の目標誘導レンジを引き上げることが適切」と声明文に記載され、市場は、6月の利上げの可能性は小さくなったと見ている。

FOMCによるFF金利見通しも、前回の12月時点の1.125%から0.625%へと下方修正され、金利先物市場では9月の利上げ開始予想が優勢となった。

現段階では0.25%ずつのペースであれば、今年中は多くても2回程度の利上げにとどまるとの見方が有力になった。加えて、米国ではドル高が輸出の足かせになっているとの見方も出ており、FOMC後はドル高の是正が継続している。

ドル買いポジションが巻き戻された結果、ドル建て国際商品価格には割安感が生じ、先週から貴金属、エネルギー、穀物は軒並み下値を切り上げている。

CRB指数も18日につけた年初来安値である209ポイントから、24日には217ポイント台へ3.8%も反発しており、下落相場が続いていた商品相場に転機が訪れている。

NY金は先週18日の安値1141.6ドルから、25日の終値1197.0ドルまで4.8%上昇し、NY白金は先週18日の安値1086.7ドルから、25日の終値1146.5ドルまで5.5%上昇している。

ここで注目は、反発に転じた場合、白金の上昇率が金の上昇率を上回ることだろう。市場規模は白金の方が小さいため、いざ動き出すと、白金のボラティリティ(変動率)が高まる。

さて、白金と金は、1月19日にNY市場と東京市場で同時に逆ザヤ(白金が金よりも安い)状態になった。東京市場では、2月2日に130円まで拡大し、2月6日には同ザヤまで縮小した。その後、再び拡大し、3月18日には170円まで拡大した。週明け23日には114円まで縮小したものの、25日には147円まで拡大している。3月18日の170円を超えることがなければ、サヤ縮小の可能性が高まる。

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金相場にとっては、ドル下落に加えて、最近の不安定な株式市場が強材料になっている。25日のNY株式市場は、2月の耐久財受注額が前月比1.4%減と市場予想の0.4%増を大きく下回り、米景気の先行きに対する警戒感が強まって大幅下落となった。3月期末を控えたファンドが換金売りを出しいることもあり、株式相場は戻り売り優勢の展開になってきた。

一方、白金相場にとっては、ドル安は金相場同様に強材料だが、産業用貴金属という側面から株式市場の下落は嫌気される。また、24日に発表されたHSBCの3月の中国製造業購買担当者景況指数(PMI)速報値が市場予想を下回り、需要減退への懸念が出ていることも弱材料視されている。そのため、25日に発表されたドイツの3月IFO景況指数が107.9と予想の107.3を上回り、前回の106.8よりも大幅改善したという強材料を相殺してしまったようだ。

白金と金の逆ザヤ解消には、まだ時間がかかりそうだ。

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