3月27日(金)
【3月26日の海外相場および市況】
ny0326

*26日のNY金は、サウジアラビア主導の対イエメン空爆開始を受けてリスク回避の買いが入り、6営業日続伸した。終値が1200ドル台を回復したのは3月4日(1200.90ドル)以来約3週間半ぶり。サウジと湾岸アラブ諸国が、イエメン南部の都市アデンを掌握したイスラム教シーア派系の武装組織「フーシ派」に対する空爆を開始したとの報を受け、投資家のリスク警戒感が強まった。空爆は、サウジが地上部隊を投入した攻撃を視野に入れた準備との見方もあり、先行き不透明感が強まった。市場では、投資資金を相対的に安全とされる金やドイツ債に振り向ける動きが活発化した。さらに、為替市場で対ユーロでのドル下落が重なり、ドル建て金の割安感が強まって買い意欲が高まった。一時1219.50ドルまで上伸したが、NY市場に入ると、ドル安の流れが反転したため、徐々に上昇幅を縮小した。終値は50日移動平均線を上回った。RSI(14日)=58.5%。白金は続伸。終値は25日移動平均線を上回った。RSI(14日)=50.8%

*26日のNY原油は、イエメンの空爆開始を受けて中東地域の地政学的リスクが高まり続伸した。サウジアラビアとその同盟国がイエメンのイスラム教シーア派系の武装組織「フーシ派」への空爆を開始したことを受け、中東のエネルギー輸送が危険にさらされる恐れがあるとの懸念が高まった。イエメンは産油国としては重要性が低いものの、スエズ運河に向けた原油輸送ルートの主要通過点となるバブ・エル・マンデブ海峡に面していることから、供給への影響が懸念されている。終値は50日移動平均線を上回った。RSI(14日)=58.8%。北海ブレント原油も地政学的リスクを受けて一時60ドルに迫るなど急伸した。

*シカゴトウモロコシは、5営業日ぶりに反落。一時2月20日以来の高値まで上伸したが、ドル高を受けた利食い売りに圧迫され、下落に転じた。RSI(14日)=54.8%。シカゴ大豆は3日続落。ドル高や、米政府が来週発表するリポートで、農家が大規模な作付けを計画
していることが示されるとの観測に圧迫された。RSI(14日)=45.3%。

*26日のNY外国為替市場のドル円相場は、サウジアラビアによるイエメンへの軍事介入をきっかけにリスク回避からドル売り・円買いとなり反落した。サウジ軍はこの日、周辺アラブ国の支持を背景にイスラム教シーア派系武装勢力が攻勢を強めるイエメンの首都サヌアで空爆を実施。地上部隊の投入を準備しているとも伝えられる中、安全通貨とされる円やスイス・フランが買われた。円は、欧州時間に一時118円30銭近辺まで上伸。しかし、NY市場に入ると反発した。米労働省が朝方発表した週間新規失業保険申請件数は、9000件減の28万2000件。市場予想の29万件に比べ少なく、ドル買いが強まり119円台を回復した。

*26日のNY株式市場は、中東情勢の悪化を受けて4営業日連続で下落。サウジアラビア主導の部隊によるイエメン空爆を嫌気して売りが先行。ギリシャの債務問題をめぐる不透明感も相場を圧迫し、ダウは一時、約140ドル安まで売られた。この日発表された新規失業保険申請件数は、予想よりも良好な内容。売り一巡後には買いが入り、株価は一時プラス圏まで戻す場面があったが、結局再び売られた。米主要企業の1~3月期決算は減益の見通しで、ドル高の影響もあって買いが入りにくいようだ。


【本日以降の主な経済指標およびイベント】
08:30 (日) 2月全国消費者物価指数 [前年比] +2.4% +2.3% 
   (日) 2月全国消費者物価指数 [前年比:除生鮮] +2.2% +2.1% 
08:30 (日) 2月失業率 3.6% 3.5% 
21:30 (米) 第4四半期GDP・確報値 [前期比年率] +2.2% +2.4% 
23:00 (米) 3月ミシガン大消費者信頼感指数・確報値 91.2 92.0 

*数値は順に、前回(改定値)、予想、結果。