【NY原油、レンジ相場から抜け出せない】

NY原油相場は、長期的な供給過剰見通しと足元の在庫増を受けて、下げ幅が拡大している。

13日に公表された国際エネルギー機関(IEA)による9月の市場月報で、2016年の世界の石油需要見通しを日量9610万バレルとし、前月の予想より同15万バレル下方修正した。2017年の需要予測に関しては日量9730万バレルと前回から同20万バレル下方修正した。石油の供給過剰状態が「少なくとも2017年前半まで続く」と予想し、中国やインドなど新興国の景気減速に加え、サウジアラビアなどの産油国が増産を続けていることから、原油安が長期化する可能性があるとの見方を示した。

また、IEA推定による8月の石油輸出国機構(OPEC)の産油量は日量3347万バレルで前月比で2万バレル増だった。

14日に発表された米エネルギー情報局(EIA)による週間在庫統計では、前週比で原油在庫は60万バレル減と予想の380万バレル増に反して取り崩しとなったが、ディスティレート(留出油)在庫は460万バレル増と、市場予想の150万バレル増を大幅に上回った。また、ガソリン在庫も60万バレル増と予想の30万バレル増を若干上回る積み増しとなった。石油製品の供給過剰に対する懸念が強まった。

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ナイジェリアでは、7月以降パイプラインの原油漏れを背景に原油輸出に支障が出ていたが、設備の修復が終了し原油輸出が再開した。

石油輸出国機構(OPEC)はロシアも交えて、アルジェリアで26日から28日まで、増産凍結をめぐり非公式会合を開くが、市場は増産凍結合意について懐疑的に見ており、「結局、何もできない」との冷めた見方が強まっている。

弱材料が相次ぎ、NY原油は、先週の高値47.75ドル(9月8日)からおよそ9.1%下落している。ただ、目先、40ドルのサポートラインは維持される見通し。月末のOPECとロシアの会合が控えており、米国東海岸には熱帯性暴風雨ジュリアが停滞し、再び原油輸入の陸揚げに影響を与える可能性がある。更には、メキシコ湾でも低気圧が発達中で、こちらは海洋油田の操業に影響を与える可能性があるという。

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NY原油は依然として40~50ドルのレンジから抜け出せそうにない。



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