【トルコリラ円、先週の動き・今週の予想】
*先週のトルコリラ円は小安く推移した。トルコ中央銀行は20日開いた金融政策決定会合で、主要な政策金利である1週間物レポ金利を7.5%で据え置いた。今回は、翌日物貸出金利(上限金利に相当)と翌日物借入金利(下限金利に相当)も据え置いた。通貨リラの下落を受け、物価上昇懸念への配慮が必要と判断したという。翌日物貸出金利の据え置きは2月以来、8カ月ぶりとなる。エルドアン政権は、7月のクーデター未遂事件直後に発令した非常事態宣言を90日間延長した。大統領権限の強化問題やイラクでの戦闘激化などへの懸念も加わり、リラの対ドル相場は過去最安値を更新していた。今回の会合に先立ち、大統領側近が金利の据え置きに理解を示すなど中銀への利下げ圧力も弱まっていた。

*トルコ中央銀行は、主要政策金利の1週間物レポ金利を挟み、「3つの政策金利」によるコリドー(金利レンジ)を形成して、市場金利を誘導するやや複雑な金融政策を採用している。将来的には、 「金融政策の簡素化」を進め、金利の一本化を目指していると見られている。

*今週のトルコリラ円は保ち合いが続きそうだ。トルコ中央銀行は、通貨リラが軟調なことを理由に政策金利を据え置いた。エルドアン大統領が緩和を繰り返し求めていただけに、市場は据え置きを予想外と受け止めた。中銀は声明で「為替レートの最近の動向やコスト要因などにより、インフレ見通しの改善が抑制された。このため慎重な金融政策スタンスの維持が必要となる」とした。景気指標は強弱入り混じり、7月のクーデター未遂事件の余波が続いているようだ。

また、米国の利上げ観測の高まりにより、新興国通貨には売り圧力がかかりやすくなっている。10月のトルコ消費者信頼感指数は前月と比べて低下しており、クーデターの影響に加え国内の相次ぐテロ事件もあって、国内の景況感はやや後退しているようだ。ただ、エルドアン大統領と経済閣僚や中銀は、通貨安がもたらすネガティブな影響を意識しはじめた可能性があり、下値も限られる可能性が出てきた。

トルコ軍はシリアのクルド人勢力に激しい空爆を加えているが、クルド人勢力側もトルコに砲撃を行い反撃しており、国境を挟んで双方の戦闘は激化している。米国はイスラム国(IS)に対抗する勢力としてシリアのクルド人勢力をバックアップしてきたが、トルコはこの勢力が国境近くのシリア北部で支配地域を広げ、いずれはクルド人の分離独立につながると警戒を強めている。そこにアサド政権を支持するロシアが絡んで、英米仏対露土といった様相を呈しており、解決にはなお時間がかかりそうだ。

予想レンジ:31.00円~35.00円

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