12月1日(木)
【11月30日の海外相場および市況】
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*30日のNY金は続落し、10カ月ぶりの安値をつけた。ドル高・ユーロ安の進行や原油高や株高を背景に続落した。この日発表された米経済指標は良好だった。ADP全米雇用報告は、11月の非農業部門の民間就業者数が21万6000人増と市場予想を大幅に上回った。10月の個人消費支出が前月比0.3%増と予想は下回ったものの、まずまず堅調な伸びを示した。11月のシカゴ景況指数も前月から上昇し、予想を上回った。良好な米国の経済指標を受け、米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げペースを速めるとの見方が強まり、ドルを押し上げ、ドル建て金には割高感が強まった。NY白金はドル高を受けて続落。

*30日のNY原油は急反発し、1カ月ぶりの高値をつけた。石油輸出国機構(OPEC)は30日の総会で、低迷する原油価格の押し上げに向け、日量約120万バレルの原油減産で正式に合意した。2017年1月から実施する。減産合意は金融危機に見舞われた2008年以来8年ぶり。ロシアなど非OPEC産油国も60万バレルの減産で協力する方針で、協調減産の規模は計180万バレルに達する見通し。供給過剰懸念が大きく後退し、買いが殺到したため、10%を超える上昇となった。また、米エネルギー情報局(EIA)が発表した週間在庫統計では、原油在庫が前週比90万バレル減と、市場予想の60万バレル増に反して取り崩しとなった。また、ガソリン在庫は210万バレル増(予想120万バレル増)、ディスティレート(留出油)在庫は500万バレル増(同130万バレル増)となった。

*OPECは9月に減産で基本合意したが、欧米による制裁解除で産油量の回復を目指すイランなどが増産を要求し、協議が難航していた。OPEC盟主のサウジアラビアは最終局面で譲歩。イランなど3カ国が減産を免除された。今回の合意によると、OPECは全体の産油量の上限について、10月実績を約120万バレル下回る日量計3250万バレルに設定した上で、国別の上限も設けた。ナイジェリアとリビアは適用を除外されたが、イラクは90年代以来となる減産が課される。長期にわたる制裁が解除されたばかりであることを理由に、特別な扱いを求めていたイランは日量約380万バレルへの増産が容認された。減産期間は半年。原油価格の動向次第でさらに半年の延長を可能としたほか、減産の実効性を高めるため、合意の履行状況を監視する機関の設置を決めた。ロシアは30万バレルの減産を発表。OPECとの協調減産は12月9日に正式決定する見通し。

*30日のシカゴトウモロコシは小幅続落。シカゴ大豆は続落。

*30日のNY外国為替市場では、石油輸出国機構(OPEC)の減産合意を背景にドル買いが加速し、ドル円は一時114円55銭まで上昇し、2月中旬以来約9カ月半ぶりの高値を付けた。石油輸出国機構(OPEC)は30日の総会で、日量約120万バレルの減産で合意。ロシアなど非OPEC加盟国も60万バレルの減産で協力する方針であることから、供給過剰懸念が急速に後退し、原油相場は大幅に上昇した。これを受けて、米国内のインフレが今後加速するとの観測が浮上し、米長期金利が急上昇したことから、日米金利差拡大から円売り・ドル買いが急速に進行した。良好な米国の経済指標を受け、米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げペースを速めるとの見方が強まったことも、ドルを一段と押し上げた。ADP全米雇用報告は、11月の非農業部門の民間就業者数が21万6000人増と市場予想を大幅に上回った。10月の個人消費支出が前月比0.3%増と予想は下回ったものの、まずまず堅調な伸びを示した。11月のシカゴ景況指数も前月から上昇し、予想を上回った。

*30日のNYダウは小幅続伸。30日に開催された石油輸出国機構(OPEC)総会で、減産合意が伝わり、原油相場が急上昇した。これを好感してエネルギー株が買われたほか、インフレ期待による長期金利の上昇を眺めて金融株にも買いが入った。 また、トランプ次期米大統領は、金融大手ゴールドマン・サックス出身のスティーブン・ムニューチン氏を財務長官に指名すると発表。米次期政権に対するゴールドマンの影響力が強まるとの見方も強材料になった。


【本日の主な経済指標およびイベント】
08:50 (日) 7-9月期法人企業統計・設備投資 (前年比) +3.1% -0.4% -1.3%
10:00 (中) 11月製造業PMI 51.2 51.0 --
10:00 (中) 11月非製造業PMI 54.0 -- --
10:45 (中) 11月財新/製造業PMI 51.2 51.0 --
18:30 (英) 11月製造業PMI 54.3 54.4 --
19:00 (EU) 10月失業率 10.0% 10.0% --
21:30 (米) 11月チャレンジャー人員削減予定数 (前年比) -39.1% -- --
22:30 (米) 新規失業保険申請件数 25.1万件 25.3万件 --
24:00 (米) 11月ISM製造業景況指数 51.9 52.5 --
24:00 (米) 10月建設支出 (前月比) -0.4% +0.6%

第93回 『おしえて陳さん』 
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