【南アランド円、先週の動き・今週の予想】
*先週の南アランド円は、上昇した。8円20銭台まで上昇し、2015年12月以来の高値をつけた。南ア準備銀行(SAAB,南ア中銀)は市場予想どおり政策金利を7.0%で据え置いたが、南アランド円は下落しなかった。

11月から12月にかけて、格付け会社3社(フィッチ、ムーディーズ、S&P)が南アフリカの格付けをジャンク債に引き下げなかったことが好感されて、南アランドは上昇した。フィッチ社は「BBB(安定的)」から「BBB-(ネガティブ)」に引き下げたが、ムーディーズは、現状通り「Baa2(ネガティブ)」から変化なしとし、投資適格級を維持した。そして、S&Pは「BBB-(ネガティブ)」を維持し、見通しをネガティブのまま変更なしとした。

*今週の南アランド円は、先週、格付け会社3社の見通しが出揃い、ジャンクに格下げされなかったことが好感され、南アランド円は反発した。しかし、3社ともに先行きについては楽観的に見ていないことには注意したい。経済成長を高め、それを中期的に持続可能にするような抜本的構造改革を欠く場合は、格付が引き下げられる公算が大きいと強調した。また、公的債務が膨らみ続けていることなども格付けの押し下げ圧力として働いているとの見方を示した。6年ぶりに貿易収支が黒字になる可能性が出ている。長らく続いたランド安や最近の資源価格の上昇や中国景気の緩やかな回復によるものだろう。

今週は、第3四半期国内総生産(GDP)と経常収支の発表が注目される。第2四半期GDPは予想以上に良好だったが、第3四半期は落ち込みが予想されている。また、政権与党のアフリカ民族会議(ANC)内ではズマ大統領の退陣を求める声が出ていたが、結局、ズマ大統領の継続を支持する方向で固まった。ズマ大統領への不信感は強く、政治的にも火種が燻っており、政治的リスクが表面化する可能性は残っている。

zar1206


予想レンジ:7.50円~8.50円


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