【東京金は安値を確認し、値固め局面へ】
*NY金がじりじりと下値を切り下げている。トランプ次期政権の経済政策に対する期待から米長期金利が上昇し、ドルが買われ、ドル建て金は割高感から売りが継続している。米経済指標も良好で、年内の利上げ見通しはほぼ確実となったようだ。7~9月期の米国内総生産(GDP)改定値は前期比3.2%増と速報値の2.9%増から上方修正され、市場予想の3.0%増も上回った。11月の消費者景気信頼感指数も前月から上昇した。ADP全米雇用報告は、11月の非農業部門の民間就業者数が21万6000人増と市場予想を大幅に上回った。10月の個人消費支出が前月比0.3%増と堅調な伸びを示した。11月のシカゴ景況指数も前月から上昇し、予想を上回った。11月の米雇用統計は、非農業部門就業者数が前月比17万8000人増と前月(14万2000人増=改定)から伸びが拡大し、失業率も4.6%と0.3ポイント低下し、9年3カ月ぶりの低水準に改善したものの、平均時給が前月の25.92ドルから25.89ドルに低下し、約1年ぶりにマイナスに転じた。これを受けて利上げペースが想定よりも緩やかになるとの見方が出て、ドルが反落し、金が反発する場面があったが、ドル買い・金売りの流れを変えるには至らなかった。
*CFTC建玉11月29日時点でのファンドの金買い越しは、15万1570枚(前週比-1万5515枚)。総取組高は40万5661枚と前週比5万5401枚の減少。
*金ETF「SPDRゴールド・トラスト」の金保有高は減少が続いている。12月6日時点で869.90トン。年初来最大量は982.72トン(7月5日)。NYダウが市場最高値を更新し、米長期金利が2.5%近くまで上昇した。12月の利上げが確実視され、安全資産として買われていた金には売りが継続している。12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)までは売られる可能性が高い。
*NY金は1150ドルのサポートラインを試す展開になっている。1150ドルで下げ止まるのか、1150ドルを下回るのか、これは14日の米連邦公開市場委員会(FOMC)後にはっきりするだろう。12月の利上げ確率は90%を越えており、材料的にはほぼ織り込まれていると言えるだろう。問題は、声明で今後の利上げペースに関して、どのような言及があるかだ。市場では、2017年の利上げペースは2~3回と見込んでいるようだが、市場がこれに懐疑的になればドルの上昇にブレーキがかかり、金は反発に転じるだろう。現在のドル円は115円の上値を試す状況になっており、115円台が定着すれば115~120円のレンジに浮上するだろう。その時のNY金は1150ドルを軸としたレンジを形成すると想定すれば、大まかに見て、東京金は4200~4400円のレンジが算定される。
今週の予想レンジ:4200~4300円
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