【 東京金は4500円台を示現後に押し目を形成、再び高値トライへ 】

*先週は、イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長の議会証言があり、年内の利上げに関して前向きな姿勢を見せた。米長期金利が上昇し、ドルが買われ、NY金は1230ドル台に下落した。小売売上高や消費者物価指数が予想以上に伸び、早ければ3月にも利上げする可能性があると思惑された。

しかし、年3回の利上げは昨年12月に想定されていたわけで、イエレン議長の発言は、FRBの姿勢を再確認したということで、あまり弱材料にはならなかった。

それよりも、マイケル・フリン大統領補佐官がロシア問題の件で辞任し、労働長官の指名を受けていたパズダー氏が指名辞退を表明したため、トランプ政権の運営混乱を受けて「リスク回避」の金買いが優勢となった。

17日には1241ドル台まで上昇し、2016年11月10日(1266.40ドル)以来約3カ月ぶりの高値を付けた。3連休明け21日は、対ユーロでのドル高進行に伴う割高感や米早期利上げ観測などに上値を抑えられ、ほぼ横ばいだった。

フィラデルフィア連銀のハーカー総裁とクリーブランド連銀のメスター総裁が3月の利上げの可能性を示唆し、米長期金利の上昇を受けてドルが買われ、金は売られた。

しかし、トランプ大統領の政策運営に対する不透明感が強く、極右政党が台頭しつつある欧州情勢への懸念もあって、下げ幅は小さかった。2月の米製造業購買担当者景況指数(PMI)が53.9と、市場予想の55.8と1月の55.6を下回ったことも金のサポート要因となった。

*25日移動平均線に沿って上昇、100日移動平均線をブレイクしたものの、1250ドルが上値抵抗線となったようだ。しかし、下落しても100日移動平均線にサポートされており、25日移動平均線と100日移動平均線がゴールデンクロスしつつある。下値は堅く、値固め局面が続きそうだ。1200~1250ドルのレンジで保ち合いが続くだろう。

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*CFTC建玉2月14日時点:ファンドの金買い越しは10万9752枚(前週比-7397枚)と減少。総取組高は41万5128枚と前週比415枚の減少。

*NY金の上昇を受けて、東京金も上昇基調を強め、16日には4512円まで上昇し、年初来高値を更新した。チャートからは、昨年7月につけた4523円が目前になったことがわかる。4500円台を値固めし、昨年3月の高値4622円を目指す展開になろう。

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さて、先週のイエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長の議会証言や、週明けの複数のFRB高官のタカ派的発言を受けて、早ければ3月にも利上げとの見方が出ているが、CMEのFED WATCHでは、21日における3月の利上げ見通し確率は22%にすぎない。6月は46%であり、利上げは6月になると予想する。それよりも、週明けはドルが対ユーロで上昇したにもかかわらず、NY金が底堅く推移したことに注目だろう。

3月に入れば、欧州の政治リスクがさらに金相場に影響を及ぼすだろう。 3月のオランダ総選挙、4~5月のフランス大統領選は、いずれも移民政策に反対する極右やポピュリスト政党が優勢になっている。特に、フランスでは、欧州連合(EU)脱退を公約に掲げている国民戦線(FN)のルペン党首が勝利する可能性が高まっているが、フランスがEU脱退となれば、ユーロが瓦解する可能性が高まる。欧州の政局は混迷を深め、欧州発のリスク回避の金買いが本格化するだろう。ドイツが予定を前倒しして、海外に預けてる「金塊」を自国返還させようとしているのも、こうした背景からだろう。NYダウは2万ドル台で推移しているが、金ETF保有量は増加傾向にあり、投資家はリスク回避に備えているといえるだろう。

*金ETF「SPDRゴールド・トラスト」の金保有高は、2月21日時点で841.17トン。2月に入ってから増加に転じ、1月末(799.07トン)から比較すると、5.2%の増加。今年の最大量は843.54トン(2月15日)、昨年の最大量は982.72トン(7月5日)。

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*今週の予想レンジ:4400~4550円


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