【トルコリラ円、先週の動き・今週の予想】
*先週のトルコリラ円は軟化した。米国の利上げペースが緩やかなになるとの見通しのもと、オバマケア代替法案を巡るごたごたからドルが売られ、トルコリラは対ドルで堅調に推移した。ただ、円高を受けて、トルコリラ円は軟調に推移した。

*今週のトルコリラ円は方向性に乏しく保ち合いで推移しよう。トルコ中央銀行は16日に開催した金融政策決定会合で、主要な政策金利の翌日物貸出金利、1週間物レポ金利(政策金利)、翌日物借入金利をそれぞれ9.25%、8.00%、7.25%で据え置いた。しかし、事実上の上限金利として使用している「後期流動性貸出金利」を0.75%引き上げ、11.75%とする引き締め策を決定した。同金利の引き上げは1月に続き2会合連続となった。金利引き上げを受けて、トルコリラは反発しており、米国の利上げペースが緩やかになるとの見通しのもと、トルコリラも底堅く推移している。

さて、4月16日に実施される国民投票への参加を呼びかけるため、在外投票を狙ったトルコ外相の外遊がEUで拒否される一方、ドイツではトルコ政府と敵対関係にある非合法組織クルド労働者党(PKK)の支持者たちにデモを許可し、国民投票を巡って、トルコとEU諸国との軋轢が高まっている。エルドアン大統領の権限を強めるこの投票に対し、同大統領は52%以上のイエス票を期待していると言い、日に日に賛成票は増えていると強気の発言をした。26日にエルドアン大統領が、EU諸国の一連の反トルコ的な行動に対し、「ヨーロッパが私を独裁者と呼びつづける限り、私はヨーロッパ諸国をナチと呼びつづける」と轟然と非難した。政治的な混乱も予想され、トルコリラが上昇基調に転じるのはまだまだ時間がかかりそうだ。トルコ国内のエコノミストたちによる昨年第4四半期(10-12月)の成長率予測の平均は2.4%となった。予測の最小は1.2%、最大は4.1%だった。2016年通年の成長率予測の平均は2.3%となった。

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予想レンジ:29.00円~32.00円


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