3月30日(木)
【3月29日の海外相場および市況】
ny0329

*29日のNY金は小幅続落。ドルが対ユーロで反発したため、ドル建て金に割高感が強まった。シカゴ連銀のエバンズ総裁が、年内1~2回の追加利上げを支持すると語ったのを受け、ドルは続伸している。一方、トランプ政権による経済政策の実現性に懐疑的な見方が浮上している上、フランス大統領選の行方など不安材料も多く、下値は堅かった。英国のメイ首相は29日に欧州連合(EU)からの離脱を正式にEU側に通告したが、相場の反応は限られた。NY白金はドル高を受けて続落。

*29日のNY原油は続伸し、3週間ぶりに49ドル台に乗せた。米エネルギー情報局(EIA)が発表した週間在庫統計によると、24日までの1週間に国内の原油在庫は90万バレル増加。2週連続の積み増しとなったものの、市場予想(140万バレル増)を下回ったほか、石油製品もガソリンが370万バレル減(市場予想は190万バレル減)、ディスティレート(留出油)が250万バレル減(同120万バレル減)と、予想の約2倍に当たる規模の在庫取り崩しとなった。EIAの発表を受け、相場は48ドル台半ば近辺から一気に49ドルを突破した。また、リビア西部での油田封鎖に伴う供給混乱や、石油輸出国機構(OPEC)主導による協調減産の延長見通しも支援要因となった。

*29日のシカゴトウモロコシは小幅続伸。31日の作付け意向面積報告では、米国のトウモロコシ作付面積は前年を下回る一方、3月1日時点の在庫は前年同時点実績を上回ると見込まれている。シカゴ大豆は小反落。31日の作付け意向面積報告では、米国の大豆作付面積は前年比で大幅に増加すると見込まれている。

*29日のNY外国為替市場では、米長期金利の低下などを背景にドルを売る動きが先行したが、その後は買い戻され、ドル円は111円近辺で引けた。米ボストン連銀のローゼングレン総裁が同日の講演で「今年計4回の利上げが、緩やかな引き上げに相当する」と発言。また、サンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁が講演で「今年の利上げ回数が計3回超になることを排除しない」と明言した。これらの発言を受けて、米連邦準備制度理事会(FRB)による追加利上げペースの加速観測が強まった。また、欧州中央銀行(ECB)が4月の定例理事会で金融引き締めに向けた政策メッセージを新たに変更することに慎重になっているとのロイター通信の報道もドルの買い戻しを後押しした。

*29日のNYダウは反落。この日は、主要な経済指標の発表がなく、手掛かり材料に乏しい中、利益確定売りに押された。トランプ政権は先週末24日に米医療保険制度改革(オバマケア)見直しの撤回に追い込まれたが、トランプ大統領がオバマケア見直しに固執せずに、速やかに法人税減税など税制改革に着手する方針を示したことで、政権が掲げた景気刺激策への期待が消えたわけでもにあため、下値は限定的だった。もっとも、税制改革の議論が大きく進展しないと、積極的な買いは入りづらいようだ。NY原油が大幅続伸し、エネルギー株に買いが入ったこともダウの下値を支えた。


【本日の主な経済指標およびイベント】
18:00 (EU) 3月経済信頼感 108.0 108.3 --
18:00 (EU) 3月消費者信頼感・確報 -5.0 -5.0 --
18:30 (南ア) 2月生産者物価指数 (前年比) +5.9% +5.6% --
21:00 (独) 3月消費者物価指数・速報 (前年比) +2.2% +1.8% --
21:30 (米) 新規失業保険申請件数 25.8万件(26.1万件) 24.7万件 --
21:30 (米) 10-12月期GDP・確報 (前期比年率) +1.9% +2.0% --
21:30 (米) 10-12月期個人消費・確報 (前期比年率) +3.0% +3.0% --
21:30 (米) 10-12月期GDPデフレーター・確報 (前期比年率) +2.0% +2.0% --
21:30 (米) 10-12月期コアPCEデフレーター・確報 (前期比年率) +1.2% +1.2% --
未定 (南ア) SARB政策金利発表 7.00% 

第109回 『おしえて陳さん』 
http://www.sunward-t.co.jp/movies/oshiete/