【 東京金は、いずれ上値にトライへ 】
*週明け10日のNY金は反落した。金相場は先週7日、予想より弱かった米雇用統計と米国のシリア攻撃を受けて、昨年11月上旬以降で初めて1270ドルを上回った。この反動からこの日は利食い売りが出やすかった。

ただ、米国は7日、シリアのアサド政権に対して軍事行動に踏み切った。当初、攻撃は1回限りと述べていたが、その後、追加攻撃の可能性を示唆した。また、北朝鮮に対しては原子力空母カール・ビンソンを朝鮮半島近海への派遣を決定した。北朝鮮は15日の太陽節(金日成生誕105周年)に、核実験やミサイル発射を行う可能性が高いとされ、地政学的リスクが一気に高まった。

11日には、リスク回避や米長期金利の低下もあってドル売りが進み、NY金は一時1275.90ドルまで上昇し、終値も1271ドルとなって200日移動平均線をブレイクして引けた。

これ以降も、米軍がアフガニスタンに最強の破壊力を持つ非核爆弾を落とした事や、トランプ米大統領が前日、米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策について低金利が「望ましい」と言及したことも、金利を生まない資産である金にとっては支援材料になり、先週末には1290.7ドルと年初来高値を更新し、5カ月ぶりの高値を付けた。

北朝鮮は16日、弾道ミサイル1発を発射したが、直後に爆発し、発射は失敗した。米朝間の緊張が一段と高まる恐れから、連休明け17日のNY金は一時1297.40ドルまで上昇し、約5カ月ぶりの高値に達した。

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*CFTC建玉4月11日時点:ファンドの金買い越しは17万2666枚(前週比+1万7230枚)と増加。総取組高は45万6131枚と前週比2万8323枚の増加。

金ETF「SPDRゴールド・トラスト」の金保有高は、4月17日時点で848.92トン。年初来最大量は845.32トン(3月2日)、年初来最小量は799.07トン(1月25日)。昨年の最大量は982.72トン(7月5日)。年初来最小量からは6.2%増加、前年同期比では4.5%増加。米国のシリア攻撃、北朝鮮情勢の緊迫化を受けて増加した。

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*北朝鮮高官は17日、ミサイルの発射実験を今後も続ける考えを示し、「もし米国が軍事的攻撃を計画しているなら、先制核攻撃で反応する」と述べた。韓国訪問中のペンス米副大統領は、北朝鮮に対する「戦略的忍耐の時代」は終わったと述べ、米国の出方を試そうとしないよう警告した。北朝鮮は朝鮮人民軍創建85年にあたる25日前後に、ミサイル発射や核実験を実施する可能性があるとの予測もあり、地政学的リスクは収まりそうにない。

また、米国がシリアのアサド政権に対して軍事攻撃を行ったことで、ロシアとの関係が悪化してきている。

23日にはフランスの大統領選(第1回)が行われるが、極右政党の国民戦線のルペン候補が決戦投票に残る可能性が警戒されている。

米国内においては、米議会がヘルスケア法案の採決が先送りしたまま、イースター休暇に入ったが、25日に議会が再開されても、28日までに暫定予算案や米連邦債務上限の引き上げを採決できない場合、米連邦政府機関が閉鎖されることも考えられる。

さらに、トランプ政権と共和党保守派グループ「下院自由議員連盟」の対立が深まっており、ヘルスケア法案の修正案の採決が5月以降に先送りされる可能性もあり、市場が期待している税制改革やインフラ計画も大きく後退する可能性が高く、トランプ政権の政策遂行能力への懐疑的な見方が強まり、米株価への悪影響も出てくるだろう。

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米国内外の不安要因を背景に、ドルの上値は重くなり、リスク回避から今後も金が買われていく可能性は高い。東京金は4500円の上値抵抗線での攻防になっているが、昨年10月11日の安値4111円を起点とする上昇トレンドに沿った展開が続いており、上値抵抗線突破で年初来高値にトライする可能性が高まるだろう。

*今週の予想レンジ:4400~4550円



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