【南アランド円、先週の動き・今週の予想】
*先週の南アランド円は堅調に推移した。7日に行われたフランス大統領選の決選投票では、中道系独立候補のマクロン前経済相が極右政党・国民戦線(FN)のルペン党首に大差を付けて勝利した。また、米国の原油やガソリン在庫が減少したことを受けて原油相場が反発し、トランプ大統領がコミー連邦捜査局(FBI)長官を電撃解任したことで金相場も上昇した。そのため、南アランドは買い戻され、対円では円安もあって8円50銭台を回復する場面もあった。

*今週の南アランド円は堅調に推移しそうだ。ズマ大統領がゴーダン財務相を3月末に解任し、格付け会社S&P社が4月上旬に、南アフリカの外貨建て長期債務格付けを従来よりも1段階低い「BB+」に引き下げたが、そこがボトムとなって反発に転じ、堅調に推移している。

経済指標としては3月の小売売上高に注目。フランス大統領選の結果や原油相場の上昇が強材料になっている。石油輸出国機構(OPEC)の盟主であるサウジアラビアとロシアは、現行の原油生産の削減を2018年3月末まで行うことに合意したようだ。トランプ大統領のコミーFBI長官の突然の解任により、金相場が堅調に推移している。いずれも間接的に南アランドをサポートしている。とはいえ、ズマ大統領がゴーダン財務相を解任した直後に起こったランド売りが再燃する懸念は残っている。今年12月には、与党・アフリカ民族会議(ANC)で次期党首を決める選挙が行われるが、年末にかけて政治リスクが高まる可能性がある。選挙はまだ先の話だが、南アランドは常に政治リスクに注意しておきたい。

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予想レンジ:8.30円~8.70円


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