【NY金は1300ドルを目指す展開に】

18日の東京金は大幅な円高にもかかわらず、金相場はプラスで引けた。


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昨日のNYダウは、昨年11月の米大統領選後、最大の下げ幅を記録し、恐怖指数VIXは15.59と、前日比で46%近くも急騰し、市場の警戒感の高まりが示された。


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この背景には、コミーFBI長官の解任に絡んで、トランプ大統領のFBI捜査妨害疑惑が浮上し、政治的混乱に対する懸念が強まっているとうことがある。

ロシア側への機密情報漏えい疑惑が取り沙汰される中、トランプ大統領がロシアとの関係に絡んで辞任したフリン前大統領補佐官への捜査をやめるようコミーFBI長官圧力をかけていた疑いが浮上した。

「司法妨害罪に当たる」との声が上がる一方、トランプ大統領を弾劾する民主党議員の発言もあって、市場のリスク回避姿勢が強まりました。このことから安全資産である金が買われ、節目の1250ドルを突破した。

今回の事件は、過去の「ウォーターゲート事件」になぞらえて、「ロシアンゲート」と言われだしている。米国の政権混乱は容易に収まりそうになく、政治的な混乱が続く中、トランプ政権が掲げる大型減税措置やインフラ投資などの重要法案の議会通過が一段と難しくなることが予想され、ドルのさらなる下落が予想される。

仮に、大統領弾劾という”最悪の事態”になれば、6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げは困難になるだろう。

17日時点のCMEのFED WATCHでは、6月の利上げ確率は65%となり、先週の88%から大幅に低下した。

ここ最近の米国の経済指標の悪化も金にはサポート要因となるだろう。先週末発表された4月の消費者物価指数(CPI)や4月の小売売上高はいずれも弱い内容だった。

NY金は、1250ドルをブレイクしたことで、日足チャートでは20日と200日の移動平均線をそれぞれ上回った。調整安場面が終了したと言えるだろう。再び1300ドルを目指すと予想する。

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