5月25日(木)
【5月24日の海外相場および市況】
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*24日のNY金は小幅続落。6月13、14日に開かれる米連邦公開市場委員会(FOMC)では、追加利上げ観測が強まっているが、フィラデルフィア連銀のハーカー総裁は前日、年内あと2回の利上げを支持するとの見解を表明した。これを受けて、金利を生まない資産である金は圧迫された。米格付け大手ムーディーズ・インベスターズ・サービスは前日、中国の長期国債格付けを約30年ぶりに引き下げたが、安全資産とされる金相場のサポート要因になった。引け後に公表されたFOMC議事要旨では、大半のFOMC参加者が経済情勢が想定通りであれば「早めの」利上げが適切と指摘したが、一部参加者から「物価上昇ペースが減速した可能性がある」との懸念が示され、6月に利上げが実施されてもその後の利上げペースはこれまでの想定よりも緩やかになるとの見方が広がり、NY金時間外は3.6ドル程度反発し、1257ドル前後で推移している。NY白金は金に連れて続落。

*24日のNY原油は小反落。米エネルギー情報局(EIA)が発表した石油製品在庫の取り崩し幅が市場予想ほど大きくなかったことから売りが優勢となった。EIAが公表した週間在庫統計では、原油在庫が前週比440万バレル減と、市場予想の240万バレル減を大幅に上回る取り崩し幅となったことから、発表直後には一時買われたが、ガソリン在庫が80万バレル減と、予想の120万バレル減よりも小幅な取り崩しにとどまったことから、反落に転じた。ドライブシーズンは今後夏場にかけて一段と本格化するが、これまでのところガソリン需要が想定ほど拡大していないことが嫌気された。ディスティレート(留出油)在庫も50万バレル減と、取り崩し幅は予想の70万バレル減よりも小さかった。ただ、翌25日には石油輸出国機構(OPEC)加盟・非加盟国による会合が予定されており、協調減産延長に向けた協議の行方を見極めたいとの思惑から、積極的な売りも手控えられた。

*石油輸出国機構(OPEC)は25日、ウィーンの本部で総会を開き、6月末に期限を迎える原油協調減産の延長について協議する。各国は減産期間を来年3月末まで9カ月延長し、引き続き相場を支える方向で調整。総会後には減産に参加しているロシアなどの非加盟国も交えて閣僚会合を開き、延長で合意を目指す。総会に先立ち、減産の実施状況を点検する閣僚級の監視委員会が24日に開かれ、9カ月の延長を各国に勧告した。

*24日のシカゴトウモロコシは反発。米中西部の低温・降雨予報をめぐる懸念が買い材料になった。シカゴ大豆は横ばい。降雨の影響で作付けが遅れたり、農家がトウモロコシから6月に入っても作付けが可能な大豆へ切り替えたりする可能性がある。

*24日のNY外国為替市場のドル円相場は、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨の公表を受けて円買い・ドル売りに転じ、ドル円は111円台半ばに下落した。フィラデルフィア連銀のハーカー総裁が前日夕に来月の利上げの可能性について「かなり高い」と述べていたことを受け、円売り・ドル買いが進行していたが、この日公表されたFOMC議事要旨をきっかけに、流れが反転した。同要旨によると、大半のFOMC参加者が経済情勢が想定通りであれば「早めの」利上げが適切と指摘したが、一部参加者から「物価上昇ペースが減速した可能性がある」との懸念が示され、6月に利上げが実施されてもその後の利上げペースはこれまでの想定よりも緩やかになるとの見方が広がり、ドルが売り戻される展開となった。CMEのFED WATCHによると、年内あと2回の利上げが実施される確率は前日の50%から46%に低下した。

*24日のNYダウは5日続伸し、2万1000ドル台を回復した。米連邦準備制度理事会(FRB)はこの日、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(5月2、3日開催分)を公表。大半の参加者は経済情勢が想定通りであれば「追加利上げが間もなく適切になる」と指摘し、次回6月会合での利上げの可能性が示唆された。ただ、すでに6月利上げを織り込み済みで、サプライズにはならなかった。一方、議事要旨では、物価上昇ペースが「減速した可能性がある」との懸念が示されており、インフレ高進のリスクが高まらないままでは、6月に利上げを実施しても、その後の利上げペースが緩やかになるとの見方が広がり、NYダウは上げ幅を拡大した。


【本日の主な経済指標およびイベント】
17:30 (英) 1-3月期GDP・改定 (前期比) +0.3% +0.3% --
      (英) 1-3月期GDP・改定 (前年比) +2.1% +2.1% --
18:30 (南ア) 4月生産者物価指数 (前年比) +5.2% +4.9% --
21:30 (米) 新規失業保険申請件数 23.2万件 23.8万件 --
21:30 (米) 4月卸売在庫 (前月比) +0.2% +0.2% --
未定 (南ア) SARB政策金利発表 7.00% 

第116回 『おしえて陳さん』 
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